KAAT神奈芸で宝塚歌劇花組公演『銀ちゃんの恋』を観る・・・の巻8/22 | 乾パンのブログ

乾パンのブログ

ブログの説明を入力します。

今週の日曜日は神奈川県横浜市のみなとみらい線日本大通り駅前にあるKAAT神奈川芸術劇場まで

宝塚歌劇花組公演『銀ちゃんの恋~銀ちゃん、今日も反省の色なし~』を観に行きました演劇

15時30分公演であります。

 

 

神奈芸は2年前の雪組『ハリウッド・ゴシップ』以来か・・・

そうそう、台風でエラい目に逢った直後だったのを思い出しましたよ叫び

 

主演は95期の水美舞斗、石田先生の作品であります。

そもそもの原作はつかこうへい先生の戯曲「蒲田行進曲」ですね。

でもこれだけ有名になったのは深作欣二監督による映画の影響力大。

 

風間杜夫・平田満の出世作ですか。

まぁ私が風間さんを知ったのは「スチュワーデス物語」のヒロシ教官ですが、

「蒲田行進曲」はその前なんですねぇ

 

 

宝塚歌劇ではこれで4度目の上演ですか。

この芝居の主要メンツは皆さんご承知の通り、銀四郎・小夏・ヤスの3人ですが・・・

月組初演は久世星佳・風花舞・汐風幸

花組再演は大空祐飛・野々すみ花・華形ひかる

宙組再々演は大空祐飛・野々すみ花・北翔海莉

 

蒼々たるメンツです。

そっか・・・ゆひすみコンビは宙組トップコンビに就任してから再び演じたんだねぇチョキ

 

私的にはこの芝居は今回が初見となります。

「蒲田行進曲」の映画も見たことありません。

でも・・・あの大階段落ちは様々なパロディで使い回されたし、

何となくストーリーは知っている状態での観劇となりました。

 

先ずは・・・時代を感じさせる作品だなぁ・・・ってこと。

つか先生演出の初演は40年以上前だからね。

今では考えられないような演出も可能だったということか。

 

銀ちゃんなんかは完全に今で言うところのDV男だわな!!

怒ったり殴ったりしながら時には優しくなって、恋人(小夏)や舎弟達を支配しようとする・・・

それを「愛すべき馬鹿」と描いてるからね、ふふふ。

 

ヤスがお腹が大きくなった小夏に怒鳴り散らして暴れるシーンも少々やり過ぎ感あり。

それでも耐えてヤスの気持ちを察して理解して許す健気な小夏。

こういうのが時代を感じてしまうんです。

 

何も知らなかったのでラストのオチに驚きましたが、

これはつか先生の演出作品でも同様で一種のメタ構造の芝居なんですね。

そりゃ石田先生が作品を改編させてあの「オチ」にしたら

(当時御存命だったつか先生に)怒られちゃいますか・・・

 

それから、最近では随分と「丸くなった」石田先生も、昔は尖ってたんだなぁってのも実感。

突如として娘役が網タイツのセクシーな恰好のダンスする場面とかさ、誰の趣味なんだベル

 

昭和後期の再現とかは・・・石田先生の趣味なんだろうかなグッド!

あんな感じのカラオケスナックとか懐かしいもんな。

飲み会の二次会でカラオケスナックは定番でした。

今でも勿論ありますが、昨今の諸情勢で長らく行ってないからねぇ

 

それからヤスの安アパートね。

観光地の三角形のペナントとか・・・宝塚の小道具であるのかなぁニコニコ

 

 

それにしても面白い芝居でした。

生で観る宝塚歌劇は久し振りですが大いに堪能させて頂きました。

本公演でセリフがないような脇役・若手陣も見せ場があったりとかさ、別箱公演の醍醐味であります。

 

笑いあり、涙あり、ゲラゲラ笑って、しんみりして・・・まるで大衆演劇を観ているような気がしました。

少々下世話感もありますがね、こんな芝居も出来るところが宝塚歌劇の懐の深さでしょうか。

 

まぁ過去の初演再演を観た方々にとってはいろいろ言いたくなるのかもしれませんが、

初見の私的には十分満足した芝居でした。

 

主人公倉岡銀四郎は水美舞斗

人気に翳りが出てきたスター俳優役ですか。

傲慢だけど繊細、強がりだけど弱気、厄介な性格です。

この「愛すべき馬鹿野郎」をマイティは楽しげに演じていたように感じました。

銀ちゃんは自分の性格と立場が良く分かってるんですよね。

でも素直になれなくてつい意固地な態度を取ってしまう。

言ってる事と本心が違う「腹芸」をマイティは分かり易く表現してました。

マイティの「目の演技」に私の目線は釘付け。

あの派手派手衣装も着こなしていた。

男役としての独特の色気があるんだよなぁ・・・この人。

こんな演技されたらファンに成るしかねぇよなぁラブラブ

 

ヒロイン小夏は星空美咲ちゃん

年増で落ち目の元大女優役。

こんな役柄だったら花組なら音くり寿ちゃんだよなぁ・・・と思いつつ観始めましたが、

星空さんはホントに研3なのか!!驚きました。

ちゃんと演技していて見た目もヒロインとして一定の完成度を感じました。

コレは凄い事です。

早熟さでは実咲凛音さんを思い出してしまいました。

お顔付きは確かに愛希れいかさんに似ていますが、

少々丸顔でこっぱちで天彩峰里ちゃん風味も感じました。

元大女優かと言われたら・・・だけど、若いのに風格出そうと一生懸命でしたな。

大したもんです。

スタイルも抜群で良く目立つ。

いずれはトップ娘役の器だと思う(断言ビックリマーク

後はタイミングだけど・・・もうちょっとヒロインその外を経験させて成長させてさ・・・

ホントは異動させて娘2格を務めてからトップ娘役就任グッド!が理想的ですが。

 

平岡安治は飛龍つかさ

ヤスは良い役ですね。

飛龍は98期ですから研10なんですねぇ、演技を意識して観るのは初めてです。

少々線の細さは感じます。

自信なさげな猫背でウロウロ・・・ですが、むしろ通常の男役の姿勢の良さの凄さを感じさせます。

セリフ量も膨大ですが全く違和感無く安定感抜群。

彼女は大した役者かもしれません。

ヤスは一途な性格なんですねぇ。

視界が狭いというか、愚直なまでに一直線なヤツ。

デフォルメしていますが・・・市井の男がヒョンな事で運命が変わっていく物語・・・なわけで、

ある意味主役ではありますね。

1幕ラストで、小夏と銀ちゃんの会話を後ろで聞く悲しげで虚空を掴むような表情が忘れられません。

ホントは断末魔を叫びたいんだろうねぇ・・・ってね。

 

 

ヤスの母は専科特出京三沙さん

この母親の子がヤスとは信じられないなぁ

自分の子の全てを察してますな。

フィナーレで弾けまくる京さんに驚いた目

お茶目な人なのかな。

 

映画監督は専科特出悠真倫

ラスト近く、スポンサー(舞月なぎさ)にイライラする無言の演技と表情が絶品。

 

秘書は美風舞良副長

花組公演であおいさんのお姿を観て!!!!!!になっちまった。

でも違和感無いな。

最近の花組さんは次々と副長職の娘役さんが退団していく不思議な状況。

あおいさんは「副長のプロ」だしよろしくお願い致します。

 

スポンサーは舞月なぎさ

あの皆をイライラさせる演技は・・・印象に残りました。

 

橘は帆純まひろ

銀ちゃんのライバル俳優役ですが・・・まひろも初めて認識した男役さん。

この人、結構格好良いぞベル

99期ですから男役とすればまだ若手か。

表情のキメ方が好きドキドキ

この公演では実質男役3番手格的役柄だし路線さんなのかなはてなマーク

あのスポンサーをぶん殴った時は爽快でしたよ、格好良い。

 

朋子は都姫ここ

銀ちゃんの新たな恋人・・・という立ち位置で、出番やセリフはありますが、

人物的な掘下げは描かれてなかったなぁあせる

ここちゃんはナイスバディな娘役さんですね。

まぁ役作りでそう見えるように工夫しているのかもしれませんが。

 

んで・・・銀ちゃんの舎弟の大部屋役者、トメ峰果とわ、マコト翼杏寿、ジミー侑輝大弥

セリフや出番多し、銀ちゃんやヤスとの絡みも多いし、印象に残る3人組でした。

楽屋で小夏が弁当差し入れる場面や銀ちゃんと焼肉屋で焼肉食べる場面はアドリブ合戦ですよね。

あの場面、面白かったです。

 

 

あの大階段落ちの場面。

どのように表現するのかDASH!と思っていましたが、こんな風に演出するんだ・・・と感心してしまいました。

コレは納得でした。

さすがは石田先生にひひ

 

であのオチだもんねぇ

何も知らない人が観たら驚きマスよ、こりゃむかっ

冗談かと思いましたが、原作もこんな感じなんですね。

この世は舞台、人は皆役者・・・なんでしょうかべーっだ!

 

 

二幕、大部屋に風呂敷に包んだ三段重ねの弁当を差し入れる身重な小夏・・・の場面。

小夏が階段につまずいて弁当箱を落として中身をぶちまけるアクシデントには少々驚きました。

星空さんは固まって身動き取れなくなるんだもん、何事ぞとえっ

 

即座にトメ、マコト、ジミー等が弁当箱とその中身を拾ってフォローしてましたが、

このような咄嗟な判断出来るってのも凄いなぁにひひ

舞台は生ものですからねぇ

あの場面、星空さんは完全に素に戻って固まってました・・・けど、

よくぞへロへロにならずにその後の演技を続けられたもんだと、こちらも感心しました。

 

あの妊婦を表現するお腹の詰めものですが、足下が見えないんだろうなぁ

歩くのは危ないのかもなぁ・・・

コレは現実の妊婦さんも同じなのかもしれませんが・・・

 

カーテンコールでマイティに1から作り直します宣言もエェクラッカー

このオドオドした表情してる子が舞台では堂々と女優役を演じていたのか!?とも。

マイティは「ビックリマーク弁当ね、また1から役作りを作り直すと思っちゃったべーっだ!と笑っていましたが、

相手の会話を拾って場を盛り上げるのが上手いなぁ

 

 

今回は二階席に座りましたが、神奈芸の二階席は見易いですね。

舞台全体が見下ろせて視界良好でなかなかGOODチョキ

三階席前方は手すりが邪魔でエラかったんでねぇ

 

それから中二階があるので、自分が何階に居るのか分らなくなりますなショック!