オススメ本 九百六冊目 ロートレック荘事件 | カモシダせぶんの、日々の文

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現役書店員芸人カモシダせぶんの


木曜に、一冊、本の話を


今回はー、筒井康隆の長編ミステリ


ロートレック荘事件





短編や長編のSFのイメージもある筒井康隆ですが、昔からこのミステリも名作と聞いていました。


読もう読もうと思っていましたが、先延ばしにしてて、この間ここでも紹介した「新本格ミステリを識るための100冊」を読んだ時にガイドがあったのでこれを機に読みました。


お話は、子供の時不慮の事故で下半身を損傷した主人公が大人になり、芸術の才能に目覚め。一角の者になってから、お屋敷「ロートレック荘」に向かう。


ここから始まります。


因みにこの小説が世に出たのは32年前。だけども未だに名作と言われるのがこの小説全体に張り巡らされた「からくり」


これが明らかになる後半。このからくりに矛盾がないことを小説の中で徹底的に証明してます。ここが凄いかっこいい。


ミステリは読んでて「雰囲気で解決したっぽくなってるけど少し矛盾あるよな……」と思うことがたまーにあります。


それに比べて「これなら文句ないやろっ(関西弁)」と本から聞こえてくるのがロートレック荘事件。そこまで明示されてるのに、気づかなかったのが悔しい。


からくりもなんですが、この話はオチの最後の一文もめちゃくちゃいい。


ストレートなんですが事件小説としてバシーっと決まるオチ。逆に今現代の小説であんまり見ない。別にこのオチ今もあっても良いけどなー。


筒井康隆、改めて凄いなーと思わせるミステリ小説でした。


1/22(土)

【読者たちの集い】

会場 秋葉原ZERO-G

開演 19時

チケット

1000円+1ドリンク

(本好きが集まって好きな本の話したり、プレゼンしたりするライブですー)