ネタバレにご注意ください
映画『美女と野獣』1991年のアニメーション版からリメイクされた、
2017年実写版の和訳と解説します
実写版にはアニメーションにはない
1. 実写映像での美しさ
2. 登場人物達の大人向けの設定からの、
追加ストーリー&歌
があります。
この映画は観る度に新しい発見が出てくるので飽きることはないと思います
では解説に入ります。
今回は、タイトルについてです。
まず、英語タイトルが、
で、冠詞 theがBeautyの前にはないです。
英語に限らずタイトルは目に止まりやすくするよう、覚えやすくするよう文字をよく削るので、冠詞があってもなくても通じます。
なぜ、片方にだけに冠詞があるのか
一つにはBeautyにはフランス語のbelle(美女という)意味以外に、
映画のテーマである心の美しさや薔薇の美しさなどの様々な beauty をかけていること。
タイトルの冠詞を意識して訳すと、
『美女(のベル)もしくは美しいものと、とある一人の野獣』
でしょうか。
なぜそういう解釈になるのかは冠詞の役割からです。
冠詞(a/an /the)は日本語にないので、その感覚を掴むのは難しいです。
ネイティブスピーカーでも解釈が違うこともあります。
この映画タイトルのtheの有り無しについて説明すると、
まず文法としてtheがないと、
beautyはあらゆる美しいもの(者・物)となり、
美人だったり美しい花や心など、
美しいと思われる有象無象のあらゆる全ての美しいものが "beauty" になります。
beauty には加算・不可算名詞の両方あり、
・可算名詞にaという冠詞を入れると、
無限にあるbeautyの内の、
ある一人の美人や何か優れているもの。
・不可算名詞は品質、見た目の美しさや魅力など形ないもの。
例として、
・美しい人→加算
・心の中にあるキラキラする美しさ→不可算
・グランドキャニオンの自然の美しさ→不可算
・37歳当時の彼女の飛び抜けた美しさ→可算
そしてBeautyにtheをつけると、
the Beauty and the beastは
特定の2つの美しい何かと野獣となり、
美女と野獣の映画を見て、たくさんあるbeautyの中から唯一のヒロインで美人のBelleが浮き出てきますが、
theがないことで、Belle以外にも薔薇や外見と内面など、映画を見ていると様々な美しさが浮かび上がります。
the のある無しでここまで広がってしまいました
今回はここまでです。次回から本編です。
美女と野獣は関係なく、冠詞についてはこちらもあります