この子はだ~れ | 牛久の小盆栽 ながちゃんのブログ

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伝統的な盆栽愛好者の姿は、培養歴6年で樹齢150年、200万円の五葉松を出入りの業者に任せる旦那でした。「なんとか盆栽展示会」にその蔵者が得意げ写真におさまる、とか。私は貧乏なので全て実生、挿し木の小盆栽です。


この子はだーれ

写真はさて何やらん。

匍匐する茎が横に伸びるところはオリヅルランに似ていますが、オリヅルランの葉は直立していたように思います。
この草の葉は平開、平伏するように見えるのです。
さて、何やらん

愚老、この草の種を蒔いた覚えはございません。
「飛び込み」の草でありましょう。
棚板の隙間に芽生えたのは昨年の春の頃でした。
毟って捨てられる定めの草とは違って、どこか品のいい芽生えでした。
なぜか、どこか床しい草姿に見えたのです。

小生、何度目かの「禁酒の誓い」の折に酒器を全て捨てました。
禁酒は誓ったものの、意志の弱さは誰にも負けない愚老ゆえ「誓い」の言葉など、いずれ反故にするであろう。
よって物理的にも精神的にも断酒の客観的状況を作らねばなるまい。
そのためには秘蔵する酒器は全て捨てるに限る。
さすれば、未練がましく愚図愚図酒の誘惑に悩ませることもあるまい、と思ったのです。

アホですな。
秘蔵の盃を捨てようが隠そうが、酒器など茶碗でもどんぶりでも、飲めれば何でもいいのです。
定年の祝で一杯、と言われれば、辞退する理由は何もなし。
一杯飲めば、二杯も同じ。
ついには「毒を食わば皿までも。
「卮酒安んぞ辭するに足らんや」
元の木阿弥、観阿弥、世阿弥。

さて、写真の草の器はあの時放擲したもの。
底に鏨で穴を開け、「禁酒の誓い」を確固たるものに致しました。
しかして半月で観世流。

この盃に植えた「飛び込み」の草はなかなか情趣があるのです。
名前は不明。
不明ながら風情があるのは素晴らしい!
しばらくはこの草の成り行きを見たい、と思うのであります。


駄句5句と愚歌1首。


下萌えはさて何やらん床し草
下萌えの草は我こそ名乗るごと
下萌えの名は知らずも命燃ゆ
春時雨命漲る下萌えぞ
身は痩せて薺の花の懸命に

枯れ草を下萌え草は押し除ける豊かな緑今燃えんとす