問題
次の資料に基づいて、(1)~(3)に当てはまる適切な語句又は金額を求めなさい。
P社の×2年度連結貸借対照表におけるA社株式の額(1)百万円である。
また、持分法による投資損益の額(2)百万円は、連結損益計算書における(3)損益に区分される。
1.P社は、×1年度末にA社の発行済株式の40%を460百万円で取得して持分法適用会社とした。また、×3年度末にA社の発行済株式の10%を150百万円で売却した。
2.A社の×1年度末の資本金600百万円、利益剰余金236百万円であった。
また、土地の含み益が20百万円が生じていた。
3.A社は、×2年度に20百万円の配当を行っている。また、当期純利益は150百万円である。
4.のれん相当額は発生年度の翌年から10年間にわたり定額法によって償却する。また、法定実効税率を30%として税効果会計は、時価評価による簿価修正額について適用する。
解答
(1)375百万円
(2)48百万円
(3)営業外
解説
1.×2年度末の持分法処理
(1)×1年度末に投資差額(のれん相当額)の発生
①評価差額(税効果会計後)
20X(1-30%)=14
②A社純資産のうちP社持分額
(600+236+14)=850
850X持分比率40%=340
③投資差額(のれん相当額)
460ー340=120
(2)当期純利益の計上
150X持分比率40%=60
(借)A社株式60(貸)持分法による投資損益60
(3)配当金の修正
20X持分比率40%=8
(借)受取配当金8(貸)A社株式8
(4)のれんの償却
120/10年=12
(借)持分法による投資損益12(貸)A社株式12
(4)株式売却に伴う修正仕訳
①個別財務諸表上の仕訳
(借)現金預金300(貸)A社株式115、A社株式売却益185
②株式売却に対する修正仕訳
(借)A社株式売却益10(貸)A社株式10
③売却持分等に関する計算
個別財務諸表上の原価
460×10%/40%=115
持分法上の原価
(460+60ー8ー12)=500
500×10%/40%=125
株式の売却価額150
④個別上の原価と持分法上の原価との差額に関する修正
115ー125=15
2.連結貸借対照表上のA社株式の額
(460+60ー8ー12)ー(115+10)=375
3.連結損益計算書上の持分法による投資損益の額
60ー12=48
解説
1.持分法適用
被投資会社の株主資本等と損益及びその他の包括利益のうち投資会社に帰属する部分の変動に応じて、その投資額を連結決算日ごとに修正する。
持分法におけるのれんは投資に含めて処理し、のれんの当期償却額や負ののれんなどは「持分法における投資損益」に含めて営業外損益に区分する。
2.持分法に対する税効果会計
(1)持分法適用会社の資産及び負債の時価評価により評価差額が生じた場合
(2)連結会社と持分法適用会社との取引から生ずる未実現損益を消去した場合
3.持分法における株式の一部売却
資本のうち売却した株式に対する持分の減少額と投資の減少額との間に生じた差額は、持分法適用株式の売却損益として処理する。