こんにちは、Kanaeです🌺
今日もお読みいただきありがとうございます。
今日はポジティブ思考の危険性についてお話したいと思います。
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先月、ヤフーニュースに、ある女性が病気になられたという記事がありました。
私は全然知らない人ですが、このニュースを見て、昔読んだエッセイを思い出しました。
桐島洋子さんのエッセイですが、「華麗に生き急いだ女たち」という題で、若くして亡くなられた何人かの女性たちの例をあげ、彼女たちが「自分を飾り、偽りの自分を演じていたために、無理をしていたのではないか」という内容でした。
その中には、外国人男性と結婚していた作家の森瑤子さんや、ニューヨークに移住し「世にも美しいダイエット」で有名になった宮本美智子さん、そして、平成のバブル後期に「超一流主義」「アッパー」「ポジティブシンキング」といった言葉を流行させた斎藤澪奈子さんもいました。
私はもともとあまりテレビや雑誌を見ないので、リアルタイムでは斎藤澪奈子さんを知らないのですが、彼女の死後、たまたま「ヨーロピアンハイライフ」を読んで斎藤さんの存在を知りました。
今回ニュースになっていた女性のブログを少し拝見すると、「欧米で暮らすセレブ女性」というイメージ、「ポジティブシンキング」というキーワードだけでなく、癌を発症されたことまで斎藤澪奈子さんと一致していて鳥肌が立ちました。
全然知らない人のことをジャッジしたくないので、一般論で話しますが、私も桐島さんと同じように、「本当の自分」を隠し、自分の弱さ醜さを否定して「毎日ポジティブ」と言っていたら、やはり抑圧されたネガティブなものが体からサインとして出てくるのでは、と思います。
私はブログで、一貫して「本当の自分」「ネガティブな感情」「影」を認めてください、そうしないと本当の意味で幸せにはなれない、と書いてきました。
私自身も、自分の弱さ、醜さを認めることで心が安定し、内側から湧き上がる幸せを感じることができるようになった、と何度も書いています。
物質世界にいて肉体を持つ私たちには、必ず影があります。
肉体を持つ生物は生存競争を勝たなければ生き残っていけないものです。
今日、私たちが生きているということは、絶対に誰かや何かの犠牲の上に成り立っています。
生物である限り、エゴがあり、みんな自己中なんです。
ユングの心理学に影響を受けた作家のル=グウィンが書いた「ゲド戦記」は、ずっと自分の敵であり、恐れ、逃げ、戦ってきた自分自身の影と統合する話です。
影を受け入れるということは、自分のすべてを許し、愛することです。
だから、ポジティブな面しか認めないということは、自分への愛がない状態です。
人間として陰と陽のバランスを取ることが最も大事だと思っています。
そのために、繰り返しますが、自分の弱さや醜さ、残酷さをジャッジせずに認めることです。
それが自分への愛だからです。
最後に、ニュースに取り上げられた女性の一日も早い回復をお祈りします。
ネガティブを認めることが大事だと書きましたが、一方で、病気に負けない心の強さ、明るさを持った彼女を尊敬しています。
病を得たことで、きっと、人には見えないところで自分の心に向き合い、気づきを得て、日々成長されているのだと思います。
そのような気づきや、今までとは違う、ポジティブだけではない価値観や生き方を読者にシェアしてくれることを楽しみにしています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献
桐島洋子 「５０歳からのこだわらない生き方」だいわ文庫 ２０１１年
アーシュラ・K・ル＝グウィン 「影との戦い ゲド戦記1」 清水真砂子訳 岩波書店 1976年
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