アメリカのLAを舞台にした三家族がおりなす人気シットコム(コメディドラマ)、モダンファミリー 前回↓からの続きです。

 

これより以下はドラマ内容ネタバレになるので、注意してください注意
 
大好きなミステリー小説の作家のHastingsと出会い、未発表作の一説まで読ませてもらったCamとPhilは、再びHastingsに読んだ内容について話しかけます。
 
Phil: Uh, excuse me. Uh, hi, Mr. Hastings. Um, do you know -- have they developed a cure yet?
その、すみません。あの、どうも、Hastingsさん。その、まだ治療法は発見されてないですかね?
 
Hastings: For what?
何の?
 
for whatはこの場合、言われた言葉が理解できず、は?なんのこと?どゆこと?など文脈に応じてwhy(なぜ?)ともwhat(何が?)ともなりえる表現です。
仕事している最中の物書きに、いきなり治療法は?と問われ、一体何を言ってるんだ?を含めての、何の(治療法)?と返しています。
 
whyのなぜ?は場面によっては直接的にとらえられ、ぶっきらぼう、冷たくともとられる場合もあるので、それよりも少し柔らかい表現として、代わりにwhatが使われます。
 
for whatも二文字しかないのでまあまあ、何が?的な表現にもとられますがwhyよりは優しいカジュアルな表現のようです。
 
Phil:(Showing Hastings' manuscript )A blown mind -- because we have two of them. 
Hastingsの原稿を見せながら)驚愕の、です。僕達ふたりとも見事にハマってしまって。
 
blown mindはものすごく感動して心がびっくりした時の状態。
 
we have two of themのthemはblown mindのことですが、意訳してます。直訳するとなぜなら私達はその(blown mind)状態(have)になっています。
 
Hastings: You're too kind. Oh, thank you. Oh, thank you.
光栄だよ。ありがとう、ああ、ほんとにどうもね
 
You're too kindは、今回のように称賛されたり褒められた時への返しの言葉としても使われます。
 
Cam : We are just dying to know how the conductor got all the way from the front to the back, kill the ambassador, and not be seen?
車掌がどうやって誰にも見つかることなく、車両の先頭から最後尾までの長い距離を通って大使を殺害したのか気になってたまらないのですが。
 
all the wayは距離に関して、それが遠いことを強調したい時に使います。今回は長い距離を、としていますが、文によってはわざわざ、はるばる、など色んな訳に変わる言葉です。
 
また、全体的にわかりきっている内容として、Camは色々単語を省略して話しています。そこからそのまま直訳すると不自然な日本語になるので、自然な日本語になるよう、今回はかなり情報を付け足してみました。訳す際には前後の流れがわかっていないと訳せないセリフ箇所です。
 
ちなみにこのミステリー小説の話について、ここの最初の部分だけgotで過去形を使って、あとは現在形で話し合っています。最初の部分だけはWe are just dyingの時制に合わせてgotと過去形にしていて、その直後からは現在形にネイティブは自然に持っていってます。
 
小説など、ワンシーンのようなある時点のトピックだけの話の場合、現在形で話すことはよくあることのようです。
 
Hastings: There's an escape hatch in the control room.
機関室に緊急避難口があるんだ。
 
the control roomは制御室で、船の機関室の他、ビルや地下鉄などのコンピューター全体を統括する中央制御室など、色んな場所にも使われますが、電車の話という文脈から今回は、電車の先頭にある機関室です。
 
Cam : Oh.
ほんとに
 
Hastings: He climbs up, crawls his way across the top of the train to the caboose. There, his feet firmly planted, thanks to magnetic shoes, he hangs down, shoots the ambassador, then crawls back the way he came.
車掌はそこから上へ登って、最後尾まで各車両の上を這って進んでいく。そこでは、彼の足はしっかりと固定させている、磁石付きの靴のおかけでね、ぶら下がって、大使を撃ち、そして来た道を這ってもどっていく。
 
cabooseは通常車両の最後尾にあります。乗務員が使用する車両で、the ambassadorは何か理由があってそこにいたようです。
 
Phil: That is so ingenious. How does he avoid the video cameras? 
思いもつかないトリックだ。カメラをどうやって避けたんです?
 
ingeniousは今まで誰も思いつかない頭脳や知恵を使った高度な考え・方法
 
Hastings: I beg your pardon. On top of the train. He's on a train that doesn't have any cameras.
今なんと。電車の上ですよ。カメラなんてそこにはない。
 
Cam: Oh, no, they all have cameras now -- Big Brother. I just read an article about it in Rail World, the magazine in your seat pocket -- also a great interview with amateur conductor Valerie Bertinelli.
ああ、そんなことはないです。今はカメラはどこにでもとりつけられてるんですよ、Big Brotherみたいにね。あなたの席のシートポケットにあった雑誌の『Rail World』の記事にそう書いてありましたよ。ちなみにアマチュア車掌のValerie Bertinelliのインタビューも素晴らしかったですよ。
 
Big Brotherの各頭が大文字になっています。
小説1984の中の登場人物Big Brotherのことを言っています。
 
通常は独裁者として表現されますが、今回はBig Brotherが独裁者とされた理由の一つの方、カメラをあちこちにつけて人を監視したことから、カメラはどこにでも、電車の上にもありますよ、と遠回しに表現しています。
 
・alsoは付け足しのようにいっていますので、ちなみにと訳してみました。
 
インタビュー記事についてはただの個人感想ですが、いかにもCamがいいそうなユーモアです。
 
Hastings: Well, if that's true, then the murder isn't possible. And if the ambassador is still alive, then there's no reason for Silverton to be in Nigeria. And if that's the case, he's not at the coup, which means the whole thing doesn't work. Dear God, I have no book.
そうか、それが真実なら、じゃあ殺害は不可能だ。大使が殺されなかったら、Silvertonがナイジェリアにいくこともなくなる。そうなるとクーデターにも関わることなく、つまり全てがおじゃんだ。ああ、私の本は出版されない。
 
Cam : Oh.
えっと…
 
Hastings: (shouting as he is leaving the seat) I have no book!
(席を離れながら叫ぶ)本は出ない!
 
Cam : Now I wish I hadn't circled the typos.
あーあ、指摘何かするんじゃなかった
 
typoは誤植や文の打ち間違え、スペルミスで、そこにcircle(丸)をつける、字の間違いを指摘するですが、今回は字ではなくトリックの抜け穴・もれの指摘を、Cam風に面白く表現されています。
 
今日はここまでです。少しでも英語理解に役立てば幸いですニコニコ