うちの両親は、まぁ仲が良かったほうだと思います。

が、母がプリプリすることはしょっちゅうありました。

 

プリプリ怒る母。

それを気にしない体ではぐらかす父。

それがまた気に入らずプリプリする母。

あーあ…苦笑な娘

 

 

 

あるとき、父が学生時代の友人たちとの飲み会に出かけたときのこと。

えらい酔っぱらってひとりで帰れなくなり、迎えに行ったのだと母がプリプリして話し出したことがありました。

 

(娘に愚痴る母)

あんなになるまで飲んで!プリプリ

皆さんにも迷惑かけて恥ずかしい!プリプリ

 

(違う話をし出す父)

お店のコースターの絵がね、きれいな花だったからお母さん喜ぶと思ってもらって帰ってきたんだよ。のほほん風

 

(どちらかというとお父さんっ子な娘)

へ~、どんなコースター?

 

 

 

そんなのあったかしら…とコースターを探し出した母。

 

これを機にプリプリがおさまるかとちょっと期待したけれど、何よこんなものと言わんばかりにこちらにプリっと投げてよこした。

 

そのとき、父が一瞬寂しそうな顔をしたように見えて…

 

どちらかというとお父さんっ子の私は、それがせつなくて。

そんな投げるようなことしなくてもと、(心の中で)思ったことがありました。

 

ただまぁ、今する話じゃなかったよねぇ。

(注:乗っかったのは私なのだが)

 

 

 

お母さんに持って帰ってあげよう。

花が好きだからきっと喜ぶだろう。

父の言っていたことはきっと本当。

 

でも、母からしたら、

そういうことじゃないんだよ!

そんなことより私が言いたいのはね…

という感じだったろう。

 

連絡を受けて心配した。

酔っぱらった父を連れ帰るのはほんとに大変だった。

ごめんね、ありがとう。

そんな言葉があれば違っただろうか。

 

コースターの話をしたのは、素直に伝えるのが苦手な父なりの「大事に思ってるんだよ」の表れだったのかもしれない。

 

ただまぁ、今する話じゃな…(再)

(注:乗っかったのは…再)

 

 

 

お互い大事に思ってるってことなのになぁ。

傍から見るとそう思うけど。

 

そういうことじゃないんだよ!も

どこか気恥ずかしくて素直に伝えるのが苦手な感じも

どっちも自分の中に生きていて降参です。(苦笑)

 

 

 

 

素直になれないときもあるよね~。

 

素直になれないんだね。

そうなんだね。

 

素直になれないことにも素直でいる。

 

それから、

本当はなんて言いたい?

 

その元にある気持ちを後からでもわかっていられたらいいなと思います。

 

それを伝えるかどうかは、そのときの‟素直”の表れで。

 

 

 

お盆だから思い出したのかな。

 

ニコニコ顔の遺影を見ては

「何言っても笑ってくれてるからいいね」

と、母はよく言っています。

 

なんだかんだ、今も一緒にいるようです。