プロパガンダをするなら | 風紋

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鋼の錬金術師ファンの雑文ブログ



  リンとランファンに愛が偏っています

ラジオの電波にのせた大総統夫人の証言をもって正義を演じるマスタング組
ですが、このプロパガンダは成功するでしょうか?


セントラルの市民に今起こっている騒ぎの理由を知らせるという目的は
達せられたようですが、『正義』として認められるには今までに伝えられた
内容だけでは弱すぎると思います。
大総統夫人の証言が正しいかどうかはまだ検証のしようがありませんから、
夫人がマスタング組に脅されたりだまされたりして証言したとか、特殊な
状況下で同調的になってて彼らを自分の味方と思い込んでしまったのだとか
(ストックホルム症候群という)、そういう解釈をされれば『正義』を名乗
ったとしても、あっという間に反逆者認定です。


そこまで考えなくても、非戦闘地域に非戦闘員を巻き込みかねないかたちで
事を起こしたマスタング大佐が悪く思われることがないよう、ブレダたちは
市民に説明しなくてはならないと思います。


プロパガンダするならせめてこれくらいは、ハッキリ語って欲しい。


*今起こっている市街戦は大総統夫人を匿ったマスタング大佐達が、大総統
排除を目論む上層部に襲撃されてのやむをえない反撃だということ。
(「死者ゼロ」はこれを強調するための布石でしょう。)


*自分達の目標は中央上層部の一派であり、市民の生命財産をおびやかす
つもりはないということ。
(市街地に大砲を向けようとしたクレミン准将はこの時点で市民を敵に
まわしたも同然。まだ明らかにされてはいませんが。)


*大総統行方不明の事実を隠し中央司令部を閉ざした上層部一派を掃討
するため、北方軍が司令部を突破しようとしていること。
北方軍は先のドラクマ戦で上層部による内通があったと確証がとれたため
彼らを国家反逆罪で拘束するのが目的だということ。
(こんな理由でもなければ隊を動かし市街戦に持ち込む正当性がない。)


*そして上層部の拘束が済んだのち、すみやかに通常の市民生活が行われる
ように指揮系統の混乱なく治める用意があるということ。


せめてこれくらいははっきりと語らないと、私がセントラル市民なら
「市街戦をするなんてとんでもない奴!コイツらも軍も信用ならないね。」
と思います。
せっかく公共の電波を使える機会を作ったのですから、市民を味方につける
ことに最善を尽くさねば!



このように大勢の目にさらすことでこのクーデターを潰されることがないよう
宣伝するのは、今後の政治運営に向けても必要なことだとは思います。
一方、ラジオを通じて情報を流してしまうと不利なことも出てきます。


*諸外国へアメストリス軍部の混乱が伝わってしまう。
南も西も国境戦を行ってるさなかにそんな情報が伝われば命取りです。
短期決戦で情報が伝わる頃には混乱を収められる自信があるんでしょうか?


*大総統夫人の所在が軍部にバレてしまう。
もし彼女が銃撃されて死んだりしたら、人質が重荷になったマスタング大佐
が殺したのだと、後々話を作り替えられる可能性もあります。


*大佐のクーデターは予想の範囲内だった軍部が、ラジオ・キャピタルを
使えないようにしたうえで(妨害電波や電波塔爆破、局を武力制圧等)、
国営放送で大佐を謀反人として喧伝する反撃に出る危険がある。
情報の錯綜は市民の混乱を招き、疑心暗鬼にさせます。



ここらへんは、どう対処するつもりなんでしょう。
多分私なんか足元にも及ばぬほど頭のいいブレダがシナリオを書いたので

すからそこはクリアできるのでしょうが、今後の話のなかでこういった市民的
細部をきちんと描いて欲しいと強く願っています。