湖を前にカムイは迷っていた。


キャンプ場へは自宅から約1時間で着いたのだが、
まだ受付が始まっていない。
チェックインを待ってる間に、
良げなテント場所をと
フリーサイトの下見に来たのだ。


湖の畔のソロキャンプは憧れである。
目の前の水面が移ろう様を
椅子に腰掛け眺めながら、
まったりと過ごしたい。


なんと素晴らしいことでありましょう
( ´∀`)


しかし、湖畔は魅力的なのだが、
今日はあいにく風が強い。
湖からの風がもろに当たり、
かなり寒いではないか
(ーー;)


また、湖を見下ろす見晴らしの良い丘の辺りは、
背後の山からの吹き下ろしが気になる。


安全な林の中にテントを張るのが無難だが、
せっかくここに来たのだから…。
一応設置場所を特定したものの、
迷いながら受付に向かうカムイ。


「お早うございます。」


途中、撤収中の女性がご挨拶してきた。
湖の水際に
かわいいテントを張っていらっしゃる。


「お早うございます。
今朝は風が強いですね。」


「昨夜は四方から風が吹いて、
テントが飛びそうで大変でした。」


彼女は超能力者か…。
カムイの心を見透かした様に教えてくれた。


危うくカムイも
あなたの二の舞になるところでした
(^_^;)




結局、
風の当たりが一番来ない木立の中に
テント設営。
まあまあ湖や紅葉も見れるので、ひとまず満足する。


横の丘の上でテント設営を始めてたお方は、
風に何度も煽られ断念したのか他へ移動した。


タープとテントの設営を終え、
お昼は大豆ミートハンバーガー。
大豆ミートの肉々しさは
ダイエットには大助かりである。


今月末の検診を控えて、
今回はとりあえずヘルシー飯。
持参のキャンプ道具は
ヘルシーとはいかなかったが…(のεの;


一仕事終えて、
ランチ済ませてのコーヒータイム。
今回の豆はコメダ珈琲店。
この日の為に買ってみた。


ソロキャンプは自由自在。
この際、自分の好みや興味を楽しもう。
ちょっと先の湖を眺めながら、
コーヒーをすする。


しかし、
やはり風吹く中では段々寒くなってきた。


「昨日までは暖かかったんですけどねぇ」


そう言えば受付の男性が言ってたっけ…。


しかも、
ここ志高湖キャンプ場は標高約580メートル、
計算では平地より約4度低い。
今晩はかなり冷えそうだ。
カムイお楽しみ秋キャンプは
実はやや冬キャンプよりなのかもしれない。


こんな時は焚き火しかないと、
満を持して缶ストーブtabを出す。
ついに裏山で拾った焚き木達が火を吹くのだ
Ψ( ̄∇ ̄)Ψ


と、準備し始めたら、
空からポツポツと雨が落ちてきた。


「なぬー!聞いてないぞ。」


山の天気は変わりやすいとは言え、
あまりの仕打ち。
1週間前から
何度も何度も天気予報を見てきたのに…
(ーー;)


いつの間にかの雨雲を
恨めしそうに見上げながら、
缶ストーブtab(未使用)を片付けるカムイであった。


……続く