去年の夏にイメージフォーラムでみた、メキシコ麻薬戦争に迫ったドキュメンタリー『皆殺しのバラッド』。

予告編
メキシコというと、石油の輸出総額が300億円と、世界10大産油国の1つに数えられますが、麻薬産業でも実は石油と同規模の輸出額があると推測されてます。
この映画では、アメリカ、テキサス国境に接するメキシコでも屈指の危険な街シウダー・ファレスに焦点を当てています。
この街は、麻薬を巡って年間3000件の殺人事件がおき、99%が放置されるという、かなりカオスな街。
政府は2006年から麻薬組織撲滅の「麻薬戦争」を遂行するも現状を変えるには至らず、6年間で12万人もの死者を出しています。
そして、市民が巻き込まれることもザラにあり、その生活には常に張り詰めた空気が流れています。「昔は美しい街だった」と嘆く人々。
その一方、シウダー・ファレスのお隣、アメリカでは、麻薬密輸ギャングをある種のヒーローのように受け止める人々も現れ、「ナルコ・コリード」という音楽ジャンルでは、麻薬カルテルを英雄として称える始末。
犯罪や暴力を肯定し、憧れを持つ若者達がクラブのようなところに集い、ナルココリードを歌いながら踊り狂う狂った世界。
救いのない現実もあるのだとを考えさせられました。
イスラム国に参加する若者達も、ナルココリードを賛美してる人達も一緒のように感じます。
すぐ近くにあるけど見えない、わからない恐ろしい現実に対して、恐怖心よりも、好奇心や興味をそそられてしまうのでしょうか。理解できませんね。
とりあえず、ヤブァイ映画でした。