背後から、いやな気配がした。
珍しいとは思ったのだ。
いつも授業開始ギリギリの時間に教室に駆け込むような怠惰な者が、余裕を持って――とは言っても、僕よりも当然遅いわけだが――着席をしているとは。
悪いこととは思わない。
ギリギリに来て授業の邪魔をされるよりはまだいい。
気にくわないのは、何故まだ空きの多い席達の中から、僕の真後ろを選んだのか、というところだ。
……まぁいい、僕は講義に集中し、より知識を深めるだけだ。
愚か者に構っているような暇はないのだ。

講義が始まり、自然と後ろのことなど気にらなくなった…そんな中、ひらりと小さな羊皮紙の切端が目の前に舞い落ちる。
軽く折られたその紙は、ぱたぱたと自ら開いて行く。
中には文字が…

『セブルス、髪切った?』
……書いた主の名はなくとも用意に想像がつく。
下らん。
視界に入れた時間さえも勿体無い。

僕は動じず講義に意識を再び向けた……がすぐにまた邪魔が入る。
コツ、コツ、と椅子の底を足先で打つ音。

…五月蝿い。

僕は眉を寄せ、不快な表情を浮かべて、ちらりと後ろに視線を遣る。
後ろの馬鹿者が僕の視線に気付き、にっと笑いを浮かべる。
……こやつはいつもこのような頭の悪そうな笑いをする。

「髪、切った?」

再びの問いに対して、眉間に更に力が入る。

「下らんことで邪魔をするな」

そう言い放ち、視線を前へと戻す。
何やら後ろから不満の声が聞こえるが、あんな愚か者、相手をしている時間が惜しい。
さて授業に集中――――

途端に首の後ろを走る感覚。

「……っぅあ…っ!」

首の後ろを指が這う、突然の感覚に口から声を漏らしてしまい、慌てて手で口元を抑える。

なんだ!なんなのだ!!

声を出してしまったことの羞恥と、目一杯の怒りを表情に出して後ろを睨みつける。

奴は変わらない笑いを浮かべて、
「襟足が揃ってて綺麗だなー、と思って」

「貴様…っ…!」

感情的に言いかけたところ、「ミスター・スネイプ」と教授がコツコツと杖で机を叩きながら、抑えるように促す。

……く、僕ともあろうものがあんな奴な思惑に乗ってしまうとは……。
一つ深呼吸をして、また椅子に身を委ねた。
…背後を警戒しながら。

そして僕は心に決めた。
これからは、座る席は後ろにしよう、と。

そして髪は首がでることの無い長さにしよう、と。
「グリフィンドールの勝利ーーーーーーー!!!」
 場内にわぁっと歓声が上がる。オリバーは満面の笑みを浮かべハリーとがっちり腕を組んで喜ぶ。
 サイッコーーに嬉しそうだ。
 ……格好いいなと、素直に思う。

 僕は自慢じゃないが勉強が出来る。そこが取り柄だって自覚してる。
 兄さん達だって勉強が出来ないわけじゃないけれど、好きなものに精通していたり、また違う魅力を持っていて、身内ながらに兄さん達は格好いいと思う。
 僕はそうはなれなくて、でも僕にだって出来ることがあるって、そう必死になって勉強した。確かに僕に向いていたのもあるかも知れない。そうして学校では首席になって、人望もそこそこある。僕だからこそこうしていられるって誇りはある。
 ……けどやっぱり僕には絶対になれないものもあって、そこへの憧れがないわけじゃあない。

 彼は……僕と違っていたんだ。

 クィディッチの試合で勝った後は、彼のオーラはいつもと違って、輝きが増す。
「オリバー、昨日の試合見たわ!凄かった!」
「私も!物凄く胸がどきどきする試合だったわ!」
 そんな彼を周りが放っておく筈もなく。
「ありがとう。皆に応援して貰って頑張れたんだ」
 試合のときとは違う、優しい表情は、綺麗な顔立ちをより引き立てる。
 文句なく、格好いいのはわかっているんだけれど、どうにも気持ちが落ち着かない。
 ……それだけが、オリバーじゃないんだぞって、言ってやりたい。


 僕とオリバーと、全く違うタイプだけれど、気が付くと仲良くなっていた。
 オリバーは人気者だし、僕も周りとはそつなく関係を作ることが出来るから、逆に違うタイプだからこそお互いに気になっていたのかも知れない。四六時中傍に居て、オリバーのことならきっと僕が一番知ってるって、思ってる。

 オリバーって、ああ見えて肝心なときに勇気が出ないんだ。

 オリバーのことはわかってる。どんなこと考えてるかもわかってる……つもり。
 傍に居て、もっと近くに行きたいって僕が思ったときも、オリバーだってそう思っていた。意外と言葉に出すのが苦手で、上手く表せない姿に笑ったっけ。
 お互いまだ勇気が出なくって、一緒に歩いてて手の甲が触れ合っただけでどきどきした。
 何度も掠る体温。
 いっそ握ってくれればいいのにって思って見た君は、僕の方を見ることも出来ずに、顔を少し赤くしながら緊張していた。
 ……格好悪い。
 いつも格好いい君のそんな姿が僕にはとても愛しかった。
 手を伸ばして、小指を絡ませると、偶然ではない体温に君は驚いて身体を強張らせた。
「……オリバー…」
 そう名を呟いて絡ませた指を催促するように軽く引くと、オリバーは顔を更に赤らめながらも大きな手で握ってきてくれた。
 その掌はとても熱かった。


「ねぇねぇ、オリバーってどこに遊びに行くのが好きなの?」
 そんなオリバーに興味津々な女の子達に、普段じゃ見れないオリバーも教えてあげたいところだけれど、それはそれで癪だったりもする。
 きっとあんなオリバーは、僕しか見たことがないのだから。
「ねぇオリバー、今度のホグズミート週末のとき一緒に―――」
「オリバー、僕はそろそろ寮に戻るけど?」
 女の子の言葉を遮るように言葉をかける。
「あ、パーシー待って、僕も戻るから」
 オリバーは慌てるように教科書を抱えて準備をする。女の子は不満顔だ。
「えー、もうちょっといいじゃない」
「ごめんね、暫く練習につきっきりだからあまり勉強してなくて、教えて貰う予定なんだ」
 申し訳なさそうに嗜めるオリバーに更に詰め寄ることなど出来るわけもなく。
「じゃあ、またね」
 笑顔で軽く手を挙げる姿は、完璧だなと思う。
 僕以外の前で、そんなに格好よくなくていいのに、なんて思ってることは本人に言えるわけがない。
 落ち着かずに早足で寮へ向かう。オリバーは少し遅れて追いかけるように付いてくる。
「パーシー、待ってよ」
 勿論聞こえちゃいるけれど、なんだか意地悪したい気持ちになる。
「何か、怒ってる?」
「何も?」
 必死で早足で歩いても、足の長いオリバーにとってはそんな大変なことでもなくて、すぐに追いつかれてしまう。
 僕がこうして何かしらでムキになっているときは、オリバーは何も言わない。何を言ったらいいのかわからないからだ。でも僕の傍を離れることはしない。ずっと一緒に居てくれる。
 何も言わないまま、部屋に着く。
 ちらりとオリバーの顔を一瞥すると、やっぱり何を言ったらいいのかわからない困り顔。
「……別に、話してて良かったのに」
「でも…勉強教えてくれるって…」
「別に今でなくても大丈夫だろっ」
 本当はこんなことが言いたいわけじゃないのに、素直になれない自分がどうかと思う。
「もしかして……ヤキモチ…?」
 図星。
 こんな小さなことで妬いて、困らせて、そんな自分は見せたくないと思ってもなかなかそうはできなくて。
「良かった、僕が何か怒らせるようなことしたかと思ったよ」
 こんな僕の姿を見て、オリバーはくすくすと笑いを零す。
「だって、……だって、オリバー、君は僕と約束してたのに、女の子に愛想を振り撒いて…」
「愛想って……、でも、こうして一緒に来たよ?」
 オリバーは傍に寄り添って微笑みかける。
 その笑顔は卑怯だ。
「――――――うん」
 それ以上言葉が言えなくて、何だか気恥ずかしくて俯く。
 暫く訪れる静寂。
 沈黙に耐え切れず、そっと伺うように目線を上げると、ずっと僕の様子を眺めていたらしくオリバーとしっかり目が合ってしまう。
 途端に身体の中を何かが走るように熱くなる。
 それはどうやら、僕だけではなかったらしい。
 さっきまで落ち着いていたのに、じっと見ていた視線を外し、泳がせるオリバー。静寂を打ち破りたいのか、何度も喋ろうとするものの、言葉にならず口が微かに動いている。
 何を考えているのか、あの時と一緒で、バレバレだ。
 手を伸ばして、ネクタイを引っ張り身体を引き寄せる。突然の行動にオリバーは驚き気味で顔をあげるが、至近距離で合う視線に戸惑い、少し顔を赤らめる。
「パ…パーシー…?」
 困惑気味のオリバーに合図を送るように、くい、と再度ネクタイを引く。
「……僕に、恥をかかせないでよ」
 小さく呟いて目を伏せると、オリバーは覚悟を決めたように喉を鳴らした。
 ゆっくりと、ゆっくりと近付いてくる気配。
 そっと触れてくる唇は、優しく、そして微かに震えていた。
 その体温は、あの時の手のように熱かった。

 君のその体温は、僕だけのものだ。

 見上げる天井は、なんだかいつもと模様が違う気がする。ぐるぐると回るような、そんな気が……。
 パーシーはぼーっとした表情を浮かべ、虚ろな目で天井を見ていた。焦点が定まる様子はなく、浅い呼吸を繰り返し、口に咥えていた体温計を手にとって確認をする。
「38.5℃……」
 小さく呟いて目の前に体温計を掲げていた手を力なく落とす。
 時は昼間。具合が悪くなったのは昨夜から。それから医務室でずっと寝ていたものだから、身体はだるいものの寝付けない。学校内では普通に授業がある為、医務室付近に人気はなかった。マダム・ポンフリーもずっと医務室に居るというわけにはいかず、誰も居ない中、パーシーはただただ、天井を見上げている他なかった。
 普段学校内では授業中は勿論、食事や寝るときでさえ人と一緒なものだから、これだけ長時間一人で居るなんてことは久しぶりだった。偶にはこんなのもいいか、なんてはじめは思っていたものの、数時間ずっと何もすることがないと考えも変わってくる。広く高い医務室の天井が、一人であることをひしひしと感じさせた。

 寝返りを打つこと数え切れず、目閉じ、また眠りに落ちないかと考えていた頃……どこからか気配を感じた。しかしその原因を探るのも億劫に思っていた。
 そんなとき、額に何か冷たい感触があたった。
 普段であればその感覚に驚きもしたが、その反射さえも鈍っていた。体温の高いパーシーには、その冷たさが心地よかった。うっすらと目を開け、熱に侵されたままぼーっと景色を確認する。

「…ん……お前…」
 おぼろげな口調で言葉を紡ぐ。
 目に飛び込んで来たのは、フレッドの姿だった。
「パーシー、熱いよ。大丈夫?」
 パーシーの頬に触れるフレッドの手は冷たく濡れていて、パーシーには少し心地よかった。どうやら額に冷たいタオルを絞って乗せた後のようだ。傍らからジョージも顔を覗き込む。
 大丈夫、と自信を持って言える筈もなく、首だけで小さく頷く。
「薬、ちゃんと飲んだかい?」
 今が何時かもわからないパーシーには薬を飲んだ覚えもない。多分近くのテーブルにマダム・ポンフリーが薬を置いているのだろうなと少し視線をテーブルに送ると、ジョージがそれに気付き、テーブルの上の薬を取った。
「飲んでないみたいだな。全く、世話のかかる兄上だ」
 手の上で薬を弄びながらジョージはからかうように言う。
「…お前達に言われたくない」
 パーシーは力なく睨み付ける。しかしベッドでぐったりした状況で睨み付けたって少しも怖くはない。
「さて、ちゃんと薬飲まないと、マダム・ポンフリーに怒られるよ」
 フレッドは水の入ったコップを手にし、ベッドに腰掛ける。パースはそのコップを受け取ろうと上半身を起こそうとしたところ、ジョージがそれを制す。
「パース、ちゃんと安静に」
「僕らが、薬を飲ませてあげるから」
 二人はそっくりな顔を並べ、いたずらな笑顔を浮かべる。
「ちょ…ま、待て…っ」
 抗おうと思っても上手く力は入らない。薬を飲もうというのに身体を押さえつけられ、パーシーにはさっぱり状況が飲み込めなかった。
 ジョージは手にしていた薬を取り出し自分の口に放り込む。
「パース、口、開けて」
 ジョージは、にやりと口の端を上げて笑いながら、パーシーの顎を持ち、無理やり開けさせる。開いた隙に唇を重ね、自分の咥内にある薬をパーシーの口の中に落とした。ジョージが唇を離すと、今度はフレッドがすかさず水を口に含んで、口移しでパーシーの咥内へと流し込む。パーシーはされるがまま水と共に薬を飲み下し、突然の苦しさに息を荒げる。
「…っはぁ……お前ら…病人相手に…」
 睨み付ける瞳は相変わらず力なく。
「ほら、あんまりカッカすると熱が上がっちゃうよ」
 フレッドはあやすように肩を撫で、落ちたタオルを再びパーシーの額に乗せる。
「一体誰の所為だ…」
 半ば諦めたのか、大人しくパーシーはベッドに身を沈める。二人は大人しくなったパーシに満足げのようだ。
「じゃあ、僕らはクイディッチの練習に行くとするよ」
「ちゃんと安静にしてるんだよ、パーシー」
 そう言って二人は医務室を後にした。
「一体何しにきたんだあいつら…」
 まるで、嵐のようだとパーシーは思った。なにやら体力を使い切った気分で、このままなら眠れそうだと、ため息をついて目を閉じた。


―――――翌朝
 昨日よりもずいぶんとすっきりした気分でパーシーは目を覚ました。薬もよく効いたようだ。
「あら、起きたのね。気分はどうかしら?」
 目を覚ましたパーシーにマダム・ポンフリーは気付き、慣れた手つきで額と首の後ろに触れて熱を確かめる。
「あ…はい、よくなったみたいです」
「熱も下がったみたいだし、大分楽になったみたいね」
 マダム・ポンフリーは安心したように微笑む。
「ありがとうございます。お世話になりました」
「…えぇ、まったくあなた方兄弟ったら、ね」
 パーシーがお辞儀をすると、マダム・ポンフリーは少し呆れたように言う。パーシーは一体何のことかわからなかった。
 …まさか昨日のことを知られたんじゃ…
 そんなことがパーシーの頭を過ぎり、背筋が凍る。
「ほら…」
 マダム・ポンフリーが声で促す視線の先には、誰かが横たわるベッドが二つ。
 テーブルの脇に置いた眼鏡をかけ、そのベッドを覗いてみると……
「フレッド…?ジョージ……?」
 見慣れた人物の姿があった。パーシーはまた二人が何かやらかしたのかと、慌ててベッドを降りて二人のベッドへと近寄った。
「お前達一体…っ…」
 二人はパーシーの姿に気付き、力なく笑った。
「あ、パーシー、おはよう」
「僕らは見事、パースから貰ってこの通りさ」
 ぐったりと横たわる姿は昨日までのパーシーと同じであった。
「そりゃお前達あんな…」
 パーシーはマダム・ポンフリーが居ることを思い出し、一度言葉を止める。
「パーシー・ウィーズリー、あまり病人相手に騒いではいけませんよ?私は少し用事があるので外しますが、あなたはもう寮に戻っても大丈夫ですからね。」
 マダム・ポンフリーはやんわりと制して、忙しそうに医務室から出て行った。パーシーは彼女にお辞儀をして見送り、周りの様子を伺ってから二人に再度小声で話す。
「…あんなことしたら伝染るのも当然だろ…っ」
 自業自得だ、とは思いながらも、だるそうに寝る二人の姿に少し申し訳なさを感じた。しかし二人は辛いどころか、パーシーの姿を見て笑顔を浮かべる。
「パーシーが元気になったみたいで、よかった」
「おまじないが効いたみたいだ」
 そう言って二人で顔を嬉しそうに見合わせる。
「……おまじない…?」
「そう、おまじない。ロンやジニーが昔風邪をひいてたとき、ママがよくやってた」
「早く風邪が治るようにって、おでこや頬にキスしてたんだよな、僕らは風邪ひかなかったから記憶ないけど」
 …だから昨日あんなことを…。
 パーシーは呆れたように肩の力を落とした。
「…このバカが…僕がそんな子供騙…」
 ふと言いかけたものの、自分が快復したことを嬉しそうに思う二人を見て、続きを言うことが出来なかった。まじないの効果があったかどうかは別にして、治ったのは事実なのだから。
「わかった、わかったよ、ありがとう。心配させてごめんな」
 パーシーは宥めるように二人の頭を撫でた。熱で額は熱くなっていて、辛いのは想像するに易かったが、二人とも嬉しそうだった。
「さ、僕は寮に戻るよ。お前達もちゃんと安静にしてしっかり治すんだぞ?」
 そう言ってパーシーは撫でていたフレッドの頭から手を離し、去ろうとした…が、何処にそんな力が残ってるのか、フレッドはパーシーのローブの袖を掴んで離さない。
「……何だ?」
 こういうとき、どうせロクなこと言いそうにないと察知し、パーシーは怪訝そうに言う。
「僕らにも、おまじないをしてくれないのかい?」
 にっこりと曇りのない笑顔をフレッドは浮かべる。
「パーシーからのおまじないなら、きっとすぐに効くよ」
 ジョージも同じくだ。
「……なんで僕が」
「パーシーは僕らのおまじないで治ったんだ。お返しくらいいいだろう?」
「…また僕に伝染るじゃないか」
「パーシーから伝染った風邪だ、もうパーシーは大丈夫だよ」
 こんなときのジョージとフレッドはもう何を言ったって聞きやしないんだ、そうわかっていた。
「…ああもう、仕様がない奴らだな」
 パーシーは半ば自棄になりながら、二人の額に口付けた。
「これでいいだろう?」
 額だったことに二人は少し不満げな表情を浮かべたが、有無を言わせないパーシーの様子にくすくすと笑う。
「ありがとう、元気になれそうだよ」
「…今でも十分元気そうだけどな」
 パーシーは少し恥ずかしいのか、むくれた表情を浮かべて嫌味ったらしく呟く。
「そりゃあ勿論、パーシーがいるからさ」
 ああ言えばこう言う、こいつらにピッタリの言葉だ、と思いパーシーは脱力する。
「知るか、バカ」
 そう言い捨てて、医務室を出る足取りは、昨日に比べて随分と軽かった。ぐるぐると回る天井は、今日は随分と近く感じた。一人のときに感じた、あの空虚感をすっかり忘れていた。誰の所為かなんて考えてやるものか、そうパーシーは心の中で呟いた。