写真は石菖(せきしょう)。
セキショウはショウブ科ともサトイモ科ともされる植物で、大変生命力が旺盛です。
セキショウの根は、昔から漢方薬の素材として大事にされてきました。
爺はいまだ試してはおりませんが、神経痛、痛風に卓効があり、なにより健忘症によろしい点に魅力を覚えますます。
寺社に鎮座まします「おびんずる様」の肩を撫で、腰を擦り、頭など髪も抜けんばかりに(あ、もともとおびんずる様は坊主であられますね)撫で擦り申し上げるのですが、セキショウの薬効を信じて、しばらくはお暇いただきます。
セキシヨウはショウブに似た葉が、4,50㎝ほどに伸び、縦横に広がるるのですが、環境には柔軟に対応いたします。
写真のセキショウはゴクショウの草丈で、親指ほどの豆鉢にきちんと収まり、はせいぜい1寸(3㎝)弱であります。
これで4年ほど経っているのです。
生き方(生きザマ、と言う人がありますが、ザマとは罵詈言葉ですね。ザマあ見やがれ、ザマあねえや、など捨て台詞で苦し紛れに使う言葉でありましょう)は大変柔軟で強靱。
薬効ただならず。長煩いには有用不可欠の植物で、愚老などはいつか「ツメのアカ」でも煎じて飲みたい、とまで思うのです。
豆鉢植えのセキショウを、矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)4年眺めていますが、ボケ爺にはいまだ薬効届かず、健忘症は進行いたしおります。
石菖(せきしょう)別名石菖蒲(いしあやめ)、夏の季語。
駄句5句。
石菖の寒風の中夏の夢
石菖のつんと剣出し夏の夢
薔薇に似る黄の旋律は唐椿
桃七重香妃椿芽の動く
冬欅鉢穴溢る底根なり
腰折れ2首。
置き場変へ皿に植えたる山紅葉おどろおどろの根に命見る
石菖は頭に良きと伝へ聞き鉢植え人間(ひとま)にそっと乗せてみる