高崎山自然動物園を訪れたのは中学以来。


近年話題となった、
偉大なる、ボスザル・ベンツ失踪事件や
プリンセス・シャーロットの命名騒動も
忘れ去られようとしている。


猿とは目を合わせない様にと
注意喚起のアナウンスが流れる。


目が合うとケンカを売られたと思い
猿は襲って来るらしい。


野生の獣レベルの習性は恐ろしいものだ。


ちょうどB群の猿達の餌やり時間になった。






ちょっと密が気になるカムイである。








ヤマボウシの咲く道を
高崎山を視界に納めながらキャンプ地へ。


キャンプ場は温泉施設「おさるの湯」。


人気のスポットなのか、
温泉客らしき車が何台も止まっている。


コロナ下の約2年前にキャンプ場を
併設したばかりなので、
サイト周辺の造成はまだまだの感がある。


リッチな温泉付きプライベートサイト等
便利なサイトが色々とある様だが、
ソロなので当然一番お安いサイトに入る。


ネットの情報にあった
ブッシュクラフト感を期待したが、
いささか殺風景。


そばの人工溜池も恐らく農業用。
今は水が少なく、
かなり草むらになっている。


まあ、想定範囲内なので気にしない。


かえって好都合な綺麗に整ったサイトに
荷物を下ろして設営開始。


今回のチャレンジは「鹿しばり」。
ギアは全てキャプテンスタッグだ。


タープといつものクレセントを建てる。


夕食はマルタイさんの
「大分鶏ガラ醤油ラーメン」の予定。


シカし、
ちょっと物足りない気がして、
天下一品炒飯を途中のローソンで購入。


メスティンで温め。


辺りに良い香りが漂って完成。


旨い炒飯とアルコールで充分満足。
結局これがメインでも構わない位。


シカしながら、
折角持って来たラーメンなので作ってみた。


残念ながら今一好みの味ではなかったのが
おシカった。


食後はスズナリさんのコーヒータイム。


豆はルワンダの
シンビ・ウォッシングステーション。


何だか良くわからん名前だが旨い。
甘い香りとフルーティーな味わいだ。


一緒にカボスとホワイトチョコの
パウンドケーキを戴く。


季節限定で今だけなのが残念な位
美味シカった。


明日は雨らしいので、
タープ内を片付けて、
クレセントテントを入れ込む。


そして、楽しみにしていた温泉へ。


広々とした半露天風呂で、
(残念ながら?)
地獄谷の様に猿が入る湯と言う訳ではない。


掛け湯で身体を流して、
どれどれと湯船に足を入れる。


こ、これは……かなり熱い!
頑張って腰まで浸かったものの、
やっぱり我慢できず出る。


江戸っ子ならば、
涼しげな顔で入れるのかもしれないが、
このひ弱九州男児は白旗である。


誰も入っていないので
湯温がかなり上がってしまったのか。


とりあえず、身体を洗っているところに、
男性客が二人入って来た。


「熱っ!ヤバっ!」


「これは無理!」


二人は湯に勢い良く入ったものの、
バシャバシャと慌てて戻って来た。


左右の小さな蛇口をひねり水を入れ始める。


広い浴槽の湯温を下げるのに
どれくらい時間がかかるやら……。


残念ながら
湯がぬるまるまでは待てないので退散。


身体を洗うシカ出来なかったが、
風呂上がりのJA「つぶらなカボス」が
美味しくて救いだった。



「キョン!」


鹿の鳴き声と共に
ガサガサと草むらを移動する音。


これもかなりおいしいと思いながら、
池から聞こえる
ウシカ"エルの声を子守唄に就寝した。













雨音に目が覚めた。
まだ午前3時である。


雨がうるさい上に、
この後の撤収作業や
帰ってからの乾燥の煩わしさを思うと
寝れなくなってしまった。


梅雨になる前にとキャンプに来たが、
どうやら梅雨前線に
追い付かれてしまった様だ。


仕方がないので、
スマホのユーチューブで暇潰し。


そして頃合いをみてテント内の片付け。


少し明るくなってから
雨具を着て荷物を車に積込み、
テントを撤去。


一通り片付いたら一休み。


雨を受け止めてくれるタープに感謝しながら
モーニングコーヒーを戴く。


朝食は「蘭王」の卵かけご飯と豚汁。


シンプルながらも濃厚な卵に元気が出る。


雨キャンプもたまには良いか……。






鹿番長を全て片付け終えて、
午前5時からは入れるらしい朝風呂へ。


明るくなった雨空を見上げながら、
念願の湯に浸かる。


早朝に関わらず一般客が3人。


少し褐色がかった湯はやや熱め。
肌には少し刺激的な感じがする。


蛇口の水の側で入っておられる客もいる。


昨晩の熱さに比べたら、
気持ちの良い湯である。
顔に当たる雨風の冷たさもちょうど良い。


風呂上がりと同時にチェックアウト。


「昨夜は(キャンプ)1人だったんだね。
今日(土曜日)はいっぱい来るよ。」


オーナーさんらしき男性が親しげに話す。


利用記念品のキーホルダーをもらう。


キャラクターの猿の表情に癒されながら、
雨に濡れたヤマボウシの花道を
カムイは下って行った。