1917 命をかけた伝令(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

1917 命をかけた伝令(ネタバレ)

1917 命をかけた伝令※ムービーウォッチメンのリンクなどを追記しました(3/13)



原題:1917
2019/イギリス、アメリカ 上映時間119分
監督・製作・脚本:サム・メンデス
製作:ピッパ・ハリス、ジェイン=アン・テングレン、カラム・マクドゥガル、ブライアン・オリバー
脚本:クリスティ・ウィルソン=ケアンズ
撮影:ロジャー・ディーキンス
美術:デニス・ガスナー
衣装:ジャクリーン・デュラン、デビッド・クロスマン
編集:リー・スミス
音楽:トーマス・ニューマン
出演:ジョージ・マッケイ、ディーン=チャールズ・チャップマン、マーク・ストロング、アンドリュー・スコット、クレア・デュバーク、リチャード・マッデン、コリン・ファース、ベネディクト・カンバーバッチ
パンフレット:★★★☆(820円/ちゃんと当時についての記事があって、それなりに映画の補完になる一冊)
(あらすじ)
1917年4月、フランスの西部戦線では防衛線を挟んでドイツ軍と連合国軍のにらみ合いが続き、消耗戦を繰り返していた。そんな中、若きイギリス兵のスコフィールドとブレイクは、撤退したドイツ軍を追撃中のマッケンジー大佐の部隊に重要なメッセージを届ける任務を与えられる。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※本作については、尊敬する映画評論家の町山智浩さんの「映画ムダ話」(220円)がオススメでございます。

劇場で予告編を観たらスゲー面白そうだったので、観る気マンマンでしてね(微笑)。同じ戦場を扱った「彼らは生きていた」を鑑賞して予習もバッチリ&ちょうど愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題作品になったということで! 3月2日(月)、TOHOシネマズ日比谷で鑑賞いたしました。「ナイス、地獄巡り!m9`Д´) ビシッ」と思ったり。


11番スクリーン、1/4ぐらい埋まってたような。


新型コロナウイルスのせいで映画館も大変そうなので、飲食物を購入いたしました。



最初にお話を雑に書いておくと、舞台は1917年4月6日(金)、フランスの西部戦線という第一次世界大戦の真っ只中でして。若きイギリス兵のスコフィールドとブレイクの2人は「マッケンジー大佐率いるデヴォンシャー連隊第二大隊(約1600人)がドイツ軍の罠に引っ掛かったら全滅しちゃうので、攻撃中止の手紙を届けるんだYO!m9`Д´) ビシッ」との命を受け、無人地帯を駆け抜ける…ってな内容ですよ。で、ドイツ兵を助けてみたらブレイクが殺されたり、ドイツ軍占領下の町で若い女性&赤子を助けてみたり、ドイツ兵に追われて川に飛び込んでみたら滝に落ちたりといろいろあった挙げ句、デヴォンシャー連隊第二大隊に追いつくと手紙を渡す→攻撃は中止 (ノω・、) ヨカッタ... スコフィールドはブレイクの兄に「ブレイクの最後の様子」などを伝えると、木に寄りかかって座りながら、妻子の写真を眺めるのでしたーー。


ジョージ・マッケイ演じるスコフィールドが、いろいろと酷い目に遭いながらも手紙を届けてましたよ。



多くの人が感じたと思いますが(汗)、「地獄巡りライド映画」として楽しかったです。町山さんも指摘されてたように、そりゃあ「たまたま2人のところに敵機が墜落してくる展開」には、僕も「そんなことあるか!( ゚д゚)」と思ったんですが、しかし。1日ぐらいの出来事を“ワンカット風”映像で119分に圧縮して描いたり、「木に寄りかかって座っている主人公」をオープニングとエンディングで対にしていたりと、本作は「リアルな戦争アクション」というよりは「若者の地獄巡り成長ストーリー」的な要素が強いから、「走れメロス」とか「関羽千里行」といった寓話的な英雄譚としてアリなんじゃないかと。“ワンカット風”だとしてもシームレスにつながれた映像の数々は見事だったし、意外とリアルな死体を映したりするあたりも好感が持てたし、事前情報をあまり入れてなかったのでイギリスの有名俳優が次々と出てきたのもうれしかったし…。何よりもグッときたのがクライマックス、塹壕を出てダッシュするシーンで(予告編の最後に流れるやつ)、「こんな激しいシーン、よく長回しで撮ったなぁ!(゚д゚;)」と感心いたしました。あのシーンを大画面&良い音響設備で観るだけでも、劇場に行く価値はあると思いましたよ。


コリン・ファース、マーク・ストロング、ベネディクト・カンバーバッチと、イギリスの有名俳優が次々と出てくるのです。


白眉はこのダッシュシーン! スゴかったです(小並感溢れる一文)。



一応、公式のメイキング動画を貼っておきますね↓ 本作を観た人は必見!




まぁ、ワンカット映画とかワンカット風映画とかリアルタイム映画などでたまに感じちゃうことなんですが、本作も「わずかな時間で次々と事件が起きる(ように見える)」から、その分、逆にリアルに感じられなくて没入できなかったりもした…ってのは置いとくとして。我ながら失敗したと思ったのが、先に「彼らは生きていた」を観てしまったこと。実際の「1917年ごろの西部戦線」では、こんな奇跡は起きなかった…どころか、大量の兵士たちが死にまくっていた事実を“スゲー良く出来たドキュメンタリー”で目の当たりにしちゃってた分、最後の「とりあえずの『めでたしめでたし』ムード」がスムースに飲み込めなかったというか。映画での歴史改変が良くないとは思いませんけど(フィクションなんだし)、大量に“無駄な死”を生み出した戦争をフィクションで“ちょっとイイ話”にしちゃうことに抵抗を感じた…って、伝わりますかね。ううむ、これって本作→「彼らは生きていた」の順番で観ていたら感想が違っていた気がするので、失敗したなぁと (´・ω・`) ウーン 何にせよ、良い感じの死体は映りまくってはいたものの、もっともっと「凄惨な戦場」を描いた方が良かったというか、それが死んだ兵士たちに対する本当の供養とは言えまいかーー。


ごめんなさい、この徳川光成を貼りたいだけでした(「刃牙道」より)



そんなワケで、ワケの分からぬことをダラッと書いちゃいましたが、さすがは「サム・メンデス監督×ロジャー・ディーキンス撮影監督作」というか、エキサイティングな地獄巡りムービーでしたヨ (°∀°)b ヨカッタ! 興味のある人はぜひ大画面&優れた音響設備のある環境=映画館で観てほしいし、観た人は町山智浩さんの「映画ムダ話」(220円)「彼らは生きていた」もチェックしていただければと思います。おしまい。

宇多丸師匠による見事な時評がアップされているので、ぜひ読んで! 「『まるで119分のような丸1日』を感じさせる。観客の脳内に残る夢、記憶としての映画」というのは素晴らしい指摘じゃないでしょうか。




デジタル盤のサントラ。輸入CD盤アナログ盤もあります。



同じ戦場を描いたピーター・ジャクソン監督のドキュメンタリー。僕の感想はこんな感じ。



本当に全編をワンカットで撮った映画。僕の感想はこんな感じ。



全編ワンカット風映画ではこれが好き。僕の感想はこんな感じ。



町山智浩さんが元ネタの一つと指摘されていたメル・ギブソン主演作。ちょっと観たい。