35. 夫がいてもワンオペ育児【自由に生きる方法 ハワイ親子留学編】 | 【自由に生きる方法 】 高見かなえ

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考えることをやめた時点で人は自由を手放します。

私は常に檻の外にいたい。

そのために、楽しみながら考え続けます。

あなたにとっての「檻」はなんですか?

 

 

 

今日もお読みいただきありがとうございます

 

 

 

【自由に生きる方法 ハワイ親子留学編】は、

 

私が子供二人と共に海外移住し、

 

シングルマザーとして

 

子育てを完了するまでの軌跡です。

 

ニュージーランド移住に先駆けて行った、

 

ハワイ親子留学の経験を、

 

当時を思い出しながら書いています。

 

 

 

🌺前回までのあらすじ

 

親子留学のため、ハワイに滞在中の

 

私と2人の子供たち。

 

ある日の午後、コンドミニアムの

 

エレベーターの中で、

 

アメリカ人男性に声をかけられた私。

 

 

小学校では、親子留学中に一人の日本人母が

 

アメリカ人と恋に落ち、

 

離婚を決意したという噂を聞く。

 

 

 

 

 

 

 

35. 夫がいてもワンオペ育児

 

 

 

 

放課後の子供たちは、小学校の校庭で

 

鬼ごっこをして走り回っている。

 

 

 

 

2月のハワイの朝と夜は肌寒く、

 

昼間は暑くても耐え難いほどではない。

 

 

 

今は雨期だが、にわか雨はすぐに上がって、

 

虹をよく見る。

 

 

 

ハワイは日本の夏のように湿気が多くないので、

 

気温が高くなっても過ごしやすい。

 

 

 

 

 

 

 

「もうそろそろ帰るよ。」

 

ハナちゃんママが子供たちに呼びかける。

 

 

 

子供たちの数人が振り向き、

 

娘とアンナちゃんが私たちの方へ走ってきた。

 

 

 

息をはずませながら、

 

アンナちゃんが私を見上げて聞いた。

 

 

 

「ねえ、今日エマちゃんのとこに

 

遊びに行ってもいい?」

 

 

 

 

「ダメだよ。今はパパが来てるから。」

 

 

アンナママがすかさず言う。

 

 

 

 

「あ、パパが来てるの?」

 

 

ちくりと刺す胸の痛みを無視して私は言った。

 

 

 

 

「毎日ゴルフばっかり。」

 

 

アンナママは前に抱えた赤ちゃんを

 

抱きなおしてから、ふくれて言う。

 

 

 

 

 

 

 

出産して間もないのに、

 

異国でのワンオペ育児は

 

不満も溜まるだろう。

 

 

 

 

乳児と大きな荷物を抱えて、

 

小学生の子の毎日の送り迎えは大変だ。

 

 

 

 

それなのに、夫が育児に協力せずに

 

毎日遊びまわっていたら、

 

もし私だったら夫を責めるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

休暇で来ているなら、

 

上の子の学校の送迎くらい、

 

父親がすればいいではないか、と思う。

 

 

 

 

欧米では、育児も家事も分担が当たり前だ。

 

 

共働きでも専業主婦でも同様だ。

 

 

 

結婚、あるいはパートナーシップは

 

協力関係なのだから。

 

 

 

大人なのに、家のことをしないのは、

 

自立した大人として

 

恥ずかしいという意識が浸透している。

 

 

 

何もかも妻に任せるのは、

 

対等な関係とは言えない。

 

 

 

つまり幼児として

 

母親に支配される関係と同じである。

 

 

 

 

日本では、まだ夫を甘やかす妻が多いのだろう。

 

 

そうすれば、ある意味、夫を支配できる。

 

 

不健康な共依存関係なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

もともと仕草がゆっくりの人なのか、

 

疲れているのか、アンナママはいつも怠そうで

 

ぼーっとしているように見える。

 

 

 

 

寝不足なのかもしれないし、

 

出産の疲れもすぐには取れないはずだ。

 

 

 

 

二人目以降は、上の子供の世話があるから、

 

出産後もそう寝てばかりもいられないのは

 

経験したからわかるが、

 

アンナママの様子は、疲れだけでなく、

 

何かを諦めてしまった人のような

 

投げやりな雰囲気がある。

 

 

 

 

「えー、アンナ、もっとエマちゃんと遊びたい。」

 

 

アンナちゃんが母親に駄々をこねる。

 

 

「うーん。じゃあさ、

 

今からアラモアナに寄っていかない?

 

パパは6時半に迎えにくるって。」

 

 

アンナママがゆっくりとした口調で言う。

 

 

 

「いいよ。」私が言うと、

 

アンナちゃんと娘が

 

「やったー」と顔を輝かせた。

 

 

 

 

ハナちゃん親子は用事があると言って

 

別のバスで帰っていった。

 

 

 

 

ーーーー次に続くーーーー

 

 

 

 

このストーリーは私の過去の振り返りです。

 

近況はSNSで発信しています。

 

よろしかったら覗いてみてくださいねドキドキ

 

 

 

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