NHKBSで映画「蜘蛛巣城」を見る・・・の巻 | 乾パンのブログ

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最近、NHKBS放送で黒澤明監督映画をよくやっていますが・・・
先日、やっと念願だった「蜘蛛巣城」を録画して拝見致しております。



1957年(昭和三十二年)作製の映画。
監督は黒澤明、主演は三船敏郎。

シェイクスピアの戯曲「マクベス」を日本の戦国時代にと置き換えた映画として有名ですね。
前々から見たかったのですが、やっと念願が叶いましたドキドキ

この頃「用心棒」や「七人の侍」等の娯楽時代劇を撮っていた黒澤監督が、
能の表現を現代風に解釈した様式美重視の映画として有名・・・・だそう。

とある戦国大名の家臣であった鷲津(三船=マクベス)は戦いで殊勲甲の活躍をみせ、
当主が住む蜘蛛巣城へと召喚されるが、森で道に迷い不思議な老婆に出会う。



糸車を回す老婆が「鷲津が蜘蛛巣城の城主になる」と予言するのですが・・・
物の怪なのですが、この不気味さが凄すぎるんです。
この場面でこの映画がタダモンじゃねぇっとことが分かります。



んで、マクベス夫人に当たる、鷲津の正妻である浅茅が山田五十鈴さん。
私が知る山田五十鈴さんは・・・「必殺仕事人」に出てくる殺し屋のおばさんなんですが・・・
凄い女優さんだったんですね。

メイクが能面っぽいです。
極めて抑えた演技なのですが、存在感はマクベス(三船)以上なんですよねぇ
このマクベス夫人は・・・DASH!

和服での歩き方が優雅かつ自然。
昔の女優さんですから日舞も出来たと察します。



いわゆる「日本むかし話」風てんこ盛りのご飯。
映像の撮り方が一々凝ってる映画です。



んで・・・浅茅が発狂する場面がね。
山田さんがベストカットだと自画自賛したそうですが、納得せざるをえない迫力チョキ



メイクがやっぱり能面っぽいんですねぇ
もうちょっと能の知識があれば・・・きっとこの映画の凄みをもっと堪能出来るんでしょうけど。

んで有名な三船敏郎が下克上で味方から矢に射られるラストシーン。 
日本の映画史に残る「名シーン」ですね。



まだCGなんて無い時代にどうやって撮影したかと言えば・・・



大学の弓道部の学生が動員されて、実際に超至近距離から三船敏郎目掛けて矢を射ったそうです叫び
リハーサルが繰り返しなされたそうですが、このような狭い足場での長時間の行動はさぞかしストレスを感じたと察します。
少しでも段取が狂えば三船が事故死する可能性も十分にある、現在では実行不可能な演出ですね。



この三船の表情は演技だけではなく、ホントの恐怖の怯えての表情だったようです。
迫真の演技とはこのことでしょうけど、黒澤監督のキチガ○演出も普通じゃない。



この場面の撮影後に泥酔した三船が自分の所有する散弾銃を黒澤監督に突きつけた・・・
ってなエピソードもありますが、まぁそうなるでしょうなぁあせる