『花と刻』伍の前篇 | ネクラな魔法使いのぼやき

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連作短編小説『花と刻』の五話目の前編です。

一見さんは一話目をオススメします→『花と刻 壱』

今回も電話スタート。夏日は清々しいキャラなので可愛くて好きなのです。

とりあえず花と刻の物語、五日目をどうぞ。


追伸:ちょっと修正しました(H25.4.29)


*****


『刻! また変なことして体調崩したって明日香ちゃんから聞いたよ! いつまで経っても頭はいいのに馬鹿だよね刻は。その残念頭を明日香ちゃんに解剖してて貰ったらいいと思うよ! 全く全く。ちゃんと温かくして寝るんだよ。まあ朝は熱なかったそうだし多分大丈夫だとは思うけど、ちゃんと大人しくしていること! ちょっと話聞いてる?』
「相槌打つ暇すら与えてくれないのはナツじゃないか」
『そうかな? まあとにかく! お見舞い行くからちゃんと寝てなさいよ、刻!』
ナツは言いたいことだけ捲し立てると電話を切った。耳鳴りがする。
「別に風邪はほとんど未遂だったのに」
 妹も、なぜナツに事細かに伝えているのか。まあ医者を呼ばれなかっただけマシと言えばマシなのだが。
「心配性だなぁ、二人共」
 しかし暇である。
 “仕事”をしようにも、パソコンや重要な資料も全て没収されてしまったのでどうしようもない。
 昼になって体調が悪化してなければ隠し場所を教えてくれるそうだが……。妹に起こされ、きちっと朝食を摂らされ、体温までばっちり計られてしまった現在、まだまだ朝の九時すぎである。
 妹が学校に行ったので食器の片付けと洗濯物をしていたが、もう終わってしまったし、とにかく暇だった。
「……おにぎりでも作るかな」
 電話機前から再び台所へと移動する。エプロンは着けたままだったので手間は少なかった。
 手を洗いながら何を作ろうかなぁ、と思案を始めたのだった。


* * *


 昨日のようにランチボックス片手に玄関の扉を開くと。
「あ」
「んなっ!」
 夜明け色と目が合った。
 青空ワンピース姿の花だ。まさかこんなところで会うとはお互い思いもよらず、見事に固まる。
 先に口を開いたのは僕だった。
「昨日はごめん」
「そ……そうだ! お前をここまで運ぶのは面倒だったんだぞ! 人目につかないようにタイミングを計りつつ、最短で家に行けるように頑張ったのだ!」
「ありがとうね、花。でもどうやって家を探したの?」
「お前の匂いを辿った!」
「あ、やっぱり?」
 耳がいいなら鼻もいいのかな、と予想していたが的中していたらしい。
「てかお前軽すぎだ! ちゃんと食ってるのか!」
「ごめん、結構少食です」
「あと刻、お前普段我が儘なかなか言わないやつだろう! もう我が儘放題やりたい放題で酷かったぞ!」
「それもすみません」
「もうちょっと自分に正直に生きろ! いきなり甘えん坊になられても困るわ!」
「はい善処します」
 今までぶんぶんと腕を振り回して怒鳴り散らしていた花が、唐突にぴたりと動きを止めた。
「なんかしおらしすぎないか? 体調悪いのか?」
「なんで素直に謝罪するとそういうことになるのかな花? 僕もこれで結構反省してるんだよ? そりゃ謝るよ」
「ふーん」
 信用ないなぁ僕、と思わず苦笑いが溢れる。
「まあいい。しかしなぜ家にいるのだ? 昨日一昨日が土日だったのだろう? 今日は月曜のはずだが、まさか祝日?」
 訝しげに問う花。これ説明すると面倒だよなぁと思うけど、適当に流してくれるような花ではないので渋々説明開始。
「今日は平日だよ。ただ昨日あんな帰り方をしたから妹に怒られ、大事を取って休まされてるんだ」
「本当に風邪ひいてないのか?」
「ピンピンしてるよ」
「熱は?」
「平熱だよ」
「……むぅ」
 ならまあいいのだが、と言いながらも疑うような視線が注がれる。なんでかなぁ。
「とにかくおにぎり作って来たから一緒に食べよう、家で」
「遠慮する」
 家の方を一瞥すると迷いなく言い切られた。取りつく島もない。まあまだ粘るけどね。
「じゃあいいよ。ここで食べようか花。それともいつもの河原まで行くかい?」
 すると案の定花は慌て出した。
「待て! 休んでる人間がいくら陽が暖かいとは言っても外で食べるのはまずいだろう!」
「なら家で食べようよ。せっかくここまで来たんだから。ね?」
 むぅと腕を組んで悩む花。しかし自分からここに来たのだから脈が全くないわけではないと踏んでいる。こうやって少しずつ家に慣れさせてゆくゆくは居候にしようという魂胆だったりする。
 どう答えるかなとわくわくしながら待っていたら、とうとう花が折れた。
「わかった……ご飯を食べるだけだからな?」
「はいはい。どうぞ入って入って」
 ニコニコと扉を花のために開く。花は気が引けたような顔をして扉を見詰めていたが、了解してしまった手前逃げられないので、恐る恐るといった体で玄関に踏み入れた。
「別に罠なんてないのに」
「刻うるさい!」
 がるーと威嚇するように睨んでくる花の頭をぽんぽんと叩くと、手を握り、中へと引っ張る。
「ようこそ白井家へ」
「強引だぞ刻。……お邪魔します」
 丁寧な挨拶とは裏腹に、警戒心剥き出しでキョロキョロしている花は野生動物っぽかった。
 玄関に立つ花は、ワンピース姿なこともあり、普通の女の子だった。挙動不審さを無視すれば、だけど。
「さ、上がって」
「あー……雑巾をくれないか?」
 いきなり何を言い出すのかと首を傾げると、お前気づいてないのかといった呆れ顔が返ってきた。花は足元を指差した。つられて視線を下に向けると。
 裸足だった。
「あれ? ……靴履いてなかったっけ?」
「履いとらん。靴は手に入りにくいからな、最近は履いてない。本気で気づいてなかったのか?」
「いや全く。痛くないの?」
 花はコクンと頷いた。
 まあとにかく素足で徘徊していたから足を拭かなきゃ上がれない、だから雑巾を、ということなんだろう。
 ふむ。
「せっかくだしお風呂入ろっか」
「はあ! ご飯を食べに来ただけだぞ! 約束と違うじゃないか!」
「約束はしてないよぉ?」
「詐欺だあ!」
 回れ右しかけた花の脇に手を入れ、ひょいと持ち上げる。
「花は軽いなぁ」
「はーなーせえ!」
「はいはい」
 足をバタバタさせる花を無視して風呂場へ連行していく。風呂場の戸を肘でうまいこと開けると、中に花を降ろした。
「せっかくなんだし、ゆっくりお風呂入っちゃいなよ。追い焚きすればすぐ入れるからね。それとも足だけ洗って出ちゃう?」
「とか言いながらすでに追い焚きのボタン押してるじゃないか! 私に選択させる気はあるのか?」
「いやない。じゃごゆっくり」
「ま、待てえ!」
 とまだ叫んでいるが閉めてしまう。あ、そうだ。
「着替え適当に探してくるから、脱いだ服は戸の外に置いといてね。洗濯してあげるよ」
 中でまだ喚いていたが、やっぱり無視して歩き出した。花が着れそうな服、あるかなぁと考えながら。


* * *


「なぜスカートしかないのだあ!」
 切実な悲鳴が聞こえて、本から目を上げた。脱衣所の戸に寄りかかって読書をしながら待機していたのだが……一体どうしたのやら。本を閉じながら言葉を返す。
「ズボンはボロボロかサイズが合わないのしかなかったからスカートしかないんだ。何か問題あったかな?」
「大問題だ」
「どんな?」
 しかし続く答えが聞こえてこない。ん? と首を傾げていたら、今度は打って変わって小声が聞こえてきた。
「……もっと小さいパンツ、ないか?」
「ごめんね、流石に子どもの頃のパンツはなかったよ。だから僕の新品か、妹の最近のしかないんだ」
「……そうか」
 絶望が漂ってくるような声だ。どうしたの? と問うと、困り果てた顔が浮かぶような声が返ってきた。
「パンツが大きくて……落ちる」
「あー」
 なるほど。ズボンなら股で止まってくれるが、スカートだとストンと落ちてしまうのだろう。それは困ったな。
「買ってくる?」
「お前が子どものパンツ、しかも女の子用のを一人で買いに行くのは最早犯罪だと見なされる自殺行為だろうからやめた方がいい。……それより私の元々履いていたパンツはどこだ?」
「酷い言い種だなぁ。そして君のパンツは洗ってる最中だよ」
「んなぁ!」
 なぜか固まったような気配が漂ってくる。絶句するようなことだろうか? 事前に洗うって宣言してたし。
「わ、わた……私のパ、パンツ……洗ったのか?」
「そうだよ」
「さ、触ったのか?」
「そりゃあ僕はエスパーじゃないからね、触らなきゃ洗えないよ。……花?」
 静まり返った脱衣所に違和感を感じて名前を呼ぶ。暫しの沈黙の後、それは爆発した。
「お、お前はあ! デリカシーの欠片もないバカモノだとずーっと思っていたがここまで朴念仁のド阿呆の変態だとは思っていなかったぞ馬鹿変態刻!」
 いつもながら酷い言われようだ。娘にパンツ一緒に洗わないでと言われるお父さんの気持ちがちょっとだけわかった気がする。
 しかし……とうとう花にまで変態呼ばわりされるとは、ちょっと悲しいなぁ。なんてぼんやり考えていたら。
「ほんとどうすればいいのだ……」
 大分悲観した呟きが聞こえてくる。はあやれやれ、と立ち上がった。
「スカートの上からパンツを押さえてればいいじゃない」
「やっている。しかしだな……」
「じゃあ開けますよー」
「何! ま、待て!」
「でもちゃんと着替えて、パンツも押さえているんでしょう?」
「そうだが……」
「はいはい、失礼しますよー」
「わっわっ、ま、待って刻!」
 しかし埒があかないので脱衣所の戸を容赦なく開く、と。
 ちょっと涙目で花柄のスカートの前を押さえてへたりこんでいる花がいた。弱々しい顔で途方に暮れたように僕を見上げている。
 可愛いけど流石に可哀想だなぁ。
「刻ぃ~」
「はいはい。じゃあ僕がお姫様抱っこするから花はパンツ押さえててね」
「んな! そんなことできるかあ! あとパンツパンツ軽く言うなあ!」
「他になんて呼べって言うのかな?」
 もう半分以上混乱状態なので軽く流しながら、「はい失礼っ」「ひゃっ」と足を掬い取り、そのままお姫様抱っこに持っていく。ほんの少し昨日の復讐もこもっていたりするがそれは内緒だ。
「案外大丈夫でしょう?」
「無駄口叩かずにさっさと行くぅ!」
「はいはい」
 見えようがなくても恥ずかしいんだなぁ。というか。
「小学生の女の子の裸見ても別に欲情しないよ、僕?」
「中学“二”年生!」
「はいはい」
「お前! さっきからはいはいはいはいと、適当に流すな!」
「もう。花は花でしつこいよ。それに何? 花は僕に欲情して欲しいの?」
「な訳あるかあ! でも私も一応女の子として、その言い種が許せんだけだ!」
 女の子って面倒臭いなぁ。
 足はリビングに向かいながら、視線は明後日の方角に向く。なんとなく痛い視線が横顔に当たっている気がするが、放っておくのが吉な気もするので妹の電話、ぼちぼち来るかなぁ、とか考えてみる。
「降ろしますよー」
 リビングに到着したので一応声をかけてから椅子に降ろしてあげた。
「あ、ありがとう」
 スカート越しにパンツを押さえながら、不本意そうながらも感謝の言葉を貰った。
「どういたしまして。じゃあお昼にしようか。ついでに余ってた妹のおかずを拝借してみたよ」
「いいのかそれは?」
 呆れたように問われたが、僕はにっこり微笑んでそれを答えにした。許可は取ってないけど、僕の友達の可愛い女の子が食べたと言えば、行けるだろう。妹は変態だから。
「はいどうぞ」
「頂きます」
 花は丁寧に手を合わせてからおにぎりを取る。片手は机の下のままだ。座っていれば大丈夫だろうに。
「うーむ、妹も料理うまいな」
「妹“も”? 僕は料理できないよ。おにぎり作れるだけだよ」
「これだけ中身にするもの料理しといて何言ってるのだお前。この佃煮もどうせ自分で作ってるんだろう?」
「うん」
「こんだけうまいんだから、おかずにしてもいいんじゃないか?」
「そんなことしたらおにぎりに何を入れるって言うのさ?」
「…………お前はおにぎり馬鹿だな、刻」
 一瞬ちょっと誉められた気がしてしまったところが、妹からもおにぎりオタクのレッテルを貼られる原因なんだろうか。しかし花もやれやれという微笑ましさすら浮かぶ穏やかな顔だったから、まあいいか。
「ところで話は変わるけど」
「ん、なんだ?」
「花ってお風呂どうしてるの? 路上暮らしなのにいつも清潔そうだし」
「……あのなぁ刻? 私は路上で暮らしている訳じゃないぞ?」
 あれ、以外な方向に話が飛んだな。しかしそれはそれで気になっていたので、先を促す。
「じゃあどこで暮らしているの?」
「林で暮らしている」
 サバイバルだった。
 しかし納得。他にも空き家や町外れの神社など予想はあったが、なるほど林なのか。
「流石に薄暗く不気味だからそうそう人は立ち入らないからな、こういう中途半端に都会寄りの場所では。なかなかに居心地がいい」
 林に安住の地を見つけちゃう女の子というのもおかしな感じがするが、まあいいか、花だし。
「……ああ、そうそう、風呂の話だったか」
 ちょっと悦に入っていた花が前の話題を思い出したようだった。僕はうんうんと肯定しつつ促す。そして花はあまりに予想外の回答を口にした。
「学校で洗っている」
 がっ、こう……ってなんだっけ?
 一瞬真面目に考えてしまった。花は固まる僕を全く気にせず話を続けた。
「どこでも校庭には蛇口があるだろう? ホースか深めの流しが大抵あるからそれを使って洗う。いくら門や建物に施錠していようが、校庭までは封鎖できんだろう?」
「え、夜の学校でストリップ?」
「ド阿呆ぅ!」
「ぶべっ」
 おにぎりを顔面に食らい、奇妙な声が漏れた。花がダンッと机を叩いて椅子の上で立ち上がる。
「服着たまま洗っとるわあ! 服も洗えて一石二鳥だろう! 着替えも茂みに隠れてやってるからス、スト――――やっとらんわ刻のド変態馬鹿ぁあ!」
「花パン――」
 ツと言う前にハラハラとスカートの下からの落ちてくるものがあった。
 あ、僕の新品にしたんだ。
 と思った瞬間、消える魔球宜しく飛んできたおにぎりに強制シャットダウンさせられた。


* * *


「――い、おい刻! 刻!」
 あ、デジャヴかも。
 目を開けると今にも泣きそうな花が鼻に触れるんじゃないかって程至近距離で叫んでいた。
 キスしたら可愛い花が見れるかも、という悪戯心がむくむくと湧いて来たが、最終的に殺される未来が予想されるのでやめておこう。
 手を伸ばし、頭に触れる。
「大丈夫だよ花。僕って案外打たれ強い、というか慣れてるからさ。だからそんな顔しなくて大丈夫」
 優しく撫でる。いっそ抱き締めようか、こんな近いんだし、と考えていたら。
 ポスッと胸に花が落ちてきた。
 心臓が跳ねる。
「死ぬなって、私が約束させたのに……私は何をやっているんだろうな」
 額を僕の胸板に押しつけ、切ない締めつけられるような悔恨の詰まった声を出す。その振動と、花の鼓動が聴こえて、否、肌で感じて、なんだか不思議な気持ちになる。
 哀しい、のかな。
「こんなことでそんな苦しまなくていいよ。笑い飛ばしてよ、花」
「違う」
 鋭い否定に、戸惑う。花は……何の話をしているんだ?
「ごめん、なさい――。……お前が待っているだろうとわかっていながら、行かなかった」
 ああ、わかった。
 昨日のこと、か。
「いいんだよ。僕は来てくれたという事実がとても嬉しかったから」
 顔を埋めて、後悔の海に沈もうとする花をここに留めるように抱き締めて、言う。
「母は来てくれなかったから、さ……案外引きずってるみたいだ。昨日話したよね、小学校の遠足の時のこと。僕って、みみっちいね」
 自虐的な笑みが溢れる。
 すると花がむずがるように体を捩らせた。手を離すと、花は勢いよく顔を上げた。
「そんなことはないしそうじゃない! 誰だって寂しいはずなんだ、約束を破られることは。大切な、楽しみにしていた約束である程」
 もがくように、花は叫ぶ。
 君は何と戦っているの? 僕はわからず、呆然と花を見上げていた。
「だから決着をつけるべきだ! 今からでも話して気持ちを伝えて、怒りたければ怒ればいいし、あの時泣けなかった分、今泣けばいい、寂しいと訴えて――。伝えられなくなってからでは、遅いのだ! お前が寂しかった、待っていたと、そう伝えられる相手は世界に何億人という人が生きていようが、たった一人なんだ。お前が本当に必要とする両親という人間も、たった二人しかいないんだ。失ってからでは、遅い――」
 血へどを吐くような言葉だった。
「お前は後悔するな、刻!」
 僕にはわからない感情がそこにあった。僕は完全に圧倒されていた。夜明け色の瞳の朱が煌々と輝き、僕に嫌な焦りを覚えさせる。
 口はほとんど無意識に開いていた。
「花は、後悔したの?」
 言う必要のない問いなのに。
「花は、独り、なの……?」
 確認なんて必要ないくらい感じていたのに。
 花は。
 花は酷く顔を歪めた。
 違う、今まで泣いてなかった方がおかしいんだ。泣き叫ぶような言葉だったのに。
 花は泣かない。泣けない?
 突然立ち上がった花は、背を向けて玄関へ走り出した。
 待って、待って――。
「花――」
「来るな!」
 待って花、ねえ待って、頼むから――。
「お前にはわからない。帰る家があるお前には……本当に独りであることの意味はわからないよ、刻」
 頼むから――行かないで!
「花ぁあ!」
 花は振り返らなかった。
 ただ最後に何かを低く低く呟いた。聞こえないはずの小さな声なのに、不思議と良く聴こえた。
それは絶望の言葉。
「さようなら」


 誰もいなくなった家。脳震盪の名残で目眩がする。
 ああ。そうだよ、花。僕には君の孤独が、哀しみが、苦しみが、あの絶望しきった顔の意味が、わからないよ。
「だって僕は――」
 まだ失ったことがないから――。

*****


これで五日目の前編が終了と。シリアスで終わっちゃってますが、次回の後編は和やかになりそうです← 何がどうなって和やかになっちゃうのかはお楽しみに。

意外とちゃんと読んでくださってる方がいるようで嬉しい限りです。因みに刻、花、明日香(妹)、夏日(幼馴染み)、一美(誰だよ←)だったら誰が好きですか? なんて調子に乗って訊いてみたりして。私はみんな好きすぎて決められないです← 今の瞬間は夏日が一番好きですが日々変動しているのでなんとも言えないなぁ。鬱々とした兄妹とホームレスに比べたら爽快な直球馬鹿なところが、明るいところがいいですね。そして多分最も手が早い子。花も明日香も暴力は奮いませんからねぇ。

とにかく後編書くぞ! では失礼しますー。