インスタグラムにも書いたのですが、アメブロにも書いておこうと思います。
フォッサチョコレートで使わせていただいている熊本芦北郡告にある、お茶のカジハラさんについに!訪問させていただくことができました!実に4年越し念願の訪問となります。
大阪から新水俣まで新幹線さくらで4時間弱。駅まで和の香の佳寿子さんが迎えに来てくださいました。カジハラさんからのご縁は佳寿子さんがお茶をくださったこと。そして2020年の熊本大水害の際に土砂崩れの発生したカジハラさんをサポートしようと佳寿子さんがお茶の共同購入を呼び掛けていらっしゃったのをきっかけにスタートしました。
(その時の水害の様子については熊本市のレポートが今でも閲覧することができます。↓
https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/152372.pdf
)
なんだか私はどこにいっても山道をドライブしているような気がします(笑)今回も例外なく、、カジハラさんのご自宅、茶園、製茶所のある場所へはつづら折りの山道を行きます。道が細いので車の運転になれていないと対向車とすれ違うのも怖いかもしれません。
山道を通りながら、お茶を運んでくださる、物流業者の方にも感謝の念が沸いてきました。こんなにはるばる。。。
ご自宅に到着し、お茶を頂くテーブルに案内してくださいました。後ろにはたくさんの賞状。
今年製茶されたばかりのお茶を試飲させてくださいました。
飲ませていただいた品種は、いずみ、香駿、べにふうき(春摘み、去年の夏摘み)、
どれもやさしく、クリアーな味わいです。
そして青心烏龍種を少し育てているということで烏龍茶(ご本人は萎凋釜炒り茶だ、とおっしゃってました)などもいただきました。この袋に入っているので全部だよ~ということですから
とっても貴重なお茶です。
興奮してるから?どこにピンとあってるの?(笑)きれいな水色のお茶です。
お茶をたくさんいただいて、日がそろそろ傾き始める、、、ということで茶園にも案内していただきました。茶園はご自宅からさらに車で山道を登り10分ほど山に分け入った場所にありました。
山肌に開墾された茶園のサイズは想像より小さな面積で、この面積の茶園でつくられたべにふうきを分けていただいていたのかと思うと、本当に貴重で、ありがたい気持ちになりました。
そしてみどりと空の青の美しさが際立ち写真で見てもその美しい色と景色が伝わると思います。
お茶はすくすくと育っていますね。私たちがチョコレートに使わせていただいているのはしっかりと味わいの深さが増す夏摘みをいつも使わせていただいておりました。カカオの風味と紅茶の風味のバランスを考えると夏摘みが一番合うと思ったからです。そのお茶が、2年前のロンドンで開催されたお茶の世界大会でBest in Show を獲得され、世界中から注目されるお茶になりました。それでもかわらずわけてくださっていて本当にありがたいです。
初年度は発酵よもぎ紅茶と、在来種と、べにふうきの3種類作らせていただきました。長く続けていく、という意味でこひらのべにふうきに絞り去年で4年目になりました。当然ですが、カカオも、お茶も農作物ですから同じように見えて、同じものはひとつもないですので、ぜひ継続してご支持いただけると嬉しいですね。昨年のものはまだ在庫がありますのでぜひご購入いただけたら嬉しいです。
べにふうきのエリアからまた車で少しくだっていくと、在来種の群生している場所も案内してくださいました。山をあちこち開墾されて少しづつの面積の茶園が点在しているようなイメージです。
山と一体化しているような様子がはっとする美しさです。
茶工場も見せていただきました。茶工場に使われる道具は、決して安くはなく大きな投資です。
かっこいいそれぞれのプロセスの機械が並んでいました。
単一品種のお茶の製茶は終わったそうですが、これからブレンド茶の製造だそうです。毎年違う味わいになるお茶を目の前に、価格が決まっていて、ブレンド茶でいつも同じような風味にするべくどのようなブレンドにするのかというのは非常に頭を悩ませる作業なのだそうです。
チョコレートとお茶は並べて考えるととても理解が深まるのですが、チョコレートの世界も同じくで、材料は非常にシンプルで、行程もシンプルといえばシンプルなのですが、そのシンプルさがゆえに、どのように工程をプロセスし、目的の味へと近づけていくのか?ということが非常に難しく奥深い作業なのです。
今年の春摘みの際は長雨のせいで新芽を摘むタイミングが非常に難しかったり、と大変だったそうです。雨がたくさんふると芽にのる味が薄くなってしまうんだそうです。
自然が相手ですから、空に文句を言うわけにもいきません。
そんな中で仕上げていかれた様子をお話とお茶からうかがい知ることができました。
良いお茶、良いチョコを作る人は、味のゴールが明確でそのゴールに近づけるように製品づくりをしているなぁという共通点も感じました。偶然の産物のように、ただプロセスを経てできた味ではなく狙って出していく味です。
名残惜しいのですがお忙しいのにいい加減にお暇せねばなりません。
帰り道に2020年の土砂災害があった在来種の畑のほうにも佳寿子さんがつれていってくださいました。崩れた部分はもうそのままになっているそうです。
ちょうど畝と畝の間が広いな、というところは崩れたエリアです。青空と新緑が美しく調和しているので、被害の跡は教えていただかなければわからないかもしれません。
在来種は茶葉が少しべにふうきよりも小ぶり。斜面につらなる緑の畝。
雑草を取り除いたり、次の芽がでるように剪定をしたり、お世話をしないといけないところはカカオと一緒ですね。ほおっておいたらいいというものではない。
その手間暇と、大変な環境の中での茶摘み、製茶工程、その技術など考えると、本当にありがとうを伝えて感謝をもって、いただくということを忘れてはいけないなと思いました。
お忙しい中でも快くお迎えくださって本当にありがとうございました。
次は6月の1週目に京都の吉田山大茶会にお越しになるようですので、関西方面の方はぜひ会いにいかれてはどうでしょうか?