昨日の帰宅は何ごとの劇的な場面もなく、「当たり前の人間が当たり前の帰宅をする」日常の続きでした。
この当たり前の日常の繰り返しがどんなに嬉しいことであるのか、心の隅に記憶したものです。
門柱の笠の上にひょいと置かれた小鉢には「捩子花(ねじばな)」が精一杯に咲いていました。
まことに地味な色合いながら、この野生蘭が美しく見えたのです。
茎に縋る小花が一点の省略もなく伸び上がり、我が命の尊さを主張するかのように見えたのです。
駄句1句。
捩子花の一念縒れても上目指し
腰折れ1首。
捩子花のくねりくねりて咲き居たり一点略なく楷書咲き