KAAT神奈芸で宝塚歌劇雪組公演『ドン・ジュアン』を観る6/25 | 乾パンのブログ

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この前の土曜日は横浜市山下公園横のKAAT神奈川芸術劇場まで、

宝塚歌劇雪組公演『ドン・ジュアン』を観に行きました走る人

11時公演。




実際に行ってみて私の勘違いに気が付きましたが、KAAT神奈芸は初観劇でした汗

私がよく行っていたのは・・・お隣の神奈川県民ホールでしたわ。


神奈芸はエントランスが広々していて、良い劇場ラブラブ

東京から少し外れただけでこれだけ恵まれた環境なわけで・・・


これから宝塚歌劇東上公演での常打ち小屋として使い続けても良いんじゃないかはてなマークと思いました。

無論ながら東京都心部からは少し遠いのですが、横浜だと都内より少し西日本寄りで私的には問題なし。

私はもはや都民ではないし平日の会社終業後に劇場に駆け込んで観劇することはもうないですからねぇにひひ




場内はちょっとこじんまりしていて良い感じ音譜

私的には(ちょっと構造的には違うけど)、新大久保のグローブ座を二回り大きくしたような印象でした。



『ドン・ジュアン』は生田先生の作品ですね。

雪組2番手男役、望海風斗の主演公演。

彼女は横浜出身ですから、凱旋公演とも言えます。



「ドン・ジュアン」って英語で言うところの「ドン・ファン」ですか。

女にだらしがない放蕩男の象徴であり、自らの悪行で身を滅ぼす・・・ってなお話は日本でもお馴染みです。


以前に月組りかくらコンビ時代に『セニョール・ドンファン』ってヤツがあった。

景子先生の作品だったかはてなマーク

アレもラスト付近に石像が登場したし、ドン・ジュアンに石像は付きもののようです。


見始めた第一感は・・・宝塚版『ロミオとジュリエット』に何か似てるぞビックリマーク

ドン・ジュアンは何だかティボルト的だわ。


まぁこれがフレンチミュージカルってヤツなのか!?

タップシューズ着用でのダンス多用で迫力満点。

組子の皆さんも相当に練習を積んだのだとお察ししますが、よく揃っていたように思います。


序盤の騎士団の皆さんのダンスは『1789』の一場面を思い出しまして・・・

いろいろ観たことあるような・・・の場面が多かったです。


以下ネタバレあり



この作品(ドン・ジュアン)の根底にあるのは「罪の意識」であると私は解釈しました。


少年期のドンジュアン(野々花ひまりちゃんが好演)は母親を犯し、母親は投身自殺します。

いわゆるフロイド流で言うところのエディプスコンプレックスの意かはてなマーク

(宝塚歌劇でココまで近親相姦をあからさまに示唆する場面も珍しい!?


これが致命的なトラウマを引き起こし、常に「罪の意識」を感じながら生きていくことになった。

彼が追い求めていたのは母(母性愛)だったんだろうなぁ


多数の女性と関係を結ぶドン・ジョアンですが、彼にとって彼女らは「女」であったと・・・

まぁ放蕩なんですが、彼は物理的に女を愛せても、精神的に女を愛せない人間だった。


狂おしいまでに悶え苦しむドンジュバン。

憎しげな表情の中に、哀しみや破滅感を目で表現するんだよなぁ・・・だいもん(望海)は。

何でこんな表情が出来るのかはてなマーク不思議にも感じます。


そんな彼の前に現れた聖母様がマリアだったとショック!


ヒロインの名前を「マリア」にしたのはそういう訳なんでしょうかね。

そう言えばラファエルなる名前のライバルキャラも登場するし、きっとキリスト教の知識があれば

もっといろいろと楽しめるんでしょうけどねぇべーっだ!



それからちょっと述べたいのは・・・

この芝居の最大のキーパーソンは騎士団長の亡霊。


亡霊はドン・ジュアンの罪の意識が生じさせた妄想だと1幕では感じたのですが。

(H・ジェイムズの「ねじの回転」的解釈)

でも2幕前半だけ、他のキャラの前にも登場するのですが、そこが納得行かなかったです。


そもそもこの脚本、良いんだけどいろいろ「穴」があるように思えます。

ドンジュアンの最期も・・・ちょっとしつこすぎるようなあせる

死ぬことによって永遠に残る」ってのもその通りなんだけど、ハッキリ言わせるのも何だかな┐( ̄ヘ ̄)┌

もうちょっと観る人の想像力に任せても良かったのでははてなマークと私は感じました。


ただ各役者さんのスキルを最大限に発揮させるようなあて書きの的確さは凄いなぁラブラブ

それと・・・あの石像は大道具さん頑張ったなぁべーっだ!

盆を使った巧みな場面転換と、あのセットもお金かかってそうでなかなかですラブラブ!




主人公ドン・ジュアンは望海風斗

登場するだけで舞台を支配できる迫力と実力と目力をもつ役者。

文句なしの出来映え。

憎々しい表情の奥に露呈する哀しみと絶望感の表現は・・・誰にも真似できない。

あて書きバッチリだし、だいもんの代表作になるでしょうねぇ

ただしさ、トップスターに就任する前に、ハッピーな喜劇の主役も別箱公演でやって欲しいな。


石工マリアは彩みちる

みちるちゃんのヒロイン姿は始めてみましたが、まぁここまでやるんだから芸達者な路線娘役なのは確か。

でも表情とか、キャンキャンしたセリフ回し、突然恋愛に至る訳分からないキャラ演技は・・・

蘭乃はなさんを思い起こしましてねぇ叫び

こういうタイプの娘役だったんだな。

今すぐのトップ娘役就任は止めろビックリマークと言いたいけど、劇団も今回の出来を見れば思い留まるでしょうよ。

ましてや、だいもんの相手役は絶対に止めた方が良い。

正直な話、今後もみちるちゃんのファンでやってく自信はなくなっちゃった。


ドンジョアンの友人ドン・カルロは彩風咲奈

彼女は長身でスタイル抜群ですね。

堂々たる存在感を見せてくれましたが、私的にはう~んあせるな男役さんであります


兵士ラファエルは永久輝せあ

男役3番手の役。

ひとこの演技をこれだけじっくり見るのも初めてでしたが、彼女もスタイル良いし光るものを感じます。

激しい怒りと慟哭でドンジョアンに向かっていく決闘場面が最大の見どころ。

でもよくよく考えてみるとさ、ラファエルってマリアに石工を止めろと迫ったり、あまりマリアのことを理解してないんだよなぁ

これぞ横恋慕ってヤツですグッド!


ドン・ジュアンの自称妻エルヴィラは有沙瞳

このキャラも強烈な印象感あり。

徐々に狂気に至る演技も、実力派振りを見せつけていた。

歌も抜群に上手いし、くらっちの魅力や持ち味が最大限に発揮できる役でした。

彼女は如何にもな別格派タイプの娘役さんだし、縁があればトップ娘役もあるかも(妃海風ちゃんのようにね)


騎士団長とその幽霊は香綾しずる

パンフレットの顔写真でぶっ飛びましたよ\(゜□゜)/

要所要所で登場しては、ドン・ジュアンに預言を与えていく役割。

何だかホントの悪いキャラではないような・・・

でもメイクが強烈です。

がおりは歌える実力者でした。


ドンジュアンの父英真なおき、イザベル美穂圭子の専科コンビ。

これぞ専科特出ビックリマークってな印象感を与える演技はさすがグッド!

じゅんこさんがくらっちに「黙れ小娘ビックリマーク」と一喝する場面が面白かったな。

まさに「黙れ小わっぱパンチ!」です。


その他では・・・

アンダルシアの美女役の煌羽レオ

へそ丸出しで踊るのですが、筋肉質の細いウェストでおそれ入谷の鬼子母神だぜニコニコ

双眼鏡でガン見しちゃったラブラブ!

結構な実力派ですが、彼女は路線じゃないのかべーっだ!


それから、野々花ひまりちゃんがよく目立っていて素敵。

上記したとおりドンジュアンの少年期を演じていたのですが、表情がだいもんとソックリ!!

こんな子があんなことをするなんて叫び

その他、ドンジュアンの取巻き女役もやってましたが、彼女はトレンディドラマで活躍していた頃の

浅野ゆうこさんに似てる風貌。

こんな娘役さんが本公演ではその他大勢で埋もれているわけで・・・もったいねぇぞ劇団むかっ




ダンスも演技もホントに印象的なこの作品。

これほど観劇して満足感を覚える作品も稀だ。

脚本的にはもうちょっと・・・感もありましたが、生田先生の才能を強く感じます。


それからだいもんの魅力もダダ溢れていましたな。

ただトップスター候補とすれば、黒過ぎるというか個性派ですよねはてなマーク


こういうタイプの男役さんの相手役には、どのような路線娘役さんが似合うのかメラメラ

基本的にトップスターと2番手男役は違った個性の組合せが面白いのですが、

トップ娘役とのコンビとすれば、同じ持ち味(利点・欠点が同じ)の方が絶対に良い。


言っちゃなんだけど、彩みちるちゃんのようなタイプは絶対に止めた方が得策。

でもさ・・・何故だか大人っぽい実力派トップスターに、若い未熟的なトップ娘役を宛うことが多いんだよな。

劇団もどういう了見なのかなぁDASH!