『あのこと』(「L'evenement」100分 21年仏 監督オドレイ・ディワン)

 1960年代フランス。成績優秀の女子大学生アンヌ(アナマリア・ヴァルトロメイ)は将来教師になることを目指していた。が、ある日、自分が妊娠していることを知る。当時のフランスは、中絶は法律で禁止されおり、このことを誰にも相談できないアンヌは不安と恐怖で勉強に身が入らず、成績は下がり、進級も難しいと教授に告げられてしまう。一人で、堕胎を試みるアンヌだったが上手くいかない。そして、(中絶可能ギリギリの)12週目をむかえてしまう。さて…。

 相手の男性は責任回避し、周りの男たちは妊娠中は逆に安全だとのたまう。"中絶""流産""カルテには何と(書きます)?"…。でてくる言葉にも心を痛めます。しかし、アンヌは強い!。そう、『17歳の瞳に映る世界』(20年;映画日記No.462)、『グロリアス 世界を動かした女たち』(20年;映画日記No.417)も若い女性の希望しない妊娠、中絶のできない法律がでてくる作品。でも、主人公の女性は強い!そして美しい。

ちなみに…『あなたを抱きしめる日まで』(13年;映画日記No.115)も似たような作品。私はこの作品の原題「Philomena」に強い印象があるのですが…。