高野和明氏の作品、『13階段』を読みました。

この作品を読むのは3回目くらいです。

高野和明氏は映像関係のことをアメリカで学んでいた方で、この作品は2001年に出版されたデビュー作品にあたります。

‘13階段’というと絞首刑、死刑といった言葉が頭に浮かぶと思います。

初めてこの本を読んだ時に、あまりにも衝撃的で、死刑判決が下って、刑を執行されるときの恐怖がずーーっと残っていました。

絶対犯罪を起こさないぞ!とか、
巻き込まれないようにしよう!とか。

そして、その恐怖感を思い出しながらも、推理の部分がとても複雑で、

どういう話だったっけ?
ってまた読んでしまうんです。

同じように何度も読み直してる作品に、
横山秀夫氏の『出口のない海』がありますが、これもやっぱり目前に迫った死への恐怖が書かれてる作品です。
こちらは人間魚雷とか戦争の時代のお話なので時代が少し違いますが。

で、話を戻しますが、
あ、あらすじか。
ババっと大まかに書いときます。
あと、法律のことで少しややこしく感じると思いますので、そこも簡単に書いておこうかなと思ってます。

ものすごくザックリ言いますと、10年前に起きた強盗殺害事件があって、
現場付近でバイク事故で記憶を失ってた人物が、つかまり、死刑判決を受けます。

その判決が冤罪であると調べてほしい人物から弁護士事務所を通して調査の依頼が刑務官に入ります。
その刑務官が、調査の協力者として選んだのが傷害致死罪で仮釈放中の青年で、この青年と刑務官が10年前の真犯人捜しに奔走する話。

ものすごいザックリ(笑)

ちょっと詳しく書いておきます。
上の内容とほぼ変わりませんので、
お時間ない方、このへんで終えちゃっても大丈夫ですよ。

千葉で、10年前にある保護司である夫とその妻が自宅で殺害された事件で、犯行現場の近くで、バイク事故で倒れていた樹原亮という男が逮捕されました。
樹原は、20歳を過ぎてから起こした窃盗事件の保護観察処分を受けていて、この保護司の世話になって面識がありました。
バイク事故によって、犯行時刻の前後の記憶がないのですが、状況証拠がそろっていて、死刑判決を受けてしまいます。

保護司ってなんだって話ですが、簡単に言ってしまえば、悪いことしちゃった人がいるよ、ちゃんと反省してるかぃ?って見守ってる人がいるってとこでしょうか?
定期的に面会を行ったりしてるようです。
民間の人で、ボランティアの無料奉仕なんですよね。

樹原は、犯行時刻の記憶がないことで反省してないことになってしまい、罪が軽くなることがなくなってしまう、っていう悪循環が起きていて…もう読んでいていっそ真犯人であれば反省してるフリもできただろうに…というジレンマが!

で、この樹原の冤罪を晴らして欲しいという依頼が、ある人物から、弁護士事務所を通して刑務官・南郷の元に。

南郷は東京へ出張した際に知り合いからこの話をもらったらしいです。

んで1人では調査がむずかしいので、相棒に、罪を償って出所したばかりの三上という青年を選びます。


この三上青年は、若い頃に千葉でガールフレンドと補導されてたりしますが、今回は傷害致死罪で2年入ったあと、模範的であったため仮釈放処分を受けて外に出られました。

で、三上青年は、10年前に補導されたときと強盗殺人事件の現場がそう遠くないわけですが、この辺も色々絡んできます。

細かいこと小さいことも、結構伏線が張られていて、おぉ〜そういうことでございましたか。
ってなります(笑)

刑務官・南郷と三上青年の動きが中心で、
死刑囚の樹原はほとんど出てこないんですが、何故か死刑確定後の死刑囚の執行待ちの場面がすごく印象に残っていて、何回も言っちゃいますが、もーホント

絶対に犯罪なんてしませんっ❗️

って思います。

何回読んでも怖いなぁ…。
また何年か経ったら読んでそうです。

なんて、実はワタクシさっき書き終えてから気付いたんですが
2017年に中村文則氏の『何もかも憂鬱な夜に』(左矢印タップすると飛べます)を読んだブログの中で

  『13階段』について触れてるんですね…。

「再読したら」どうこう言ってました(笑)