『きっと忘れない』(「With Honors」101分 94年米 監督アレック・ケシシアン)


  ハーバード大学4年生のモンティ(ブレンダン・フレイザー)は優等賞で卒業することを目指し、卒論作成に励んでいた。女子学生のコートニー(モイラ・ケリー)、エヴァレット(パトリック・デンプシー)、ジェフ(ジョシュ・ハミルトン)と4人でルームシェアしている。ある日、使用中のパソコンが停電時にシャットダウン。書きかけの卒論データが全て飛んでしまった。慌てて、手元にある下書きをコピーしようと大学に向かうが、その途中、それも車道の通風口に落としてしまう。それを拾ったのがホームレスのサイモン(ジョー・ペシ)だった。サイモンは、下書きを返す代わりに、食糧、住まいの提供を要求する。そして、サイモンと4人の大学生の奇妙な交流が始まった。サイモンにも秘密があったのだが。さて…。

 サイモン、ホームレスでありながら頭もよく弁もたつ。ハーバード大学の教授、学生たちの前でのスピーチ、学生たちのスタンディングオベーション(スタンディングはしていませんが)、スカッとします。モンティが優等賞を捨ててまで手に入れたものは、普通の学生生活では手にできない一生ものです。ホームレスの出てくる映画を思いつくままに『パブリック図書館の奇跡』(19年)、『奇跡の絆』(17年)、『おみおくりの作法』(13年)、秀作ばかり…。


ちなみに…ブレンダン・フレイザー、『ハムナプトラ』でアフリカを冒険するのは、この作品の5年後です。