職場の外付け階段下の花壇ですが・・・朝出勤すると、綺麗な青い花が咲いているのを発見
ツユクサ(露草)ですね
今の季節、朝露が降りると共に咲いて、昼頃の朝露が消えると共に花が閉じる、儚げな花です。
でも形が相当に変わっていますよね。
3枚の花弁のうち、上の2つは鮮やかで目立つ青で、下の1枚は目立たない白。
しかも、おしべがアンバランスに、ニョロンと下に伸びている
実はツユクサは両性花で、虫媒しなくても自家受粉できる、なかなかユニークな植物なんですね。
下にニョロンと伸びた3本のうち、真ん中が雌しべ、後は雄しべだそうで・・・
それが、花が閉じる時にクルクルと巻かれ、その時に受粉とのこと。
ただし、自家受粉と共に虫媒もありだそうで、その時に使われるのが短く伸びた黄色い雄しべ。
花に近い黄色い雄しべは、虫をおびき寄せるのに使う花粉がないダミー
結構、巧妙なシステムを構築しているようです
それから、一定の割合で両性花と雄花の2種類があるそうで・・・
私が手で持っている方が両性花で、右側が雄花ですね。
何かいろいろ考えているようですね・・・ツユクサさんは
ツユクサは別名「月草」として、万葉集にも度々登場しています。
どうも「儚げ」、「移ろいやすい」の意味合いで使われていたとのこと。
坂上大嬢が大伴家持に贈った(贈りつけた)歌。
月草之 徙安久 念可母 我念人之 事毛告不来
月草の うつろひやすく 思へかも 我が思ふ人の 言も告げ来ぬ
これ、「来ぬ」は「きぬ」ではなくて「こぬ」ですよね
そうじゃなきゃ、「夏が来ぬ」みたいに運用形+終止形になって意味が通らない。
「月草のように移ろいやすいんですかねぇ?私が思う人は何も言ってこないんだけど」かな
家持と大嬢は一度は恋仲になるものの、その後絶縁。
しばらくしてから復縁して、大嬢は家持の正妻になり「覆水盆に返る」結果となります。
まぁ家持はかなりモテたそうで、破局の原因は一方的に家持に非があると思われますが・・・
P.S.
文語体における助動詞「ぬ」の使い方って、口語体に親しんでいる現代人には難しいですよね
例の「風と共に去りぬ」だって、「さりぬ」だから「ぬ」は終止形だけど、仮に「さらぬ」だったら「ぬ」は否定形。
「見ぬ」と「見えぬ」とか、「実りぬ」と「実らぬ」とか、「知りぬ」と「知らぬ」、「打ちぬ」と「打たぬ」とか、
一目分からない。
キーポイントとして運用形は、「去りぃ」、「見ぃ」、「実りぃ」、「知りぃ」、「打ちぃ」とか、
動詞の活用語尾が「-i」になるってことかな