アニメ63話「扉の向こう側」感想 | 風紋

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鋼の錬金術師ファンの雑文ブログ



  リンとランファンに愛が偏っています

ホーエンハイム・・・!!


*先週に引き続きエドの猛ラッシュでお父様ボコり放題。
一気にロープ際まで追い詰められたお父様はまた暴発。
グリードの賢者の石をドーピングをすべく彼の腹に腕を突っ込む。
引きずり込まれないよう必死のリンとグリの二人が可愛くて仕方ない!
グリードは欲しがってばかりいたけど、自分の存在を欲してくれるリンと
いう存在をこの時はじめて認識しなおしたんじゃないでしょうか。
「この世のすべて俺のもの!」と考え未分化だった自分と他者が、先週の
「俺が欲しかったのはこういう仲間だったんだ。」の気づきでハッキリと
してしまったから、「さよならだ。」と言うしかなかったんだと。
リンを巻き込まないために信条を曲げて嘘をついたんじゃない。
自分を証明するためにグリードはひとり「お父様」の体内へ入り、見事に
炭化し崩してみせたんだと私は思います。


*本誌を読んだ時は「来い、ランファン!」のひと言でなぜランファンが
グリードの意図する「斬り落とせ!」とわかったんだろう、いつの間に
以心伝心?と不思議だったのですが。
アニメは、グリードと共に引きずり込まれそうになるリンの危機的状況を
肉体の外側から、浮き上がる血管や意識の飛びそうな表情で見せてくれた
のでものすごく納得できました。
あれなら、引きずり込まれないよう斬り落とすのが正解とわかります!


*消え行くグリードが悲しい・・・はずですが、赤い風船状の姿のせいで
なんか笑えて仕方ない。今ひとつ残念な活躍ばかりのグリードらしいかも
しれませんけど、も少しカッコよくして欲しかったかな・・・
でもカッコ良かったらもう立ち直れないくらい悲しかったと思うので、これ
でよかったのかもしれません。
中村さん、本当に見事にグリードを演じてくれてありがとうございます。


*「お父様」、胸の穴からの触手に引きずりこまれるシュールな姿。
脚が拘束されて倒れるところでスカートが気になって仕方ないよw
黒マリモ姿で拳握って力説したり涙うかべたりしているところは、可愛い
というか哀れというか・・・
マリモを酸素テントの中でしか生きられない重篤な先天性の病気を持った
者と考えると、彼の「なぜだ」は私にも響いてくるんですよね。
「何が悪い、どうすればよかったというのだ!」の叫びに対する白マリモの
「お前はその答えを見てきただろうに。」はもう少し考えたいです。


*ホーエンハイムの「俺の命を使ってアルを取り戻せ。」に泣いた。
理屈を越えた「父親だからだよ。」の言葉はエドにとっちゃ反則だろう。
そりゃ泣きながら「二度と言うんじゃねえクソ親父!」って言っちゃうわ。
だから、理屈を思いついたところからのエドの顔は自己犠牲なんかじゃない
頼もしい顔をしていてこちらも嬉しくなる。
この判断は間違っていないと思える。錬成光のなかのホーエンハイムの顔
も、「そうか!」という表情をしている。
私はここが錬金術師親子としての彼らの絆を感じてとても好きです。


*真理くんの声がすっかりエドの声になってるけど今までどんなエフェクト
かかっていたんでしょうか?
「持ってけ、すべてを。」
錬金術を手放すことで錬金術にとらわれることがなくなったんだな。
だからこんなに晴れやかなんだな。
そう思っていいですよね?
「無茶しやがって」「兄さんこそ」ずっと繋がってた兄弟らしい空気です。
立ち上がるのがやっとのアルに手を貸す兄さんがいい。


*戻ったアルを心配するゴリさんの隣のザンパノが、メガネなしゆえ一瞬
誰?状態でした。リンも笑って見守ってるのが嬉しかった。
ホーエンハイムと握り合う手が4クールEDのあの手とかぶりました。
あ、そういえばエドが人体錬成陣描いた司令部のクレーターも4クールOP
の「もう何もおそれることはない~」のところそっくりですね。


*メイに「つらいことさせちゃったね。」というところ。
アルの恋愛感情はないけど、錬金術師としての共感が確かにあると感じ
させるセリフでこれは上手いことやったよなと思います。


*佇むホーエンハイムがマリモのことを思うシーンがよかった・・・
ホムンクルス兄弟たちが散るシーンにはいずれも何らかの悼みをあらわし
てたのに、なぜ「お父様」にはないのかと思っていたから。
「お前は俺から生まれたんだもんな。」
「お父様」がグリードにこのセリフを言うのは殆ど呪いの言葉だった。
ホーエンハイムがこれを言うと苦渋と悔恨の言葉になるんだな・・・
でもそれに救いを与えるのが、彼から生まれた二人の息子の存在。
アームストロング少佐にお礼を言われて、背を向け泣きながら去った
ホーエンハイムのたどりついたのはトリシャの墓の前。
「エドが親父って呼んでくれたんだ。クソがついてたけどな。」
「やっぱ死にたくねえって思っちゃうよな。ホントしょうがねえなあ。」
・・・もうこのセリフが良すぎて、色んな感情の襞が折りたたまれたすごい
厚みのある深くてあったかい声で、涙しかありません。
本当によかった・・・ありがとう・・・


すっかりホーエンハイムにさらわれた最終回。来週は後日談ですね!