赤い灯のともる部屋  後編 | 風紋

風紋

鋼の錬金術師ファンの雑文ブログ



  リンとランファンに愛が偏っています

後編はがっつりR-18です。 年齢が満たない方はお戻りください。





















ランプの赤いシェードを透かした弱い灯りは部屋全体を赤く染めていた。
一層陰影を濃くする灯りのもとで、リンは眼の前のほの白く浮かび上がるランファンの体を
眺める。膨らみと窪みとがなだらかに連なり、そこに当たるランプのゆらめく光が陰をきわだた
せている。そのかたちを確かめるように指を這わせ、唇でなぞる彼の動きにあわせて吐息の混じ
った甘い声が絶え間なくあがっていた。
「ん、ふ、ぁあ・・・」
顔の前を両手で覆いかくすようにして身悶える彼女に、リンは手を休めることなく愛撫を続けな
がら囁く。

「顔、隠さないで。ランファンがどんな顔してるか見たい。」
言って手をどければ、そこには眉根を寄せ目尻をさげてそこに涙をためた潤んだ目と赤く染まっ
た頬。半開きの唇がなまめかしい。
「せっかく色っぽい顔してるのに。」
「でも・・・」
「見るのは俺だけでも、いや?」

はっと目を開き無言でかぶりを振る娘にほほえみかけると、リンは彼女の手をとらえ自分の
左手としっかり組み合わせてシーツの上へ押し付けた。
悶える顔がさらされる恥ずかしさを、置きどころを知らず頼りない手を繋ぎとめてやることで
忘れてくれるならいい。
絡んだ指と押し付けあう掌の熱がお互いの肌の境目をあいまいにしていき心の障壁まで溶かし
てくれれば。

恥じらいでぎこちない身体を丹念にひとつづつほぐしてゆき、そこここに種火をおこしてゆく
ことには細工物を組み上げるときのような歓びがある。
手のなかで次第にうっすらと汗ばんでくる白い肌は、撫で上げる指の腹にしっとりと吸いつく
ようでその感触が心地よい。
腋下に顔を寄せると、今までは気づかなかった杏の花のような甘さのなかに生々しさの混ざっ
た彼女の汗のにおいが鼻をくすぐる。
耳元から首筋へ、鎖骨の窪みから脇腹へと辿る指先を唇で追いかけてゆき、可憐な胸の膨らみ
を飾る果実を口に含んで吸った。
「やっ、ああん!」
喉の奥からこぼれる甲高い悲鳴に気をよくし、更に念入りに愛撫を続けると口の中で小さな実
は硬さを増していく。
舌先で転がすように味わったのち強く吸うと、口蓋と歯の裏にもその感触が伝わりたまらなく
なるのをかろうじて自制しそっと甘噛みする。

唇を離して眺めると、胸の頂は彼の唾液で濡れてひかっていた。
ふだんは控えめな淡い色合いで、わずかに突き出しているだけの乳首はきゅっと何かを求める
ように立ち上がり赤く充血している。
「こんなに固くして」
指の腹でこするように刺激するとランファンは眉根を寄せて
「ん!」
と、苦しげな声をあげた。

「気持ちいい?」
「・・・は、い・・・」
蚊の鳴くような小さい声でそう答えるのをわざと硬い声を出し咎める。

「聞こえないよ。ちゃんと言葉にして言ってって、いつも言ってるだろ?」
「気持ちいい、です。」
「うん。それでいいよ、ランファン。」

恥ずかしそうにしながらも、肯定の言葉をかけてやると途端にほっとした
ように目が和らぐ素直さがたまらない。
「いい子だね。いやらしくて最高に可愛いよ。」

「そんな可愛い子のここはどうなってるかな?」
言いながら素早く両腿の奥へ手を入れる。
小さな悲鳴と共に脚を閉じようとするのを膝を割り込ませて阻み、追及の手を伸ばし淫らな花
をあばきたてる。柔らかくほぐれた襞のあいだへしのびこませた指先に、ひそやかな熱をたた
えてあつく濡れた感触があった。

「自分でもわかるだろ?どうなっている?」
「濡れて、る・・・」
「そうだね。すごく濡れてる。」
満足げに微笑んでリンは指を濡れた襞に沿わせてゆっくりと動かす。
「あ! はああ・・んん。」
くちゅり、と音をたててリンの指は襞の合わせ目をなぞり続ける。
濡れた音は断続的に続き、彼女の喘ぐ甘い声とともに部屋の中に響いた。
ごく軽い感触でありながら、それは実に念入りに周到にランファンの身の内の水位をあげ続ける。
「や、あ、あ、ああああ。」
次第に声は切実さを増していった。

指を小刻みに動かしていくと次第にランファンは内腿をすり合わせるように両脚を閉じようと
する。それが恥ずかしさからだけでないことはきゅっと力をこめて内に折り曲げられた足の
親指でわかった。

「ナカにも欲しい?」
もう恥ずかしがる余裕もないのか、ランファンは必死な顔で
「ください・・・」
と素直に懇願する。
リンは掌を上に向けてまず中指だけを入れた。
「待ってたんだね。絡み付いてくるみたいだ。」
あたたかいランファンのなかを探ると、先ほどまでの愛撫で溢れた蜜が手の甲をつたって
零れ落ちた。
指を増やして恥骨の裏側を中から刺激し、花芽を親指の腹で擦りあげる。
硬さを増す小さな芽はぷっくりと膨れて周囲の紅い色はいっそうその鮮やかさを増していく。
堰が切れるときが近づいている。
「や、あっ、あっ・・・ああん、ダメ、いやあっっ!」
リンの頭に手をかけたままランファンはほとんど悲鳴のような嬌声をあげ、両脚を震わせ達し
てしまった。


まだひくひくと震えるランファンのなかから指を引き出すと粘度のたかい液体は指のあいだに
絡みつきいやらしく光っている。
「指だけでイっちゃって、可愛いな。」
言って見せ付けるように濡れた指を舐める。
「そ、そんなことしないで・・・」
「今さら何を。舐めてイかせてあげたことだってあるじゃないか。」
「やだ・・・」
「いやなことないよ。涙や汗と同じ体液の味だ。」

いたたまれない顔をする彼女を見ていると、もっと淫らなことを教えてやりたいような
嗜虐的な気分になる。
「ランファンの味だよ。」
まだ濡れたものの残る指を差し出す。
「舐めてごらん?」

人差し指と中指で唇をそっと撫でつついて促すとランファンはいくぶんかためらいつつもおず
おずとそれを受け入れた。
ぎこちなく咥えた指をどうしたものか迷っていたが、やがて彼女は目をつむりそっと舌を
からめてくる。いとおしげに指の腹を撫でるように舌を動かし、間を隈なく舐めまわし、
舌を絡めて唇をすぼめ吸いあげる。
思わずカッと頭に血が昇るのがわかった。

「・・・なんだよ、すごい上手いじゃないか。」
苛立ちのような、わけのわからぬ熱い感情が沸き立って乱暴に指を彼女の口の奥へと突き入れる。
ランファンはその荒々しさに驚き目を瞠ったが、舌の動きを止めることはしなかった。
熱っぽく口内を弄るうち、指はひとつの意思をもって舌のうえを往復し続け、そして動きを止めた。
たまらなかった。

もどかしく下の衣服を脱ぎ去り、すっかり昂ぶってしまったモノを見せて
「さっきしたみたく、これ、口でしてくれる?」
こんなことを頼むのははじめてだったが、そうせずにはいられないような気分だった。
ランファンは勢い込む俺の様子に戸惑った顔をしていたが、しばらくためらった後、
無言で頷いた。
そっと手を添えて顔を近づけ、おずおずと先端に唇でふれる。
滲み出した透明な汁を舐めとってくれるのにぴくんと反応してしまったのを見て目を丸くして
いたが、ふっと笑みを浮かべると目を閉じ口に含んだ。
そのまま全長を飲み込もうとして苦しげにしているのを慌てて止める。

「最初から無理しなくていいよ。」
「でも。」
「歯をたてないで、出来る?」
そう訊くと自信なさげな顔になるのを
「ここらへんをさっきみたく舌で吸ってくれればいいから。」
そう言って手をとりその箇所に添えて教えると、たどたどしく手指を使ったのち思い切ったように
ふたたび唇を寄せる。
俺のものを咥えたまま、これでいいのかと問いかけるように上目遣いにこちらを見る顔は真剣な
だけに可愛くてたまらなくいやらしかった。
ぎこちないながらも一生懸命に口を使うその顔を見ているだけでとてつもなく気持ちよくてイって
しまいそうになる。

「もういいよ。」
髪をなでて止めるとランファンは本当にいいのかと目だけで問いかけてくる。
「ていうか、正直言うと俺の方もそろそろ限界。」
そう打ち明けるとランファンは微かにほほえんだようだった。


顔をあげほっと大きく息をつくランファンの濡れた唇を指でぬぐってやり体勢を入れ替える。
そのままいこうかと思ったが、意外に余裕のありそうな彼女の様子にまた少し意地悪をしたく
なった。煽られて余裕がなくなったのの反撃とばかりに、不意打ちをかける。
「でもその前にお返し。」
「え?」
折り曲げた膝を左右に押しひろげ、白く豊かな質感に溺れそうになりながら両脚のあいだに
顔を埋めた。
太腿に挟まれたまま、襞に沿って舌を這わせればもどかしく震える身体。
固い花芽はぷっくりと膨れあがっている。
興奮をしめすそれを舐めあげると甲高い嬌声があがった。
「やん!あっ・・・ん・・・うん・・・」
唇を押し付けふたたびしとどに溢れだす蜜を啜る。
物欲しげにひくつくそこを舌先でつつくと
「も、もういじわるしないでください・・・」
ランファンは泣きそうな声をだす。

「欲しいの?」
「はい。」
「何が欲しいの?」
「リン様が、欲しいです。い、入れて・・・ください。」
征服欲にも似たものが一気に満たされて、彼女の脚のあいだに腰を割り入れ昂ぶりきった
ものを突き立てる。

「んんっ、はあ、あっ・・・ああぁ」
待ち望んだ感覚に歓喜の声をあげてランファンは身体を震わせた。
ゆっくりと腰をしずめ、探るように奥へと進めていく。
「全部、入ったよ。」
彼女のなかは限りなくあたたかく、動くたびぬめって締め付ける肉の壁は溶けてしまいそうな
ほど気持ちよかった。
「動いていい?」
蕩けた顔をして無言でランファンは何度も頷く。
「あっ、あん!・・・ふ、くっ・・・」
腰を突き上げる動きに揺さぶられながら彼女は切ない声をあげ続ける。
「ランファン。」
名前を呼びながら乳房を揉むと更に締め付けてくる。
「ランファンっ」
自分でも何のために呼んでいるのかわからなくなってくるのを
「リン様」
彼女に名を呼ばれてその声にたまらなく満たされるのを感じた。
呼びかけに応じるように唇をむさぼると同じように返してくる。
舌をからめて唾液をすすりあっているうち、身体の高まりは次第に極限へと近づいていく。


「あ、あ、いやっ!・・・私、もう・・・」
「もうイきそう?」
止められぬ動きを続
けながらそう訊ねるとランファンは声も出ないらしく必死の顔で頷く。

「リン様っ!・・・リンさ、ま・・・」
ランファンは身をそらせて苦痛を耐えるように快感に耐え、やがて声にならない声と共にふるえが
駆け上がってくるのがわかった。
自分の頂ももう見えてきている。
せりあがる焦燥感に腰椎が灼けつくほど激しく動き続ける。
「いくよ。・・・ああっ!あっ、・・・う・・・」
目をつむって快感の激しい波が砕けるのを全身で感じる。
閃光がはじけて強い脈動が生まれ、太腿に細かい痙攣が走った。





かろうじて肘を立てて上体を支えたまま折り重なるように荒い息をついて、その息がどちらの
ものかもわからぬままゆっくりと呼吸が重なっていく。陶然とした時間がすぎ、ふと目があうと
あらためて今日の交わりの激しさにお互い顔を見合わせて照れたように笑った。
もう何も言わなくてもいい。
ただ軽いキスをしてしばらく抱き合ったままじっとしていた。


その後、また恥ずかしそうにしているランファンに身づくろいをするよう先に浴室を使わせ、
彼女と入れ替わりに熱い湯を浴びて出てくると、乱れた寝台はすっかり直されていた。
そして髪を結いなおし服を着たランファンはといえばソファにもたれてうたたねをしている。
ソファの上にはリンの脱ぎ捨てた衣服が畳まれていて、彼女はその服に頬を寄せるように突っ
伏して眠っていた。
情事のあとの気だるさから眠気に逆らえなかったのだろう。
服を着なおして、ソファの空いた座面に眠るランファンの体を抱き上げてそっと横たえたが
一向に起きる気配はない。
眠る彼女はついさっきまであんな淫らな顔をしていたとは思えないほどふんわりとあどけない
表情をして、夢でも見ているかのようだった。

―――夢の中でも俺にしがみついて甘えてくれてるといいな。
服を着ながらそんなわけもないことを考える。

遠く汽笛が鳴って終列車が駅舎に入ってくるのだろう、重量感のある低い蒸気の音とレールの
きしむ音が響いた。
あれが出ていった頃に間もなくフーが帰ってくることだろう。
迎え入れるべく窓のカーテンを開けながら、そういえばあの隠し鏡のあるカーテンを開けるのを
忘れていたなと思った。
まあ、そんなことをすればランファンは途端に我にかえってあんな大胆なことをしてくれなかっ
ただろう。

―――それに、俺自身もそんな余裕なかったし。
リンはひとり苦笑した。
まったく今日は、らしくないことばかりだったな。俺も、ランファンも。
それもこれもみんな、この部屋の雰囲気にいつの間にか呑まれていたからなのだろうか。
ここが俺と彼女の進む旅路の里程標になったならいいな。

窓から吹き込む微風を感じながらリンは夜のなかで思う。


終列車の汽笛とともにラッシュバレーの夜は更けていった。







あとがき:2010年5月発行のコピー誌小説本の内容を在庫放出。

      初のオフ作品がR-18とはなんと私らしいwww

      本には雅さまの美麗なイラストがついておりました。

      リンランは主従って制約があるからこそエロいよね!

      面をとられただけで赤面しちゃうランファンってエロいよね!

      こんなことがあってもおかしくないよね!!

      と、まあ、そんなことを思って欲望のままに書いたものです。

      ハズカシイけど、リンランのエロがほとんどない中でこれを発表したことは

      意味があったと思っています。