蜜蜂と遠雷(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

蜜蜂と遠雷(ネタバレ)

蜜蜂と遠雷



2019/日本 上映時間119分
監督・脚本:石川慶
原作:恩田陸
製作:市川南
エグゼクティブプロデューサー:山内章弘
プロデューサー:佐藤善宏、石黒裕亮、加倉井誠人
ラインプロデューサー:大西洋志
プロダクション統括:佐藤毅
撮影監督:ピオトル・ニエミイスキ
照明:宗賢次郎
録音:久連石由文
美術:我妻弘之
装飾:篠田公史
スタイリスト:高橋さやか
ヘアメイク:酒井夢月
スクリプター:藤島理恵
VFXスーパーバイザー:廣田隼也
編集:太田義則
音響効果:柴崎憲治
劇中音楽:篠田大介
音楽プロデューサー:杉田寿宏
「春と修羅」作曲:藤倉大
ピアノ演奏:河村尚子、福間洸太朗、金子三勇士、藤田真央
オーケストラ演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
助監督:川口浩史
製作担当:相良晶
出演:松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士、臼田あさ美、ブルゾンちえみ、福島リラ、眞島秀和、片桐はいり、光石研、平田満、アンジェイ・ヒラ、斉藤由貴、鹿賀丈史
パンフレット:★★★☆(820円/関係者インタビューが充実! 用語&楽曲解説も良いですな)
(あらすじ)
ピアノの天才たちが集う芳ヶ江国際ピアノコンクールの予選会に参加する若き4人のピアニストたち。母の死をきっかけにピアノが弾けなくなったかつての天才少女・栄伝亜夜(松岡茉優)は、7年の時を経て再びコンクールへの出場を決意する。音大出身だが現在は楽器店で働くコンクール年齢制限ギリギリの高島明石(松坂桃李)は、家族の応援を背に最後の挑戦に臨む。名門ジュリアード音楽院在籍中で完璧な演奏技術と感性を併せ持つマサル・C・レビ=アナトール(森崎ウィン)は、優勝候補として注目されている。そして、パリで行われたオーディションに突如現れた謎の少年・風間塵(鈴鹿央士)は、先ごろ亡くなった世界最高峰のピアニストからの「推薦状」を持っており、そのすさまじい演奏で見る者すべてを圧倒していく。熱い戦いの中で互いに刺激しあい、それぞれ葛藤しながらも成長していく4人だったが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


ベストセラーになった恩田陸先生の原作小説は未読だし、基本的には「ジャン=クロード・ヴァン・ダムが娘を助けるために景気よく暴力を振るう映画」などを好む僕ですから(苦笑)、こんな「ピアノコンクールであーあこーだ」的な作品なんて1ミリも観る気が起きなかったんですけれども。愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の今週の課題作品になったということで、10月10日(木)、「付き合いだしな (゚⊿゚) チッ」と新宿ピカデリーに足を運んできました。「この内容を、格闘技で!m9`Д´) ビシッ」と思ったり。


6番スクリーン、ほぼ年配の方で7割は埋まってた&寅さんの予告でスゲー湧いてました。



「グラップラー刃牙」をベースになんとなく「ウソ・大げさ・まぎらわしさ」を散りばめながらストーリーを雑に書いておくと、ピアノの天才が集う芳ヶ江国際ピアノコンクールの予選会が開催されることになりまして。「生活者の音楽を知らしめたい! 参加年齢ギリギリの楽器店勤務、高島明石だァ!!! (▽ー▽) ニヤッ」「ピアノはこの男が完成させた! ジュリアード音楽院の切り札、マサル・C・レビ=アナトールだ!!! ( ´_ゝ`) フフッ」「弾きたいからここまできた! キャリア一切不明!! 神様の推薦状を持つ男、風間塵だ!!! (゚∀゚) アヒャヒャ」「天才少女が帰ってきた! 俺たちは君を待っていた!! 栄伝亜夜の登場だーッ!!! (´・ω・`し ションボリ」といった剛の者どもが揃う中、二次予選で高島は「わたしまけましたわ」と敗退しつつも、みんなにポジティブな影響を与えたりしましてね。本戦では、マサルは落ち込んだりもしたものの完璧な演奏を達成し、風間は楽しくピアノを弾いて、その演奏のおかげで会場から逃げようとしていた栄伝がトラウマを払拭して見事な演奏を披露!Σ(°д°し クワッ テロップでマサルが1位、栄伝が2位、風間が3位になったことが示されると、風間が帽子を取って立ち去るっぽい映像が流れて終わってたような気がするね…(突然、他人事のように)。


この4人の天才が競い合う…というよりは高め合いまして。


最後、演奏するのが嫌だったハズの栄伝はこんな感じになっていたというね(「グラップラー刃牙」より)。



「蜜蜂と遠雷」というタイトルの由来は、劇中でマサルの師匠が「蜜蜂のように素早く動きながら、遠雷のように叩け!m9`Д´) ビシッ」と伝授する秘技のこと…というのは誰も得をしないウソだとして(不要なくだり)。いや〜、予想外に面白かったです!ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ! ちょっと連想したのが実写版「ちはやふる」で、ピアノコンクールやらクラシック音楽やらに1ミリも興味がない僕ごとき音楽初心者でも十分楽しめるようにしっかり考えて作られていることにスゲー感心いたしました。なんと本作に出てくる楽曲「春と修羅」は映画オリジナルの曲だそうで、そのクオリティの高さにもビックリしたし(「リズと青い鳥」を思い出した)、役者たちにもちょっと頑張って弾かせているのも驚いたし…(本格的な部分は有名なピアニストたちが弾いてましたが)。まぁ、僕はあまり観ないジャンルではありますけど、本作は音楽映画として結構スゴいんじゃないかしらん。

つーか、主演の4人がまた素晴らしくて。この映画って、鑑賞前に少し予想していた「お姉さん、弾くの下手だね (゚∀゚) アヒャヒャ」とか「生活者の音楽って、その程度ですか ( ´_ゝ`) ププッ」といった足の引っ張り合いみたいなことがなく、「各々がポジティブな影響を与え合い高め合う」というのがスゲー良いんですが、それを演じる4人がまた「本当に育ちが良さそう」というか、人間的な説得力があって。あれを演技でやっているとしたら、マジでスゲェなと思ったり (`Δ´;) ヌゥ あと、邦画によくある外国人俳優の安さがないのも良かったし、見届け人の平田満さんとクローク係の片桐はいりさんが密かにコミュニケーションを取っているのもホッコリして好きでしたね〜。その他、高島の子が「とてちてけんじゃー」と言いだした時は「そうか、カデンツァは松坂桃李さんの代表作『侍戦隊シンケンジャー』のOP曲から引用するつもりだな!(*゚∀゚)=3 ムッハー!」と興奮したりしたけど、全然そんなことなかったぜ (゚⊿゚) ソリャソーダ


なんとなく劇中の連弾シーンを貼っておきますね↓ 風間は“音楽の精”みたいで良かったです。




ということで、最後の演奏は「亜夜ちゃん良かったねぇ… (iДi) ウェェェェ」と泣きながら観たし、鹿賀丈史さん演じる指揮者の優しい微笑みには思わず勃起したし(心が)、非の打ちどころのないスゲー良く出来た音楽青春群像劇って感じだったんですけれども。正直、やっぱりピアノに興味がないので80点という信用できない評価基準。つーか、好きな方には申し訳ないんですけど(汗)、僕的にはぜひ題材を格闘技に変えて撮ってほしいというか。「7年前、タイトルマッチ直前に逃げ出した格闘家(空手ベース)」「現役引退を考えているサラリーマン格闘家(修斗でコツコツやってきたタイプ)」「元金メダリストで完璧な戦い方を自負する格闘家(柔道&柔術ベース)」「彗星のように現れた青年格闘家(打撃中心で“伝説の選手”の推薦状アリ)」といった4人が切磋琢磨する格闘アクションムービーを誰か作ってはくれないものか。以上、多くの人が心底「どうでもいいよ ( ゚д゚)、ペッ」と思いそうな文章を唐突に垂れ流して、この感想を終えたいと思います。おしまい。




恩田陸先生による原作本。スピンオフの短編小説もあります。



サントラCDですが、なんと8枚組!!!!!!!!Σ(゚д゚;) スゲェ! デジタル盤もあります。



石川慶監督の前作。重そうなので、あまり観る気がしないのです…。