新人開発育成セクションの最初の生活は、
先ず、
朝からデモテープを聴く。そして、夜はライブハウスに行く。
という各々の活動がベーシックで、
時に、
オーディション期間はボーカルチェックを一日100人程見たり、
楽器店主催のイベントで、
一日に各バンド1曲ずつだが80〜100バンドのライブを見でアドバイスしつつコメントを書く。
等々...色々あった。
書くとキリはないが、
そういった中から、自分が世に出したいアーティストの卵を見つけ、育てていく。
中にはそのまま、即、世に出すプロセスに向かう場合もある。(極まれだが...)
先にも記載したように、
セクションに所属して一週間とかからないうちに、
偏頭痛と肩こりに見舞われた私でしたが、
ちょうど、そのタイミングで、
海外アーティストの来日コンサートに行く予定にしていた。
が、そんな状態なので、正直、音を聴くのに気合いがいる…
いくら好きなアーティストとは言え、気が進まない…
頭痛いし…
暫し、葛藤した結果、
ちょっとだけでも見に行こう...と自分と折り合いをつけた。
今度、いつ来日するかわからないし、
後で言った人から、凄く良かったのに!
と言われたら、後悔しそうな気がしたので。
そして日本武道館に到着。
そこは熱気と歓声に溢れていた。
いつもならワクワクするのだが、
体調の芳しくない私は、ちょっと気が重くなった...
しかし、始まってみると、
おー、やっぱいいなあ。
音が気持ち良い。
音に音楽に自分が浸透していくのを感じる
音のエネルギーが気持ち良い
狭まっていた自分の世界が広がって来たような感じ
数曲そうして聴いているうちに、
「あれ、身体が軽い」
「頭痛も治って来た…」
「えーっ!」
その時に悟った。
音は薬にもなるが…
毒にもなるのか…
音楽にずっと助けられて来た私にとっては、
音楽で身体がおかしくなるなんて考えたこともなかった…
かなりの衝撃だった…
音というエネルギーの
認識を新たに持ったのはこの日だったと思う。