秋の装いを始めた山道を延々と走り続ける。
案内板に従って、やっと脇道へ。
道中の狭い道は
キャンパーの覚悟を試しているのだろうか。
それは大船山の麓、
標高1000mの場所にあった。
ついに憧れの「鉄山キャンプ場」の門を叩く。
昼前に到着。
車を降りると空気がひんやりとしている。
予約不要で場内は全てフリーサイト。
シンプルなキャンプ場の様である。
16時頃にオーナーさんが集金に回るらしい。
チェックインもチェックアウトも結構自由。
木々の間を通り抜け、
炊事場とトイレ近くの少し開けた場所に定めて、
設営開始。
今回はバップテントとタープを持参した。
どちらもT/C素材の初張りだ。
設置していると、
オーナーさんが挨拶して行かれた。
基地設営を終え、簡単昼メシ。
食事を済ませたら、辺りを偵察。
施設は簡素で、自然そのままを生かし、
キャンプ場としてはやや玄人向けの感がある。
ブッシュクラフトやソロで過ごすのには
持って来いの環境である。
ハンモック泊に良さげな樹木が多く、
興味をそそる。
但し、木立の中は所々がぬかるんで、
タイヤがはまった跡もあり、
車もそれなりの注意が必要だ。
ここは手付かずの森と渓流に囲まれた
自然豊かな場所として人気らしい……が。
現在、
渓流沿いは災害対策の護岸工事中で入れない。
大掛かりな有り様だが、年内で終える予定とか。
先日の台風14号も周辺にかなり影響があったと
オーナーさんが仰っていた。
そう言えば、ここに来る途中、
道脇に根付の流木が何本も横たわっていた。
元々は静かな場所かもしれないが、
今日は平日の為か、
工事の騒音や車輌の出入りが活発である。
来る途中の道の駅「あさじ」で買った
メキシコの珈琲豆を淹れる。
ソロソロ、
飯ごう炊飯の準備をしようとしたら、
肝心の焚き火台を忘れた事に気付く( >Д<;)
前回のランタンもだが、
最近忘れ物が多いのが嫌になる。
ランタン無しキャンプはコチラ↙️
仕方がないので、ドラム缶を拝借。
薪はうちの裏山でかなり拾ってきた。
満を持して(?)点火!
調子にのってガンガン燃やしたら、
またしてもご飯を焦がす失態Σ(>Д<)💧アチャー
帰ったら飯ごうの焦げ落とし決定である。
お焦げを誤魔化す(?)「かしわ飯」と
夕飯の完成頃にはすっかり暮れてしまった。
山間故に、日の入りと冷え込みが早い。
秋の夜長は鍋と焚き火でしのぎたい。
食後、焚き火に当たりながら、
「うなぎパイVSOP」と
和栗の「チョコパイ」と「伊勢茶の玉露」。
今夜のキャンパーは離れ離れの5組程。
ソロのお方ばかりの様で
時折、薪割りの音位しか聞こえない。
沈黙の夜の森に
焚き木の弾ける音が吸い込まれてゆく。
遠くで鹿の鳴き声が聞こえる。
自分を取り囲む自然界の息遣いに
生きる有り難みをもらう時間がここにはある。
テント内は6℃まで下がった。
シュラフにフリースを入れ、
ヒートシュラフを被せ、
念の為、湯タンポを用意。
防寒対策は充分である。
ランタンを消し、夜に溶け込む。
21時就寝。
凍てつく夜明け前のオリオン座。
温かさとおさらばのテント内の片付け。
これでもう温かなテント内には戻れない(笑)
外気温は1℃。
何と車のフロントガラスが凍っている。
朝の珈琲の温もりにすがろう。
自然の中に身を投じた実感を得られるのは
鉄山キャンプ場ならではかもしれない。
因みにクーラーボックス内は約-7℃。
大した物が入っていないのが何だか勿体無い。
朝食は玉子のホットサンドと
インカのめざめのポテトスープ。
茹で玉子をマヨネーズで和えて
バウルーでサンド。
お気に入りのBE-PALのトレイで戴く。
食器は冷たい水で洗わず、
アルコールティッシュと
ペーパータオルで拭き上げる。
そして、用済みの物から
コンテナボックスに詰め込んでゆく。
片付けの合間に「天下一かま茶」で一服。
FUJIYAの「マロンペコパフ」を戴く。
タープの僅かな水滴を吸水タオルで何度も拭う。
鼻を時折すすりながら、
黙々と撤収作業を続ける。
車への積み込みはあらかた終わったものの、
タープもテントもまだ全体が乾ききれない。
ポリコットン素材は乾き難いのは仕方ない。
昼食をとって更に粘ることに。
「チキンラーメンぶっこみ飯」と
昨日買ってた「あさじコロッケ」をリベイク。
日陰はまだ肌寒く、日向との寒暖差が大きい。
昼12時が過ぎて、
タープとテントが何とか乾き、無事撤収完了。
キャンプを通じ、
四季折々の自然と向き合い、
自分自身にトライするには
ここは格好の環境かもしれない。
温かな木漏れ日の中で、
全て完結した事に安堵しながら、車に乗り込む。
また新たな挑戦の扉を見つけた喜びに
カムイの心は満たされていた。