問題
次の文章の(ア)~(サ)に当てはまる適切な語句又は数字を答えなさい。
1.決算に貸倒引当金繰入を計上したが、税務上の損金算入限度額を超える貸倒引当金200万円が生じ、将来(ア)一時差異が認識された。
将来(ア)一時差異に適用すべき法人実効税率が40%であるとき、法人税等調整額は(イ)万円となる。
2.決算にその他有価証券について300万円の評価益が生じ、将来(ウ)一時差異が認識された。
将来(ウ)一時差異に適用すべき法人実効税率が40%であるとき、貸借対照表上の繰延税金(エ)は(オ)万円である。
3.前期末及び当期末における将来減算一時差異がそれぞれ900万円及び1100万円であり、適用すべき法人実効税率は前期末の40%から当期は30%に変更されたとき、当期における法人税等調整額は(カ)万円となる。また、税率の変更による繰延税金資産の純額の修正額(キ)万円である。
4.P社は、S社の発行済株式の80%を支配している。
(1)P社は、当期にS社に対して商品1000万円(利益率20%)の販売を行っている。S社の当期末棚卸資産に含まれるP社仕入商品500万円である。
(2)P社とS社の法人実効税率は、それぞれ40%と30%である。
将来(ク)一時差異に適用すべき法人実効税率は(ケ)%、貸借対照表上の繰延税金(コ)は(サ)万円である。
解答
(ア)減算(イ)80(ウ)加算(エ)負債
(オ)120(カ)25(キ)55
(ク)減算(ケ)40(コ)資産(サ)40
解説
1.貸倒引当金200万円×40%=80万円が繰延税金資産である。
(借)繰延税金資産80(貸)法人税等調整額80
2.その他有価証券評価差額300万円×40%=120万円が繰延税金負債である。
(借)その他有価証券300(貸)繰延税金負債120、その他有価証券評価差額金180
3.税率の変更があった場合
新たな税率に基づき再計算しその修正差額を税率が変更された年度に原則として法人税等調整額を計上する。
(1)前期末の繰延税金資産
900万円×40%=360万円
(2)当期末の繰延税金資産
1100万円×35%(変更後)
=385万円
(3)法人税等調整額
385万円ー360万円=25万円
(借)繰延税金資産25(貸)法人税等調整額25
(4)繰延税金資産の純額の修正差額
変更されなかった場合の当期末の繰延税金資産
1100万円×40%=440万円
よって、385万円ー440万円=55万円である。
4.未実現損益の消去に係る税効果は、販売した側の税率によってすでに法人税等が納付されている。
このため、販売した側の連結会社の販売年度の税率を用いて計算する。
未実現利益500万円×20%=100万円
で、100万円×40%=40万円が繰延税金資産である。
(借)売上1000(貸)売上原価1000
(借)売上原価100(貸)商品100
(借)繰延税金資産40(貸)法人税等調整額40
なお、アップ・ストリームの場合には、未実現損益の額から税効果額を控除した額について、持分比率に応じて非支配株主への負担を行う。
4.税効果会計は、原則として資産負債法が採用されており、繰延税金資産の回収可能性を判断し計上される。
連結固有の将来減算(又は加算)一時差異のうち未実現損益の消去に係る一時差異は繰延法により繰延税金資産(又は負債)を計上する。
個別財務諸表上、法人税等の納付が済んでいるため、回収されているので、回収可能性の判断は必要ない。
繰延法により計上する繰延税金資産(又は負債)の計算に用いる税率は、期間差異が生じた年度の課税所得計算に適用された税率を用いて計算する。また、税率変更があっても修正は不要である。