緊張感漂う会議室で二人の大佐を見て静かに張作霖が問う
張作霖「俺の参謀長はどっちだ」
丁大佐「は、はい」
張作霖「菊人(ジュレン)のじいさんがおまえの自慢をしていたぜ。なんでも日本の士官学校を優等で卒業したそうじゃないか」
丁大佐「ジュ、ジュレンとは・・」
崔大佐「徐世昌(ジョ・シイチャン)総督!」
張作霖「今夜はいい月だ。酒もあるし結構な晩だ。だが祭壇に一つ足りないものがある。鶏頭の花が足らねえんだよ。参謀長、真っ赤な鶏頭の花がよ!」
丁大佐「は、はい!張作霖閣下」
張作霖「ほう、俺様を閣下と呼んだか。しかし蒙古の馬賊相手に一個師団が戦をするとはいささか大人げないと思うが」
丁大佐「蒙古族のタクトホは満州の脅威であります。したがって討伐は軍の任務であります」
張作霖「ほう・・だったら尋ねよう。俺はその脅威とやらじゃないのか?俺様とタクトホをぶつけて相打ちにするか、どさくさに紛れて俺を打ち殺すか、さもなくば反逆者呼ばわりしてこの首を刎ねるつもりだろう。袁世凱と徐世昌の考えそうなこった」
丁大佐「だ、黙れ。君はこの第27師団長だ。皇帝陛下に従い兵を率いて戦え」
張作霖「最後に言っておく。この戦は戦争じゃねえ。馬賊と馬賊の戦だ。行くぞ!」
馬賊「おう!」
張作霖は蒙古馬賊を討伐し、満州の馬賊はすべて彼に服らうことになった。そのうえ精鋭師団と陸軍中将の権威まで持つことになり、次々入れ替わる奉天総督を手玉に取り「軍閥」となっていくのであった。