ムルゲ 王朝の怪物(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ムルゲ 王朝の怪物(ネタバレ)

ムルゲ 王朝の怪物

 


原題:물괴(英題:Monstrum)
2018/韓国 上映時間105分

監督・脚本:ホ・ジョンホ
撮影:キム・ドンヨン
編集:シン・ミンギョン
音楽:モグ

出演:キム・ミョンミン、チェ・ウシク、イ・ヘリ、キム・イングォン、パク・ソンウン、パク・ヒスン、イ・ギョンヨン

パンフレット:★★★(600円/地畑寧子さんのイントロダクション、鷲巣義明さんのコラムが良かったです)

(あらすじ)
朝鮮・中宗22年(1527年)、宮廷の背後にそびえる仁王山(イナンサン)に疫病をもたらす「物怪(ムルゲ)」が現れるという噂が流れ、民衆の間に恐怖と混乱が広がる。それに乗じて王座を狙う陰謀が計画されていることを知った中宗王は、民衆の不安と朝廷の危機を一掃するため、かつて政争により朝廷から追放された最強の武人ユン・ギョムを呼び戻す。ユン・ギョムは仲間とともに物怪(ムルゲ)の住む仁王山に向かうが……。(以上、映画.comより)


予告編はこんな感じ↓

 

 


70点


※今回の記事は「EXIT イグジット」のネタバレに触れているんですが、「EXIT イグジット」は非常に面白い映画なので、観てから読んで!


そりゃあモンスター映画の傑作「グエムル 漢江の怪物」が大好きなので、「韓国産時代劇×モンスター映画」といったムードの本作は、非常に気になっちゃったので前売り券を購入。3月13日の公開をそれなりに楽しみにしていたんですが、他の作品を優先しているうちに新型コロナウイルスだなんだの影響もあって、いつの間にか都内の上映が終了してましてね…(下唇を噛みながら)。確か「人間の時間」を観に行った時、パンフレットだけは買っておいたものの、公式サイトをチェックしても上映予定は更新されていなくて…。「また前売り券を無駄にしちゃったな… (ノω・、) クヤシイ」と枕を涙で濡らす日々が続いていたのです。

 

 

前売り特典は「ポストカード」でした。

 

パンフレットは買っていたのに…。先にパンフを買ってたのに観られなかったのは、韓国映画「7号室」以来。

 

公式サイトの劇場情報はこんな感じでずっと更新されていなかったのです。

 

 

そんなワケで「せっかく買った前売り券を無駄にした」という十字架を背負いながら、つまらない日々を何の目的もなく過ごしていたのですが…。なんと6月28日(日)、Twitterで相互フォローをしている鈴木ピクさんが「『ムルゲ 王朝の怪物』面白かった!」というツイートを投下していたから、「上映しているのか!Σ(゚д゚;)」と。ササッと検索してみれば、イオンシネマ 港北ニュータウン7月2日(木)まで公開中…ということで! 実家に帰った翌日の7月2日(木)、黄金町で「精神0」を観てからセンター北に移動して、映画館が入っているノースポート・モールのいきなりステーキ450gのワイルドステーキを摂取してから前売り券を入場券に変えまして。モール内のスタバにてノマド気取りで仕事をしてから「ランボー ラスト・ブラッド」の吹替版を鑑賞後、ハシゴいたしました。「い〜いじゃないですか (´∀`) タノシー」と満足いたしました。

 

 

センター北に来てからのgif。10番スクリーン、僕を含めて観客は4人でした。

 

僕の気持ちを代弁する本部以蔵を貼っておきますね(「刃牙道」より)。

 


「ムルゲ」とは、銀座の老舗カレー店「ナイルレストラン」の人気メニューのこと…って、それはムルギーだった!Σ(゚д゚;) マチガエタ! まぁ、「ムルゲ」とは「物の怪」的な意味であり、なんか「朝鮮王朝実録」という歴史書に「中宗の治世中、物怪のせいで宮中がパニックに陥って、王が居城を退去した」という一節があったので、ホ・ジョンホ監督はそれをベースに「王を失脚させるために部下が怪物騒動を作り出した→と思ったら、本当に怪物がいて困りました (・ε・) ウーン」という物語を作り上げた…ってな調子。史実×陰謀劇×伝奇ロマンというドラマが実に面白かったんですが、これ、実際に韓国の歴史に詳しい人が観たら、もっと楽しめるんだろうなぁとも思ったりしましたよ。

 

 

実際の歴史をベースに怪物騒動を描く…というだけで胸がときめきますな (〃∇〃) ウフフ

 

陰謀かと思いきや、ムルゲは実在して人間を殺しまくるというね。

 

 

で、その陰謀と怪異に立ち向かうのが、“朝廷から追放された朝鮮最強の武人”ユン・ギョム(キム・ミョンミン)、“幼い頃、ユンに助けられた娘”ミョン(イ・ヘリ)、“ユンの部下”ソン・ハン(キム・イングォン )、“ミョンと恋仲になる”ホ宣伝官(チェ・ウシク)の4人なんですが、絶妙なボンクラムードが漂っていて、ちょっと「グエムル」を連想してホッコリしたというね (´∀`) アラアラ その他、パク・ヒスン演じる中宗王を失脚させようとする領議政をイ・ギョンヨンが偉そうなオーラ全開で憎々しく演じているのも良かったし、その部下のジン隊長がこれまた悪役が多いパク・ソンウンなのもうれしかったし、キャストに関しては文句ナシじゃないでしょうか(序盤で殺される巫女役の女性も良く観る顔だったような)。

 

 

凛々しいムードの4人ですが、ノホホンとしたコメディシーンも多いのです。宦官に急所蹴りするシーンはちょっと笑った。

 

 

一応、「パラサイト 半地下の家族」で株を上げたチェ・ウシクの登場シーンを貼っておきますね。

 

 

 

そりゃあ「ムルゲが誕生した原因を知っている便利な物知り爺さん」が登場して何でもかんでも説明してくれたり(もともとは“先代の王”燕山君が飼っていた珍獣「チョロン(“輝く目”という意味)」が疫病で死んだ人の死体を食べて怪物化した→「ムルゲを生み出したのは人間なのです ( ´_ゝ`)」的な感じ)、ミョンが「みんな、こいつのせいよ!m9`Д´し ビシッ」とか言い出したら暴徒と化しているハズの民衆が「オレたちを苦しめたのはこいつか!ヽ(`Д´)ノ」とスムースに信じて乗ってくれたり、「ホ広報官がミョンの矢を避ける」という展開をやるためにジン隊長が終盤まで生かされてた感がムンムンだったりと、どうかと思うところもなくはないんですけれども。

 

陰謀のために領議政の部下たちが山狩り中の民を殺しまくるシーンが胸糞だった(誉め言葉)のはもちろんのこと、ユン・ギョムたちが戦闘力を全開にする展開はグッときたし、何よりも実際に現れたムルゲが大量殺戮を繰り広げるシーンが最高でね…(しみじみ)。まさに「人間がゴミのよう」であり、ハッキリ言って、本作はムルゲの大暴れだけでも観る価値があるんじゃないでしょうか。一応、オチを書いておくと、諸悪の根源だった領議政はしっかりムルゲに殺されて、そのムルゲをヨン・ギョムが自己犠牲で爆殺。ところが、ヨン・ギョムは滑車などを使って助かってて、ソン・ハンと一緒に山に帰る姿をミョンとホ宣伝官に見送られて、めでたしめでたし…って感じで終わってましたよ(ちなみに「死んだと思われてた人が助かった手段を映画の最後に流す」というのは「EXIT イグジット」をスゲー連想したんですが、この手法はあまり好きじゃないかも)。

 

 

最後は、チョロンが誕生した「調隼房」(これも実在したそうな)に誘い込んで爆殺してましたよ。

 

 

まぁ、正直なところ、もう少しゴア描写を見せてほしかった気持ちはあるし(切断された四肢などは映るけど、ムルゲの攻撃でもっと人体が四散したりしてほしかった)、何よりもムルゲのビジュアルに意外性がなかったのが残念ではあって。いや、「可愛い珍獣が人間のせいで…」という話だから仕方ないんですけど、なんて言うんですかね、確かに“迫力のある怪物”ではあるけど「グエムル」のような「おぞましさ」がないというか。どことなく猫っぽいから、「君の名前は?(ΦεΦ)」「オレの名前は…いっぱいあってな ( ΦΔΦ)」「『イッパイアッテナ』なんて変な名前!(Φ∀Φ)」なんてハートウォームストーリーが始まりそうに見えた…ってのはどうでも良いですな。何はともあれ、「剣劇アクション×モンスターパニック」として基本的には満足いたしました (´∀`) タノシー もう少ししたらDVDがリリースされるのでね、モンスター映画が好きな方はぜひ観てみてくださいな。そして、Twitterをやってて本当に良かったというか、本作の感想をツイートしてくれた鈴木ピクさん、ありがとうございました!ヘ(゚∀゚*)ノ オシマイ

 

 

 

 

DVDは8月19日に発売予定です。

 

 

ホ・ジョンホ監督の前作。それなりに面白そうですな。

 

 

韓国産モンスター映画といえばやっぱりこのポン・ジュノ監督作ですよね。大好きです。