『コレクター 暴かれたナチスの真実』(「De Zaak Menten」「THE BODY COLLECTOR」130分 16年オランダ 監督ティム・オリウーク)


 1976年オランダ。一般紙の発行する雑誌の編集長ハンス・クノープ(ガイ・クレメンス)は、一本のタレコミ電話を受ける。その内容は自国オランダの大富豪で実業家のピーター・メンテン(アウス・グライダヌス)が、第二次世界大戦時に、大勢のユダヤ人を虐殺していたというものであった。自身もユダヤ人の血を引くクノープは調査を開始する。さて…。

 実話作品。クノープは目撃者情報を集め、メンテンの罪を暴いていくが、メンテンも豊富な資金を裏金に回して証言者を買収していく。無罪確定と思いきや、最後に法廷に立つ意外な人物。まあ、観てる側は、メンテンが(おそらく)有罪になることを知っているから、やっぱりこの人だよねと思うのですが…。クノープ夫人ベティ(ノーチェ・ヘルラール)、いい味だしてます。彼女もユダヤ系なのでしょうか。戦争の悲劇はここでも。


ちなみに…ユダヤ人、大量虐殺、ジャーナリスト…。『サラの鍵』(10年;映画日記No.232)(この作品はフィクションですが)を思い出します。ラストのクリスティン・スコット・トーマスの衝撃のひとこと…。