ザ・バウンサー(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ザ・バウンサー(ネタバレ)

ザ・バウンサー



原題:Lukas/The Bouncer
2018/フランス、ベルギー、イギリス領バージン諸島 上映時間87分
監督・製作・脚本:ジュリアン・ルクレール
製作:ジュリアン・マドン、ジェレミー・グエズ
脚本:ジェレミー・グエズ
撮影:ロブレヒト・ハイファールト
出演:ジャン=クロード・バン・ダム、スベバ・アルビティ、サミ・ブアジラ、サム・ルーウィック、ケビン・ヤンセンス、カーリス、アリス・ヴァーセット
パンフレット:なし
(あらすじ)
南アフリカで要人警護をしていたルカス(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)は事故によって妻を失い、娘(アリス・ヴァーセット )と故郷のベルギーへ帰ってくるが、今度は職務中の暴力事件により職を失う。ストリップクラブの用心棒として働くことになったルカスだが、暴力事件の相手が政府高官の息子だったため、警察に弱みを握られてしまう。そんなルカスに、警察は紙幣偽造に手を染めるストリップクラブのオーナー、ヤン(サム・ルーウィック)の動向を探るよう秘密裏に指示を与える。一方、用心棒以外の汚い仕事もこなすルカスは、次第にヤンからの信用を得ていった。そんなある日、娘のサラが犯罪組織によって人質に取られてしまう。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




90点


僕はジャン=クロード・ヴァン・ダムという俳優のファンでして。基本的に彼の出演作が劇場公開された時は必ず観に行く主義ではあるんですけれども。「WECワールド・エクストリーム・シネマ2019」の1本として上映される本作は、海外のポスターのビジュアルがカッコ良いわ、キャラ設定が良い感じだわ、予告編も悪くないわと、好きな要素が多めだったので、先走って海外版ブルーレイ(日本語字幕なし)を購入するほどに期待してましてね(微笑)。ヒューマントラストシネマ渋谷にて、公開初日の10月25日(金)に1回観てから、10月31日(木)に2回目を鑑賞。さらに12月4日に出たDVDを吹替版で1回、字幕版で1回観てみました。とても…渋かったです… (´Д`;) ハァハァ


1回目は、職場からタクシーを飛ばしてB'z気分で劇場へ。


10分遅れぐらいで着きました。端の席をとっていて良かった…。


2回目はハロウィン当日。ヴァン・ダムファンがケチだと思われたらシャクなので、飲食物を1800円分購入いたしました。


購入したソフト。右の輸入盤Blu-rayのビジュアルの方がカッコイイと思うんだよな〜 (・ε・) プー



まず、劇中の時系列を無視したあらすじを雑に書いておくと、ジャン=クロード・ヴァン・ダムが演じるのは、娘のサラ(アリス・ヴァーセット)と2人で暮らすシングルファーザーのルカス。「昔は南アフリカで要人警護をしていた→妻が車泥棒に殺される→自己流で報復してしまう」という“殺る時は殺るタイプ”の男でしてね。故郷のベルギーに戻ってきて、クラブの用心棒(バウンサー)として働いていたところ、面倒くさい酔っ払い(お偉いさんの息子)を適当にあしらったら暴行事件として訴えてきて、職を失ってしまって。仕方なく「素手で多人数と戦って勝ち残った奴を雇う」という蠱毒っぽい雇用システムのストリップクラブに雇われてみれば、そこのオーナーのヤン(サム・ルーウィック)に気に入られて娘を人質にとられる→紙幣偽造の仕事を手伝うことになるわ、マキシム刑事(サミ・ブアジラ)に「暴行事件の揉み消し&南アフリカの事件」といった弱みを握られてヤンの情報を流すことになるわと、なかなか世知辛いことになっていくのです。


用心棒として生計を立てながら娘と暮らすルカスですが、職を失いまして。


斬新な雇用システムのストリップクラブに雇われたものの、情報を警察に流すことになるからゲンナリですよ ('A`) イヤーン


逆らえないので、サンドバッグを殴ってストレスを解消するルカスなのでした〜(「きょうのわんこ」風に)。



ルカスは、紙幣偽造職人リサ(サミ・ブアジラ)の面倒をみたりと、ヤンからの仕事を着実にこなして信用を積み上げていくものの、警察にバンバン情報を流しているため、組織の壊滅は秒読み状態。で、とうとう絶賛偽造中の工場に警察が乗り込んできて、ルカスは裏切りを知ったヤンに撃たれてしまった…だけでなく。なんとマキシム刑事 with 刑事軍団は無抵抗のヤンとリサをアッサリ射殺。警察は「取り締まるため」ではなく、ニセ札を自分たちのものにするためにルカスを利用していたのです。実はまだギリギリ生きていたルカスは、当然ながら怒って、刑事全員を地味に殺害。半死半生ながら車に乗り込んで、娘のもとに帰るためにエンジンをかけるのでしたーー。


撃たれてダウンしたルカスでしたが、ここから皆殺ししてましたよ (°∀°)b ヤッタネ!



同じ上映回を観ていた映画仲間のヴァン・ダムさん(26歳・男性)によると、隣りで観ていた男性客が帰り際に「思ってたのと違う… (´・ω・`)」と寂しそうにつぶやいていたそうですが、その気持ちはわからないでもない。なんて言うんですかね、よく言えば「あるいは裏切りという名の犬」とか「やがて復讐という名の雨」といった近年のフレンチ・ノワール的な味わいの作品であり、悪く言うとスゲー地味でして。いわゆる「スーパーヴァンダミングアクション!ヘ(゚∀゚*)ノ」的なヴァン・ダムを期待していると肩透かしを食うし、そこで失望してしまう人を僕は責める気にはなれないな(唐突なタメ口)。


やっぱりヴァン・ダムといえば木曜洋画劇場風味を連想しますわな ( ´_ゝ`) シカタナシ




ただ、単に地味なワケではないのです。リアルな犯罪描写に、ワンカット撮影を多用した臨場感溢れるアクション演出、そして脇を固める役者さんたちもちゃんと存在感があって、近年のヴァン・ダム映画のような「安さっぽさがない」印象。そりゃあ僕もド派手なアクションを連発してもらった方が好みではありますが(汗)、本作にはそれを補って余りある良質なノワール映画を観たような満足感があったのです。ジュリアン・ルクレール監督は「フランス特殊部隊GIGN エールフランス8969便ハイジャック事件」などで知られた人ですが、大したもんだなぁと思ったり(偉そうに)。


例えば、ヤン役のサム・ルーウィックとか、普通にスゲー良い役者さんでしたな。



そして、ヴァン・ダムの演技は素晴らしかった。加齢とともに顔に刻まれた“しわ”も渋みとしてプラスになっていて、過去に罪を犯して逃げてきたルカスというキャラに深みを与えていて、「ヴァン・ダムって良い役者さんなんだな (゚⊿゚)」とあらためて感心いたしました。ほぼノースタント(たぶん)でこなすアクションもカッコ良かったし、マキシム刑事を倒す時の蹴りのヴァン・ダムっぽさもグッときたし、前述したように「スーパーヴァンダミングアクション」的な内容ではないものの、「それでいい」というか。僕はとても楽しかったです (´∀`=) ヨカッタワー


僕の気持ちを代弁する範馬勇次郎を貼っておきますね(「範馬刃牙」より)。



2回目鑑賞の時、劇場でいろいろな人に話しかけていただいて、「80点ぐらいですかね〜 (´∀`)」なんて言っていたんですけど、何度か観ているうちに、もっとずっと好きになったので90点という着地。正直、もっとアクションが観たかったという気持ちはなくもないんですが(汗)、とにかく渋くてカッコ良いヴァン・ダムが観られるのでね、みなさん、ぜひレンタルとか配信とかでチェックしていただけるとありがたいです。おしまい!ヽ(`Д´)ノ




すでにDVDがリリース中&配信も始まっているので、みんな観てね!(o^-')b オネガイ!



ジュリアン・ルクレール監督作。なかなか面白かったです。