これは日本にある架空の企業の話

なでしこ化粧品㈱だ

社員は女性だけと言う企業

2008年には大きく売上げを伸ばし

世界一も射程距離におさめ

2011年にはアメリカのライバル企業を抜き

とうとう世界一の企業となった

以後も世界トップ3の一角として

世界を代表する化粧品会社として君臨した



しかし2016年、その座から陥落した

なぜ突然の失速をしたのか



<中心メンバーの離脱>

創業期からのメンバーである澤

彼女は長らく社内の中心メンバーであった

何人もの社長を見送った古株でもある

社長が国王ならば、澤は将軍である

実質、会社は澤のものといっていい

その澤が会社を辞めた

寿退社だった

創業期の苦労も、絶頂期の歓喜も知っている

若手、中堅、古参、世代間ギャップを埋めていた

そういったメンバーの後継者というのは

なかなか生まれない、むしろ認められないものだ



<世代間ギャップ>

絶頂期を迎えたのは2008年

このとき採用された社員は現在の主要メンバーである

この頃はまだまだ苦労が多かった

注目はされないし、資金も集まらない

営業活動は自腹といっていい

その苦労が報われたのは2011年

世界一となって世間の目は一気に変わる

注目もされるようになり、資金も集まり始めた

ところが、世界一以降に入社したメンバーは

それまでの苦労を知ることはもちろんない

最初から注目されることに勘違いした新入社員もいた

世界一に貢献した社員に比べればもちろん力は無い

そんな環境や世代のギャップは埋まらず今日に至る



<傲慢>

世界一を獲った世代にも「魔」は忍び寄る

世界一の「自負」はやがて「自信」になったが

「傲慢」と背中合わせだ

それまでは励まし合いは自然であったが

意見の違いが出ても解消できた

傲慢は「一生懸命」の姿を借りて、破壊を始める

世界一を指揮した佐々木社長への不満が出たり

チーム内での意見の違いなどが増えた

2015年、佐々木社長と社員の仲は

悪い方向へ決定的になりつつあった

成功の頂点にこそ「魔」は存在する



<世代交代>

成功した瞬間に下降は始まる

2011年の世界一になったときには、

次の一手を指すべきであった

とは言ってもほとんどが理想論に終わる

うまくいっているものを変えたくないのが

人間というもの

しかし、もっとも良くないのは

世代交代という新陳代謝がないことだ

世界一を獲った世代は年を取る

他社は世界一を狙って進化する

サバイバルは激化する

わかっていても、変われない

生き残るのは強いものではなく、変われるもの

もうひとつの障害は創業期への厚遇だ

古いと切り捨てることは簡単ではない

それが悪いとわかっていてもだ

人情で功労者を厚遇して若手を育てない

育ててもいないのに、力不足で重用しない



<組織の生涯>

ライバルチームは世代交代を成功させ

新たな戦術で「なでしこ」を襲った

サッカーチームと言っても「組織」である

「企業」と変わりない

しかも、企業が辿る宿命を今回、

「なでしこ」に見た気がする

それは決してスポーツだけの世界の話でも

他人事でもないのだ
SMAPの解散は回避されたようである

よかった

90年代に青春を送った人間からすれば

特別ファンでなくても好きなのだ

特に90年代テレビ=SMAPと言って過言ではない

SMAPなくしてテレビの活気はなかった



今は嵐などの後輩に押されているが、

SMAPは開拓者であり王者である

他グループには申し訳ないが、その存在は異次元



さらに言わせてもらえば

SMAPが出てこなければ、ジャニーズ事務所は

若い女性だけのものだっただろう

これがSMAPの存在によって「老若男女」に受け入れられ

レールは敷かれていったと言っていい



もしかすると、本人たちは今回のことで

自分たちの存在の大きさに気付いたのかもしれない

「もう、おれたちの時代じゃない」

そんなくらいに思っていたかもしれない

SMAPとは日本の財産である

だから解散を防ぐという運動まで起こった



個の力はもちろんだが、集結したときも大事

個人活動でもやっていけるかもしれない

しかし集まれることにも意味がある

解散やら独立やらになれば「SMAP」の名前はなくなる

やはりそれは寂しい



例えは違うかもしれないが

ドリフのように解散せず、でも何かで集まれる

まだやってる、そんな風に言われるまで

ダラダラでも存続して欲しいですね
サッカーではない

ラグビーの話

偶然、深夜に見たラグビーW杯

それは歴史に残る一戦となった南ア戦



ラグビーの試合を見たのは初めてだった

ルールは少しくらいしかわからない

なんとなくわかる優勢、劣勢

よくわからないからこそ、

先が読めないからこそ、

どうなってしまうんだ、というスリル



わかっていたことは

南アフリカは屈指の強豪国だということ

そして弱小とされていた日本が

追い上げてとうとう逆転するという

大番狂わせが起きようとしていたこと



日本は終盤にキックではなくトライを選択

これは大きな賭けに出たんだとわかった



ラグビーのボールは前に出せない

数センチしか進めない

ボールに人の山ができる

横にばかり飛ぶボール

激突する選手たち

タッチラインまであと数メートル

でもトライにならない



今まで感じたことの無いハラハラ

手に汗をかくことはあるが、足まで汗がにじむ

そしてボールは日本の選手に抱えられながら

タッチラインの向こうへ



南アフリカに勝利した日本

声を詰まらせる解説者

涙を流す観客



偶然見たラグビーの試合は

にわかファンである幸せを教えてくれた



ベスト8には届かなかったが、

間違いなく世界中を驚かせた日本代表

2019年の自国開催が楽しみだ