世界経済とチョコレート  ①円安とチョコレート | 世界のチョコレートと旅暮らし手帖

世界のチョコレートと旅暮らし手帖

1粒で幸せになるチョコレートの世界。美味しい魅惑のチョコレートを求めて、様々な地に訪問する筆者の仕事レポートと、ショコラ会等イベント情報のお知らせなどをお伝えします。

チョコレート好きな皆さんは昨今のカカオの先物取引価格が急激にあがっているというニュースをどこかで耳にされているのではないかと思います。

 

カカオと経済について、難しいながら私も直面してきた問題、そして世界各地にいるチョコレートカカオにかかわる人からヒヤリングしている内容を通して現在感じていることを書きます。

 

が、その前にここ数年のパンデミックあたりからの円安傾向についてどのように影響しているのか、現在の世界の状況と日本の状況はどう違っているのかというお話もしたいと思いました。

 

とても1回で書ききらないと思えたので、少し分けてお話できればと思います。

 

【円安と輸入チョコレートについて】

私が輸入をスタートしてから2023年は最も円の上がり幅を1年で大きく感じた年でした。私たちは1年かけてバレンタインに向けてチョコレートの輸入計画を大きく立てますが、春の予測と、実際に輸入をする秋口では為替レートが大きく異なりました。(為替通過参照元リンクはグーグルファイナンスです)特に2021年から2023年11月の上がり方、また、2023年1月から11月の1年に満たない間の急激な上昇もご確認ください。

 

例)米ドル/ 円 1USD=

2021年1月 103円 

2022年1月 115円 (111%)

2023年1月 132円(114%,128%対2021年)

     11月  151円 (131% 対前年 114%対2023年1月 147%対2021年)

 

例) ユーロ/円 1EURO

2021年1月 125円

2022年1月   131円(104%)

2023年1月 140円  (106%,112%)

2023年11月 160円 (114%,122%,128%)

 

例)ポンド/ 円 1GBP

2021年1月 138,8円

2022年1月 157円 (113%)

2023年1月 159.9円(101.8% .115%)

2023年11月 184円(115%, 117%,132.5%)

 

例)カナダドル/円 1CAD

2021年1月 81円

2022年1月 91.4円  (112.8%)

2023年1月 95.4円 (104%,117%)

2023年11月 109円(114%,119%,134%)

 

例)台湾ドル/円 1TWD

2021年1月 3.63円

2022年1月 4.19円  (115%)

2023年1月 4.31円 (102.8%,118.7%)

2023年11月 4.66円(108%,111%,128%)

 

例) シンガポールドル/円 1SGD

2021年1月 78円

2022年1月 85円  (108.9%)

2023年1月 99.5円 (117%,127.5%)

2023年11月 110円(111.5%,129.4%,141%)

 

3年間の価格の推移を弊社で輸入しているメーカーの通過でご紹介しましたが、米ドルやシンガポールドルはわずか3年の間にほぼ1.5倍になっているという事を実感していただけると思います。

そしてもれなくどの通貨に対しても円が安くなっているということもお判りいただけると思います。

 

単純に言うと、今まで1000円で購入していたものは現地で同じ価格だったとしても1500円為替レートによって払わなければ買えない。2000円のものは3000円。価格が高くなればなるほど、その差が大きく感じられるため高価なチョコレートは特に価格が上昇したと感じられるのではないだろうか。

 

円安になったことで日本の輸出が増加し、景気がよくなり賃金も上昇していれば、私たちは値上がりもさほど気にならないと思うが、実感として収入はそのままで物価だけが上昇しているような印象を受けます。

 

また海外に再び出張にでかけるようになり、海外での物価の上昇も実感しました。

例えばニューヨークで友人と珈琲を飲んで少し甘いものを食べておしゃべりをする、、、日本でなら、平均して一般的なチェーンのカフェなどに入ったら1000~2000円くらいでできそうですが、ニューヨークでは60ドル(約9000円くらい)。

ペルーリマでもランチを食べて1人1dishに、1drink, で12000円、、なんてことはないそのへんのお店にポンと入ってもこんな感じです。

 

現地でもベースの価格が高くなっているうえに、円安がさらに加わりとてもとても高くなってしまったように感じるのでした。

それがたった数年のうちに起こった出来事なので印象がより強くなります。

 

パンデミックがスタートし、物流がストップしてからはチョコレートメーカーはまずカカオや包装資材の入手が困難になり、物流コストがあがるだけでなく、遅延など様々な影響を受けています。そんな貿易の鈍化により価格上昇が起こり、円安によってさらに価格上昇が上乗せされている、そんな状況が現在です。

 

そして、昨今のカカオ不作による先物取引価格の急上昇についてがこれから起こってくる問題です。

 

このことについてはまた次のブログで書きたいと思います。