ご訪問ありがとうございます。
醸研究所の醸せ師hikarinです。
これは何でしょうか?
見たことある人いるかな?
私のブログで以前紹介したこともあるのです「知ってる~!」という方も多いと思いますが、これは酢酸菌膜
酢酸菌というアルコールを酢に変身させちゃう菌が、わしゃわしゃ~と集まって膜になってる状態で、今まさにお酢を作ってるところなんですね~
これは静置発酵といって、昔ながらの酢の作り方。
この桶がずら~っと
圧巻です!!
静置発酵というからには菌に任せていくので基本このお部屋に空調というものはありません。
となると、お部屋の温度は外の天気や気温に左右されてしまうので、ほったらかしにしておくと菌が気持ちよく動けない状態になることが沢山あって、出来上がりを運を天に任せるってなことになってしまい、それでは商売あがったりでしょ?
だから菌たちが心地よく、気持ちよく動けるように人間が少し環境を整える必要があるのね。
暑い日は涼しい風をいれてあげたり、寒くなると私たちだって暖かい毛布をかぶるでしょ、あれと同じように寒くならないように防寒したり
そうやって丁寧に時間をかけて作られるのが静置発酵のお酢なのです。
そんなマルカン酢さんの静置発酵のお酢の中でも、ひときわ丁寧に贅沢に作られているのが酢屋勘三郎
厳選された原材料で年に一度だけ仕込む数量限定のお酢。
あらゆる工程を丁寧に行い、特別な部屋で仕込むマルカン酢の中でもVIPなお酢。
「うまくできなかった場合は販売しない」という徹底ぶり!!
写真のは6月にマルカン酢さんから頂いたもの。
美味しくて飲めます!!
今年の販売はもう終わったそうなので、気になる方は来年狙ってくださいね
さてかもけんの発酵教室、特にポン酢教室の時に酢について詳しく話するのですが、その時にでるのが静置発酵と通気(連続)発酵。
この二つの発酵の違いというのは簡単に言うと時間をかけるか、かけないか(←かなり乱暴な言い方です)
出来上がりの差にも大きな違いがあるのですが(それまで話すと長いのでここでは割愛しますね。)
マルカン酢さんは創業1642年。
江戸時代、徳川三代将軍家光の時代からお酢だけを作り始めて377年という歴史ある食酢専業メーカーというだけあって通気発酵もすごかった!!
私、通期発酵のシステムは知っていましたが、機械見るの初めてだったので、その大きさと存在感に驚きました!!
下から見上げてもフレームにおさまらなかった通気発酵の機械(ドイツ製)
おもに業務用や、マヨネーズなど原材料として使われるお酢がこの通気発酵で製造されているそうです。
それぞれに需要があるからこそ用いられる醸造方法。
どれが良くてどれが悪いということではなく、需要があるから作られる。
作る側のことを強く批判する人もいますが、消費者の思いに応えようとする企業の姿勢を知ると批判などできないと思う。
ましてや今のご時世、菌は悪だ!敵だ!と言わんばかりの流れの中、より安全な商品づくりというのが求められているのだから、企業も切実だよね。
だからこそ自分がどんな食品を食べたくて選ぶのか、自分なりの基準を持つことの方が大切だと私は思う。
蔵見学お馴染みの白い子たち(衛星帽子)でワンショット(笑)
後ろにひと際目に入ってくる彼は愛知は岡崎、FaNaKaにて発酵教室を開催している海津氏。
愛知の醸造をこよなく愛している彼をいじるのが好きな私です(笑)
今回、マルカン酢さんの工場見学には醸せ師仲間と行きました。
醸せ師ってね、日本にある発酵の良さを伝えるだけでなくて、日本の食を支えてきた発酵調味料を選ぶ基準、導となるものをお伝えする役目もあると思っています。
あれはダメ、これはダメ・・・ではなく、自分で選ぶことのできる人が増えるように。
調味料の選び方を知りたい方はお近くの醸せ師の発酵教室へ行ってみてくださいね。
工場見学の後に「きき酢」体験。
単に酸っぱいだけでなく、旨味や甘味もわかるお酢。
通気発酵と静置発酵の味の違いも分かって面白かった。
ちなみに左ふたつは通気発酵のお酢。右のきぶきは静置発酵のお酢です。
さすがのお酢ラインナップ!!
大人のためのシリーズとかもありました。
マルカン酢さんのお酢は柔らかくて使いやすいというのが個人的な感想ですが、見つけた方はぜひ一度手に取って見てみてくださいね。
兵庫、香川、愛知、大阪、滋賀、東京から集まった醸せ師と醸せ師見習いちゃん
遠くから集まってくれてありがとう~
いつもお世話になっているマルカン酢のT様
この見学の為に時間をつくってくださったY営業部長、I室長、Y室長 本当にありがとうございました。
マルカン酢本社日本庭園前にて
醸せ師hikarin@醸研究所