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ジャック・メスリーヌ Part1 ノワール編(ネタバレ)

ジャック・メスリーヌ/フランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1 ノワール編

三角絞めでつかまえて-メスリーヌ1

原題:L'Instinct de mort
2008/フランス 上映時間114分
監督;ジャン=フランソワ・リシェ
出演:ヴァンサン・カッセル、セシル・ドゥ・フランス、ジェラール・ドパルデュー、エレナ・アナヤ、ロイ・デュプイ、ジル・ルルーシュ、フロランス・トマサン
(あらすじ)
 1959年、アルジェリア戦争に行ったジャック・メスリーヌ(ヴァンサン・カッセル)は上官の命令で初めて人を殺した。その後、パリに戻ったメスリーヌは、幼なじみのポール(ジル・ルルーシュ)に誘われて歓楽街へ繰り出し、娼婦サラ(フロランス・トマサン)と出会い関係を持つ。そして父親が紹介してくれた堅気の仕事もさぼり、ポールの“闇商売”=強盗に手を出し始めたメスリーヌは、元締めのギド(ジェラール・ドパルデュー)を紹介してもらい、さらに犯罪に手を染めていく。(以上、公式サイトより)

予告編はこんな感じ↓




60点


1970年代のフランスとカナダで“社会の敵NO.1”と呼ばれていた実在のギャング、ジャック・メスリーヌの生涯を映画化したこの作品。別にそんなに興味があったワケでもなく、「ノワール編」と「ルージュ編」と前後編に分かれていたりして、むしろ「観るのが面倒くさそう」なんて思ったりしていたんですよ。

ただ、今週末からマイケル・マン監督作の「パブリック・エネミーズ」が公開されるじゃないですか。なんと、こっちも実録モノで、しかも主演のジョニー・デップが演ずるジョン・デリンジャーも“社会の敵NO.1”と呼ばれていたと。そうなると「フランス映画の“社会の敵NO.1”も観ておいた方が良いかなぁ」と思い、新宿武蔵野館まで観に行ってきたワケです。って前置きが長くてすみません…。

ちなみに劇場では、連続して前後編を見られるような構成になっているんですが、二本立て上映ではないので、ノワール編を見終わったら、一旦劇場の外に出なくちゃいけないんですね。だから逆に「『ノワール編』がつまらなかったら『ルージュ編』は今日観なくても良いかな」とも思ったりしていたんですが…。いや、結構良かったですよ。

カタギの仕事が面相臭くて、闇の仕事に手を出し、一回捕まって奥さんと子供のために足を洗おうとするものの、不況でリストラされてしまい、また犯罪者に…っていう序盤の展開は非常にベタですが、僕はこのジャック・メスリーヌという人をまったく知らなかったので、その人生を知るだけでも面白かったです。そのことがキッカケになって奥さんとは別れ(拳銃を口に突っ込んで「お前より仲間を選ぶ」というシーンはちょっと引きました)、ジャンヌ(セシル・ドゥ・フランス)という女性と知り合って、ボニー&クライドのように2人で犯罪を犯しまくるんですが、このジャンヌがかなり格好良くて非常に僕好みであり、心を奪われましたね~。この人、大好きです。

メスリーヌとジャンヌはちょっとカタギになろうともするんですが、結局、犯罪を繰り返して逮捕。メスリーヌは特別懲罰刑務所に入れられて、拷問されまくったりして。全裸でボコボコにされたり、放水されたりと、この拷問描写はかなり過酷で、ちょっと引きましたよ。頭に来たメスリーヌは仲間の協力を得て脱獄するんですが、その後がスゴイんです。この人、銀行強盗を繰り返してその金で武器を調達し、仲間を救うために刑務所を襲撃するんですよ! 「こんなこと本当にやったのかよ!」とビックリしました。結局、仲間は死んじゃうし、敵わなくて逃走するんですが、かなりおかしい人だったんだろうな~と思いました。つーか、メスリーヌって、たまに話すくらいなら気の良い人なんだけど、仲良くなると意外とタチが悪いヤンキーの友達みたいな感じがするんですが、どうでしょうか。

ラストは、森の中で仲間と射撃練習していたら、森林警備隊みたいなオッサン2人がやってきてしまい、彼らに正体を気付かれたのでアッサリ殺したところで終わっていました。何か映画的にはあまり盛り上がらないところで「続く」って感じになったので、ちょっと拍子抜けした感もありましたが、非常に続きが気になってしまっていた僕は、結局、すぐに窓口で「ルージュ編」のチケットを買い、続きを観たワケです。ってことで、「ルージュ編」に続きます。




ジャック・メスリーヌの自伝。アホみたいに自己宣伝欲が強かった人なんですね。劇場でも売ってましたよ。
ジャック・メスリーヌの生涯――世界を震撼させた犯罪王 (ハヤカワ文庫NF)/ジャック・メスリーヌ

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ジャン=フランソワ・リシェ監督作。「要塞警察」のリメイクですが、僕はジョン・カーペンター版の方が好きですな。
アサルト13 要塞警察 [DVD]/イーサン・ホーク,ローレンス・フィッシュバーン,ジョン・レグイザモ

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脳内ニューヨーク(ネタバレ)

脳内ニューヨーク

三角絞めでつかまえて-脳内ニューヨーク

原題:SYNECDOCHE, NEW YORK
2008/アメリカ 上映時間124分
監督;チャーリー・カウフマン
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、サマンサ・モートン、ミシェル・ウィリアムズ、キャサリン・キーナー、エミリー・ワトソン
(あらすじ)
人気劇作家ケイデン・コタード(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、演出を手掛ける新作の舞台稽古に毎日明け暮れていた。それは、ニューヨークのとある超巨大な倉庫の中に、ありのままの”もうひとつのニューヨーク”を作り上げてしまうという前代未聞の壮大なプロジェクトだった。その計り知れない構想に惹かれ、次々と俳優、スタッフたちが彼のもとに集結した。しかし、俳優たちには、いつまで経っても告げられないことがあった。それはこの舞台は、いつになったら上演がはじまるのか?ということ。稽古を始めてから、すでに17年もの月日が流れてしまっていた…。(以上、公式サイトより)

予告編はこんな感じ↓




55点


チャーリー・カウフマンといえば、スパイク・ジョーンズ監督(ちなみにこの映画の製作)の「マルコヴィッチの穴」の脚本を書いて一躍有名になった人だそうで。当時、かなり話題になったので観に行ってみたら、なんかウジウジした話でガッカリした記憶があります。本当に個人的な意見ですが、話が斬新だからって映画として面白いとは限らないんだなぁと心から思った作品でした。

で、今回の「脳内ニューヨーク」ですが、そこそこは面白かったんじゃないでしょうか。MTVスクリーンのダイマル映画宣伝社でも触れていましたが、この宣伝文句↓


失敗続きで開き直っちゃったケイデンは、
自分の頭の中にあるNYを
本物のNYの中に作りはじめる。



これを読んで「ブラックコメディなのかな~」なんて思っていたら大間違い。「誰か僕を愛してくれ…」って感じにウジウジしていて、しかもどんどんおかしなことになっていく映画だったのでかなりビックリしました(しかもその“おかしなこと”はあまり楽しくならない感じ)。この映画はすべてケイデンの主観からの視点だから、最初の妻が去って行った理由も今ひとつ分からないままだったりとか、その後の展開も微妙に夢のようで現実感がなかったりするんだと思ったんですが…。こういう解釈で良いんですかね?

ただ、これもダイマル映画宣伝社で触れていましたが、冒頭でサマンサ・モートン演じるヘイゼルが火事になっている家を訪れる描写(しかも、火事になっている状態のその家を買い、そこに住む! なぜ?)は、彼女がまだケイデンと知り合う前だったので、ここだけは誰の視点なのか謎だったり。ニューヨークに“自分の人生を投影したニューヨーク”を作り始めてからは、ケイデンは自らに起きた出来事を次々と芝居に取り入れていって、もう何が何やら状態に。

最終的には、現実と芝居の境目が分からなくなり、ケイデン自身もいつしかその芝居の中で役割を指示されるようになり、最後に「死んで」と指示されて終わるワケですが、本当にワケ分からなかったです。例えば、ヘイゼルは何十年も火事の家に住んでいてそれが原因で死ぬことはなさそうだったのに、終盤でいきなりその火事の煙のせいで死んじゃったりとか…。あまりに予想外で、ちょっと笑っちゃいました。

僕的には「人はみんな孤独」的なことを訴えたいんだろうかと思いましたが、この映画の本当の意味はチャーリー・カウフマン自身しか分からないんでしょうね。ちなみにダイマル映画宣伝社で宇多丸師匠がしんぼるニューヨーク」と言ってたのは(音は消されていたけど、たぶん合ってる)、見終わってから「なるほど~」と思いました。ただ、しんぼるよりはこっちの方が完成度が高くて業が深いのでは。まぁ、正直なところ、スゴい映画だとは思うけど、なんか面倒くさいので、この映画を観るなら他の作品を観に行った方が良い気がしました。




この映画、面白いですか? 僕はちょっとキツかったなぁ。
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この映画でチャーリー・カウフマンはアカデミー脚本賞を受賞したそうで。僕的にはキルスティン・ダンストが好きです。
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ウルトラ映画vsライダー映画の件(または「テレビの続きは映画館で」問題について)

今月の12日からはなんと「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」「仮面ライダー×仮面ライダーW&ディケイド MOVIE大戦」が公開されるワケで、特撮好きの人はもう待ち遠しくて仕方ないんじゃないですかね!

ちなみに僕もそれなりには特撮好きでして、とりあえずウルトラの方は観に行くつもりだったりします。いや、昨年の「大決戦!超ウルトラ8兄弟」は僕的には本当にガッカリな作品だったんですが(その前の「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」が意外と良い出来だったのでなおさらキツかった)、新キャラクターとしてウルトラセブンの息子ウルトラマンゼロや悪のウルトラマン・ウルトラマンベリアルが出るということで、ちょっと興味を惹かれるというか。しかも、そのウルトラマンゼロを鍛えるのが、僕が最も好きなウルトラマンであるレオとその弟アストラだと聞いたら、これは観に行くしかないでしょ!

で、ライダーの方はというと…。まず、夏に公開されて大ヒットした「仮面ライダー ディケイド オールライダー対大ショッカー」について語らせてください。この映画については賛否両論ありますが、僕は思いっきり「否」だったりします。

封切り日に観に行ったんですが、バルト9の1階でエレベーターを待っていたところ、母親と小学校低学年くらいの子供がロビーにある座席状況の画面を見てたんですね。で、夕方までほぼ満席状態なワケですよ。そりゃそうですがな。バルト9では2日前から予約できるので、2日前の夕方に予約をしたら、その時すでにかなり埋まってましたからね。で、親子はこんな会話をするワケです。

J('ー`)し「あれぇ? 今日はもうほとんど満席みたいだねぇ…」

('д`)「ええ~、今日は映画見れないの?」

J( ;'A`)し「トシ君、ごめんね、お母さんのせいで、ごめんね」

('д`)「いやだよぅ、ライダー観たいよぅ」

J( ;'A`)し「ごめんね、トシ君、ごめんね…」


…僕と友人はションボリしている親子を尻目にエレベーターに入ったのですが(“トシ君”は仮名です)、「ああ、僕と友達のチケット、譲った方が良かったかなぁ」「いや、でもせっかく予約して獲ったんだし、そんなことしてたらキリがないし…」「でも、困った親子を見捨てた僕たちにライダーを観る資格があるのだろうか?」と、非常に葛藤しながらの鑑賞になったため、テンションが異様に低くなり、2人ともあまり楽しめなかったワケです…。

って、まぁ、それは映画の出来とは関係ない話なんですが、それは置いといても完成度が本当に低くてガッカリしたというか。脚本があまりにも子供向けというより子供騙しというか、もっと各ライダーの長所を引き出してほしかったというか、細かく言えば、ガクトさんのライダーマンの中途半端さとか、ショッカー戦闘員を無差別特攻攻撃させるというモラルの低さとか、あのクウガの扱いとか、最後のキングダークとJの扱いとか、全員ライダーキックはさすがにイジメにしか見えないとか、もう文句だらけなワケですよ。例によってライムスターの宇多丸さんが素晴らしい批評を残しているので、そちらを聴いていただければ、この映画がどれほど酷かったかがよく分かると思います。

ということで、すでに「もう当分ライダー映画を観に行くのは止めよう」と思ってはいたんですよ。で、それにさらに追い打ちをかけたのが、「仮面ライダーディケイド」の最終回問題だったんです。

こちらのブログを読むとよく分かると思いますが、要は「仮面ライダーディケイド」の最終回は「続きは12月公開の映画で!」って感じだったワケです。「この大風呂敷をどうやって畳むんだろうな~」と期待していたら、全然畳まないで広げっぱなし状態のまま、しかも「ちゃんとした最終回を見たい人は別料金を払ってくださいね」って終わったワケですよ。 本当にショックで、そして、心から腹が立ちましたね。いろいろ事情はあるんでしょうけど、僕はやっぱりテレビ番組はテレビでの放送で完結すべきだと思うんです。特に子供向け番組はそうあるべきじゃないかと。僕にとってあの最終回は毎週放送を楽しみにしていた視聴者への裏切りとしか思えませんでした。

そういうワケで、「仮面ライダー×仮面ライダーW&ディケイド MOVIE大戦」は観に行きません! って思っていたんですが、現在放送中の「仮面ライダーW」がなかなか面白かったりしましてね。「W&ディケイド」ではその前日譚も描かれるワケでして、ちょっと気になるっていうか…。さらに僕が結構好きな吉川晃司さんが“オヤッサン”として出演し、仮面ライダー・スカルになるっていうじゃないですか! ううっ、絶対観に行かないつもりなんですが…。いや、絶対観に行かないですよ! 後でDVDで観ます!(キッパリ)





劇場で観て本当にガッカリしました。
大決戦!超ウルトラ8兄弟 メモリアルボックス (初回限定生産) [DVD]/長野 博,つるの剛士,黒部 進

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1月に発売予定だそうで。ディレクターズカット版は観ちゃうんだろうなぁ…。
劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー コレクターズパック [DVD]/井上正大,村井良大,森カンナ

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母なる証明(ネタバレ)

母なる証明※映画の説明を追記しました(12/7)

三角絞めでつかまえて

原題:MOTHER
2009/韓国 上映時間129分
監督;ポン・ジュノ
出演:キム・ヘジャ、ウォンビン、チン・グ、ユン・ジェムン、チョン・ミソン
(あらすじ)
早くに夫を亡くして以来、一人息子のトジュン(ウォンビン)と静かに暮らすヘジャ(キム・ヘジャ)。そんなある日、街で殺人事件が起こり、もの静かなトジュンが第一容疑者に。事件の解決を急ぐ警察がトジュンを犯人と決めつけ、無能な弁護人も頼りにならない中、ヘジャは真犯人を捜し出し、息子の無実を証明しようとする。(以上、シネマトゥディより)

予告編はこんな感じ↓




80点


僕が心から愛するラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」で、すでに宇多丸師匠が見事な批評をしているので、僕が書くことなんて何もない気もするんですが、自分のための記録として「母なる証明」の感想を残しておきます。

いや~、面白かったですよ! ポン・ジュノ監督の作品では「ほえる犬は噛まない」が一番好きなんですが(だから、ドアミラーを飛び蹴りで壊したシーンはちょっとうれしかった)、これもかなり良かったです。冒頭のキム・ヘジャが踊るシーンで「何これ?」と思いつつも心をワシ掴みにされ、その後はずーっと引きずり回されて、最後で「えーっ!」と驚かされたって感じでした。

ちなみに僕の母親も1人で頑張って僕を育ててくれたんですが、その愛情はハンパではなくて。僕を学校に通わすために朝5時に起きて夜の12時まで働くという生活を何年もしたせいで体を壊したり、どう考えても僕が悪い状況なのに先生に食ってかかったりと、「母親は子供のためなら強くなれるし、おかしくもなれる」というのは常々思っていたんですね(まぁ、そうじゃない親もいますが)。だから、キム・ヘジャの常軌を逸した行動は僕的にはかなり納得がいくものでした。いや、それ以外の警察署で栄養剤を配るシーンとかもいちいち自分の母親が重なって仕方なかったです。僕的にはこの映画で監督が伝えたかったのは“母性が持つ狂気”だと思うんですが、どうでしょうか? 宇多丸さんがおっしゃっているように、母親が取り乱したのは“自分が知らない息子”を見た時というのも、いろいろ考えさせられます。

結局、犯人は息子のトジュンだったワケですが、この映画の凄さはそのネタバレ部分ではなく、この映画が持つ独特の雰囲気にある気がします。残念ながら僕は語彙が少ないので、あまりうまく書けませんが…。

ただ、最後の展開でちょっとだけ「う~ん」と思うところもあります。僕的には、ポン・ジュノ監督作に限らず韓国映画に出てくる警察は無能というイメージがあるんですが、この映画の警察はさすがにどうかと思いました。ちなみに実は僕、元警官なんですけど、あそこまで証人と状況証拠が揃っていたら、日本の警察でも被害者の少女に関する聞き込みとかさらに目撃者を探すとかはやらない可能性が高いとは思います。ただ、最後の放火殺人に関しては火元の特定は絶対にやるので、死体があんな状況なら放火殺人として捜査がおこなわれているハズなんですよね。だから終盤、警察があの現場を調べているシーンとかもちょっと入れた方が良かったんじゃないかなと思ったり…。ただ、AV女優・桃井望さんの焼死事件みたいにズサンな捜査も平気でおこなわれているワケで、一概には言えないかもしれませんが。

人によっては好きになれない作品かもしれませんが、あの何とも言えない雰囲気は一見の価値アリだと思います。




大好きな映画。これでペ・ドゥナのファンになりました。
ほえる犬は噛まない [DVD]/ペ・ドゥナ,イ・ソンジェ

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この映画も面白い! 警察が無能なのも「昔だから仕方ない」って感じが良し。
殺人の追憶 [DVD]/ソン・ガンホ,キム・サンギョン,キム・レハ

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面白いけど、風俗業者の危機意識がなさすぎだし、警察も無能すぎ。ちなみにこれはポン・ジュノ監督作じゃないです。
チェイサー ディレクターズ・エディション【初回限定生産2枚組】 [DVD]/キム・ユンソク,ハ・ジョンウ,ソ・ヨンヒ

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サバイバル・フィールド(ネタバレ)

サバイバル・フィールド※映画の説明などを追記しました(12/8)

三角絞めでつかまえて-サバイバルフィールド

原題:PAINT BALL
2009/スペイン 上映時間90分
監督;ダニエル・ベンメイヤー
出演:ブレンダン・マッキー、ジェニファー・マター、パトリック・レジス、アイオン・ペレス、ニール・マスケル、アンナ・カサス、ピーター・ヴァイヴス、クローディア・バッソルズ
(あらすじ)
ゲームに参加するため、森に集まった見ず知らずの若者たち。それは「グリーン」「オレンジ」の2チームに分かれ、ペイント弾を当てて敵チームを倒す単なる“スポーツ”のはずだった。だが突然、「グリーン」チームの1人が何者かに実弾で撃たれ死亡。誰が、何のために殺したのか? 仲間さえ信じられなくなり、チーム全員が精神的に極限まで追い詰められる。その間に、味方もそして敵さえも次々死んでいく…。本当の敵は一体どこにいるのか!? 命を賭けた死のゲームがクライマックスを迎えた!!(以上、公式サイトより)


35点


映画館に行くと、ほぼ確実に予告編を見ることになりますよね。シアターN渋谷では10月あたりから「実験室KR-13」と、この「サバイバル・フィールド」の予告編がバンバン流されてまして。最初はそんなに興味がなかったんですが、予告を見るたびに何だか気になるようになってしまって(もしかして…恋?)、「実験室KR-13」に続いて、「サバイバル・フィールド」もつい観てしまったワケです。

感想を率直に書くと、僕はイマイチでした。ストーリーは「高い金を払ってペイントボール(ペイント弾を打ち合うサバイバルゲーム=通称サバゲーのこと)をやっていたら、実弾が飛んできて仲間が死んだ! どうしよう!」って感じ。そうなると、「誰が、何のために?」というのが気になるところですが、オチは「金持ちが“ハンター”(腕利きの元軍人)を使って、安全な場所から参加者たちが死ぬ様子を楽しんで見るために主催していた」ってことでした…。ふ~ん。

「金持ちが殺人を楽しむ映画」といえば「ホステル」がありますが、拉致されて殺されるのは旅の行き先を決めてないような若者ばかりなワケで、まだ都市伝説的な説得力があったと思うんですよ。でも、「サバイバル・フィールド」では、それなりの金を持った人たち(社会的地位もそれなりにはありそう)が、趣味としてわざわざこの場所まで参加しに来ているワケでして。行方不明になったら確実に「サバイバルゲームに参加したあといなくなった」って大騒ぎになると思うんですよね。あと、参加者全員の死亡診断書みたいなのがすでに作られていたりするんですが、死因の記述が「溺死」になっている割には全然違う死に方をしてたりとか、「それで問題なく処理できるの?」という疑問が普通に浮かんだり。

展開も「どうなんだろうな~」って思うところが多かったです。いきなり本当の殺し合いが始まったらパニックになるのは当たり前なんですが、それにしてももうちょっと頭を使ってほしいというか。参加者たちがやたらギャーギャーわめく様子は観ていてかなりイライラしました。参加者の誰にも感情移入できないってのはどうかと思います。「地雷を使ってゆっくり殺せ」みたいな指示をハンターが無視して「ハンターが暴走した!」と騒ぐシーンも、そもそもハンターがなぜ命令を無視したのかよく分からないし(「プライドが~」みたいな説明があるけど、全然説得力がない)、「はぁ?」って感じでした。

まぁ、面白いところがなかったワケじゃないんですよ。序盤のサバイバルゲーム描写は自分もやってみたくなるほどカッコ良かった! 僕はやったことないんですが、結構、本格的なんですね~。ペイント弾といえど、当たるとアザができるほどの威力があるそうで、劇中でもなかなかの迫力がありました。参加者の1人が才能を開花させて利己的になっていく過程もそれなりに面白かったです(ただ、意味ありげに引っ張った割にはアッサリ殺されちゃってガッカリ)。参加者が殺されていくのをハンター目線で観られるのも良い感じでした(ハンターは常に熱探知カメラをつけていて、ちょっと「プレデター」っぽい)。「相手チームの生存者と言葉が通じない」という設定も、「主催者が意志の疎通をさせず疑心暗鬼にさせるために、あえてそういうチーム分けをしたのか?」なんて深読みしたり。金持ちたちのステレオタイプな描写(マジックミラー越しに影になっている)も嫌いじゃないです。唯一生き残った女性キャラクターが、無線を手に入れたことで「ハンターを倒す」という目的でとりあえず金持ち側と結託し、武器を作るためにフィールド上に点在する部品を集めていく過程もテンポが良くて、僕的にはちょっと盛り上がりました(ただ、結局、武器が使えなくてガッカリ)。

ラストは、女性キャラクターがなんとかハンターを倒し、金持ち側から「このことを他言しないなら帰って良し。車も用意してある」と言われるものの、危険を察知して、走って逃げているところを後ろからカメラが追いかけて、女性が振り返って叫んでおしまい。低予算のスペイン映画ということで、この手のB級映画にいちいちツッコんでも仕方ないのかもしれませんが、逆にもうちょっと頑張ればかなり良い作品になった気がするので、ちょっと残念でした。サバゲー好きならもっと評価は高いのかなぁ。本当に興味がある人以外は観なくても良い映画だと思います。

ちなみに、この映画の予告編では「相手チームが実弾を撃ってきたワケじゃない=相手チームも被害者」というネタバレがされていて、当然ながら僕もそれを知っていた状態で観たワケですが、知らなかったらその後の展開がさらに意外に思えて、より楽しめたような気がするんですが、どうでしょうかね。

その予告↓






金持ちが殺人を楽しむ映画といえば「ホステル」ですよね。アキレス腱を切られるシーンは本当に痛そう…。
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金持ちが人間狩りを楽しむ映画は腐るほどありますが、ヴァン・ダム主演&ジョン・ウー監督のハリウッド初監督作なんていかがでしょうか?
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