神奈川県剣道連盟の要請で、救護スタッフとして、川崎地区、剣道初段、二段、三段の段審査会場に来ています。救護スタッフとは、会場内での体調不良者、ケガ人の対応をします。段審査を受ける人は、初段、二段が、ほぼ中学生、三段は高校生です。
 私も小学生から剣道を始め、中学、高校、大学時代全て剣道部でした。私の学生時代は剣道部と言えば臭い!と女子からは見向きもされない部でした。その時代、確かに臭かったので否定出来ません。がしかし、今の子供達は全く臭くなく、みんな爽やかです。少子化の現代、剣道している子供を見ると、元気をもらえ、本当に愛おしいです。
 さて、私が整形外科医になろうと決めた理由の一つにスポーツ現場に1番関われそうだから、というのがあります。今まで、柔道大会、女子サッカー大会などで、同じような救護スタッフの経験はありますが、ここ数年はほぼ剣道関連で、年に5〜10回程、救護スタッフとして大きな大会、段審査で活動しております。
 また、コロナ禍に1年間だけ、青山学院大学アメリカフットボール部のチームドクターをさせていただきました。これは試合に帯同して、チームのケガ人の対応をします。コロナ禍で練習試合、大会がことごとく中止され、帯同したのは3試合のみでしたが、肩の脱臼の整復処置をグラウンドでするという貴重な経験をすることが出来ました。
 さて皆さん、剣道で起こりやすいケガは何か分かりますか?
答えはアキレス腱断裂です。しかも全員、左足です。剣道の、構えとして1番メジャーなのが、中段の構えという、右足が前、左足後ろの状態で、左足を軸として前方に、踏み込みします。なので左足を切るんです。高校生から、上段の、構えが許可され、上段は左足が前になるので、ケガするとしたら、右足になりますが、今まで1人も経験していません。そして、アキレス腱断裂を起こす人はほとんどが中高年です。高校生で断裂を起こす人はほぼ、いません。2人だけ高校生で断裂した生徒がいましたが、2人とも、痩せている女子生徒で、夏合宿中のケガでした。健康寿命が延びてスポーツをする元気な中高年が増えましたが、急な運動は要注意です。
 

 アキレス腱断裂を起こす、スポーツの種類としては、私の経験では、圧倒的にバトミントン、ママさんバレー、草野球、ソフトボールが多く、不思議とサッカーはいませんでした。また、子供の運動会シーズンになると、普段運動しないお父さんが走って、やっちゃう人が必ず毎年1人か2人います。準備運動、ストレッチ大事です。
運動したいけど、膝や腰が痛くてやれない人は是非、当院に相談に来てもらえれば幸いです。元気なリハビリスタッフがお待ちしております。
 最後に、今回の会場準備していただきました、神奈川県剣道連盟、川崎市剣道連盟の関係者の方々、朝早くからありがとうございました。とりあえず1人もケガ人、体調不良者がでなくて良かったです。お弁当も美味しくいただきました。ありがとうございました。