ドラマの会話を抜粋し、解説しています。
ネタバレにご注意ください注意

 

 

前回のシーン はこちら下矢印

 

前回のシーンから3ヶ月経っての1912年7月、
追悼式帰りの喪服を着たロバート(↓右)と、

弁護士マレー(↓左)は新しい相続人(the heir) の話から始まります。

Robert: So Murray, What have you to tell me about the lucky Mr Crawley? Nothing too terrible, I hope.

それでマレー、幸運なクロリー氏について何をわかったかな?目も当てられない人間ではないといいが。

 

ダウントンアビーの英語では時々現在形の疑問文で、

What do you have to 〜? ではなく

 

What have you to 〜? と言っています。

前者は主に労働者階級、

後者は文学的、もしくは中・上流階級の言い方のようです。

 

Murray: I've only made a few inquires, but no, there's, not much to alarm you. Matthew Crawley is a solicitor based in Manchester.
幾つか問い合わせをしただけですが、特に気になるようなことはないですよ。マシュー・クローリーはマンチェスターを拠点にした弁護士です。

 

solicitorはイギリスで、裁判に出る方ではない、法書類作成関係をする弁護士。

 

Robert: Manchester?
マンチェスター?

 

Murray: His special field is company law. His mother is alive and he lives with her, his father is obviously not. He was a doctor.
専門分野は会社法です。母親は健在し同居しており、父親は既に亡くなっており、医者をしていたようです。

 

obviouslyは明らかにで、ここでは意訳しています。

 

Robert: I know. It does seem odd that my third cousin should be a doctor.
ああ。自分の三従兄弟が医者とはひどく変なものだな。
 

イギリス英語で、

形容詞(または名詞)+that+S should Vの形で、that 以下について意見や気持ちを示します。

ここでのshould はすべきなどの意味はなく、ただフォーマルな言い方として、pity/odd/surprise/sorry の後に使われます。

 

また主語を、

I do feel odd ではなく

It does seem odd 

にすることで個人感を出さないのは日本人向けの間接的な表現です。

 

医者が親戚にいることを変な感じと言うのは、中流階級の医者を下にみている、貴族らしい台詞です不安

 

同じく中流階級の弁護士マレーは微妙な顔↓で返事します。

 

Murray: There are worse professions.
もっと低俗な仕事はいくらでもありますよ。

 

Robert: Indeed.
そうだな。

 

(一旦他のシーンが入ってまたロバートとマレーに戻ります。)

Murray: We ought to talk about the business of the entail. As you know, on your death, the heir to the title inherits everything except for the sum set aside for your daughters and your widow.

相続に関することについて話さなくては。ご存知の通り、貴方がお亡くなりになると、爵位を継ぐ相続人が、ご息女と未亡人となった奥さまへの分与を除いて、全てを相続します。

 

businessは専門的だったり、活動だったり、重要な内容に関して使われてますが、訳が難しいです真顔

 

・widowは未亡人で、ロバートが亡くなった後のコーラを指しています。

英語は発音が難しいだけでなく、表現も日本語と異なるので聞き取れない事が多いです驚き

 

Robert: Yes?
それで?

 

ここは相手の言っていることを理解していますよ、そのまま続けて、という意味合い。

ドラマで言い方を聞くとよくわかりますニコニコ

 

Murray: Owing to the terms of her settlement, this will include the bulk of your wife's fortune.
(ご結婚時に交わした書類で)奥様の同意された条件により、その相続には奥様の多くの財産が含まれます。
 

owing toはフォーマルなbecause of。


・settlementは何か2者間で話し合って出した結論・合意。

 

Robert: It has been our sole topic of conversation since the day the ship went down.
船が沈んでからその話ししかしていないな。

 

sole=the only one

 

Murray: Of course, it must seem horridly unjust to Lady Grantham, but that is how the law stands.
もちろんです、グランサム伯爵夫人には耐え難く理不尽でしょう、ですが法は覆せません。

 

how something stands は揺るぎなく存在していて、変えられないものに対して使われます。

 

Robert: Is there really no way to detach her money from the estate? Even to me it seems absord.
本当に所領地から何とかして彼女の財産を外すことはできないだろうか?

 

Murray: Your father tied the knots pretty tight, I'd say it's unbreakable.
父君はかなり厳しく条件を敷かれました。覆すのは不可能でしょう。
 

・tie the knotで結婚というフレーズですが、それに文字って契約が反故されないよう複雑に締結されたと伝えています。

 

当時のイギリスでは、持参金はあくまで妻の財産、別居や離婚すると女性が持ちだせました。その為、ロバートの父の故グランサム卿はコーラに契約を強いたようです。

 

Robert: I see.
そうか。

 

あっさり引き下がるロバート口笛

 

このシーンの後にクローリー三姉妹が出てきますが、その英語は↓のその4にあるのでのぞいていただければです(前後にかなりのネタバレあるので注意ください注意)

 

 

 

この後、気まずさか昼食会にすら出ずマレーは帰ってしまい、コーラはがっかりし自室に籠もります。

コーラ付きメイドのオブラエイン(↑右)が怒ります。

 

O'Brien: It's iniquitous. They can't expect you to sit by silent as your fortune is stolen away.

ありえません。黙って指を加えて財産を持ち出されるなんて思わせてはいけません。

iniquitous[ɪˈnɪk.wɪ.təs] は、酷く理不尽な、不道徳な。信心深い人が多く使いそうです。

 

Cora: Can't they?

そうかしら?

 

O'Brien: His lordship'd never let it happen.

旦那様は絶対に許しませんよ。

 

その話題を話したくもないのか、夫の新しい従者ベーツについて聞くコーラ。

 

Cora: How's Bates working out?

ベイツはどんな感じかしら?

 

O'Brien: Well, I don't like to say. Only it seems unkind to crirlticise a man for an affliction, m'lady. And even if it means he can't do his job.

ええ、私の口からは何とも。不自由している人を悪く言うのはよろしくないですからね。いくら仕事ができないからといっても。

 

・ affliction は体の不具からなる苦痛、苦しみ。

 

それを聞いてコーラは何とも言えない顔をします。

オブライエンの罠が発動し始めました。

 

今日はここまでです。少しでもドラマをより楽しむための英語理解のお役に立てればですニコニコ