宇和島徳洲会病院(宇和島市)の万波誠医師(66)らによる病気腎移植問題で、日本病理学会(理事長・長村義之東海大医学部教授)が六日夜、東京都内で開いた常任理事会で、同病院で実施された十一件の病気腎移植をめぐり、腎臓の病理検査が行われていないケースがあったことが報告された。同学会は事態を問題視し、十三日に大阪市で開く総会後、病気腎移植に対し「病理学の立場から遺憾」とする独自の見解を発表する方針を固めた。
 常任理事会には、長村理事長ら常任理事五人全員が出席した。
 臓器を摘出・移植する際には、摘出の是非や移植の適合性を診断する病理検査を実施するのが通例とされている。長村理事長によると、報告を受けた出席者からは「医療現場の常識では考えられない」「摘出された臓器に対する確定した診断がなく、患者にとって問題だ」「移植手術が適切だったのかの検証ができない」など批判的な指摘が多く挙がったという。
 常任理事会後、長村理事長は病気腎移植について「(摘出・移植の根拠となる病理検査が行われていないことは)医療訴訟などに発展した場合、『証拠に基づく医療』という点で問題だ」などと話した。