洗骨(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

洗骨(ネタバレ)

洗骨



2018/日本 上映時間111分
監督・脚本:照屋年之
製作総指揮:白岩久弥
製作:藤原寛、小西啓介、宮崎伸夫、武富和彦
エグゼクティブプロデューサー:片岡秀介
プロデューサー:高畑正和、小西啓介
協力プロデューサー:飯田雅裕、具志堅毅
アシスタントプロデューサー:南陽
ラインプロデューサー:金森保
撮影:今井孝博
照明:鳥越博文
録音:横澤匡広
美術:木下沙和美
装飾:石上淳一
ヘアメイク:荒井ゆう子
編集:堀善介
音響効果:佐藤祐美
音楽:佐原一哉
主題歌:古謝美佐子
助監督:丸谷ちひろ
キャスティングディレクター:杉野剛
沖縄コーディネート:鳥越一枝
制作担当:刈屋真、柴野淳
出演:奥田瑛二、筒井道隆、水崎綾女、大島蓉子、坂本あきら、高安豊、山城智二、前原エリ、内間敢大、外間心絢、城間祐司、普久原明、福田加奈子、古謝美佐子、鈴木Q太郎、筒井真理子
パンフレット:★★★(700円/監督インタビューが興味深かったです。粟国島全島マップも良いと思う)
(あらすじ)
新城家の長男・剛が母・恵美子の「洗骨」のために故郷の粟国島に帰ってきた。母がいなくなった実家にひとりで暮らす父の信綱の生活は、妻の死をきっかけに荒れ果てていた。さらに、長女の優子も名古屋から帰ってくるが、優子の変化に家族一同驚きを隠せない。久しぶりに顔を合わせ、一見バラバラになったかにも思えた新城家の人びと。数日後には亡くなった恵美子の骨を洗う大事な洗骨の儀式が迫っていた。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


「芸人が撮った映画=つまらない」とは思っていませんが(北野武監督作だけでなく、「大日本人」「晴天の霹靂」も好きだし)、「ガレッジセールのゴリさんが本名の照屋年之名義で映画を撮った」と言われても、僕の小振りな胸は別にときめかないというか(不要な表現が混ざった文章)。ハッキリ言って、1ミリも興味が持てなかったんですけど、映画仲間のサイモンさんとか、観た人の評判が良い上に、2月15日放送のムービーウォッチメンのリスナーカプセルに選ばれましてね。今年もリスナーカプセルに入った作品を観ることにしているので、4月16日(火)、吉祥寺のココマルシアターにて、ココマルシアターデーを利用して1100円で鑑賞いたしました(その後、「夢の音」をハシゴ)。「確かに良い映画!m9`Д´) ビシッ」と思ったり。


確か10人以上は入ってた気がします。


ちなみに間違ってパンフを2冊買っちゃったというね… (ノω・、) アタシッテホントバカ



お話を驚くほど雑に書いておくと、舞台は沖縄の粟国島。4年前に妻を亡くした信綱は「死者を棺桶に入れて海辺の洞窟に入れる→そのまま放置して風葬に→4年後に棺桶から出して骨をきれいに洗う」という儀式「洗骨」をやることになっていたものの、すっかり酒浸りでしてね。東京で働く長男・剛はそんな不甲斐ない父に怒りをぶつけたり、名古屋にいた長女・優子は職場の店長の子どもを妊娠してシングルマザーになることを決意したりと、あーだこーだと揉めつつも、本音をぶつけ合うことで仲直り。最後はみんなで「洗骨」をする中、産気づいた優子が赤子を出産して、命は続いていくのでしたーー (´∀`) ウロオボエ


主題歌「童神」を歌う古謝美佐子さんのライブ映像を貼っておきますね↓




率直に書くと、とても良い映画だと思いました。「洗骨」なんてタイトルだから、シリアスムードの家族ドラマなのかと思ったら、コメディ要素も結構入ってましてね。新城家の親子を演じた奥田瑛二さんに筒井道隆さん、水崎綾女さんの演技が素晴らしかったのはもちろんのこと(特に水崎綾女さんが良かった!)、叔母の信子を演じた大島蓉子さんや、優子を追って島まで来た店長・神山役の鈴木Q太郎さんが実に良い味を出していて(風習を知らない観客へのガイド役も兼ねてる)、父親と長男が対立する場面の重さを軽減してくれるので、笑いながら観られちゃうのです。僕が一番感心したのは終盤の「洗骨」シーンで、リアルな人骨をしっかりと見せる姿勢は好感が持てたし(たぶん4年間も放置したらあんな感じだと思う)、知らなかった文化を見る面白さもあったし、良いクライマックスだなぁと感心しましたよ。


「洗骨」シーンを見た時の気持ちを代弁する範馬刃牙を貼っておきますね(「範馬刃牙」より)。



パンフの監督インタビューを読むと、2009年に劇場公開された初監督作「南の島のフリムン」がヒットしなくて、監督の話がこなくなったものの、自主製作で低予算の短篇映画を撮り続けていたそうで。で、2016年に撮った短編「born、bone、墓音。」が高い評価を受けたので、それをベースに本作を作ったそうなんですね。なんか、そうやって地道にコツコツと頑張ってきたのは偉いし、「洗骨」という題材を選んで「家族の再生」「生と死の円環」(ある意味、「サークル・オブ・ライフ」って感じ)を描いたのも上手いと思ったし、確かに本作を褒める人が多いのも頷けるというか。照屋年之監督、才能があるような気がしないでもなかったと思わないでもないです (・ε・) ドッチダヨ


「born、bone、墓音。」の予告編↓ こういった短編をYouTubeとかで無料配信すればいいのにね。




って、褒めまくっている割に70点なのは、今の僕的に「家族の再生」「生と死の円環」といったことにあまり興味が持てなかったから…という台無しな採点基準。つーか、遺骨と赤子を映すラストとか、さすがにあざとすぎなくないですか…なんて思ってしまうのは、ちくしょう、僕の心が汚れているからなんだぁぁぁぁっ!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン! 以上、唐突に情緒不安定気味な文章を書き残して、この感想を終えたいと思います。




ゴリ名義で撮った劇場用長編デビュー作。評判は良いみたい。



ゴリ名義の主演映画。あまり観る気はないカナー (´∀`;) エヘヘ



パンフで田中千世子監督が紹介されていた、今村昌平監督による「沖縄映画」。観ようかなぁ。



しまおまほさんの祖母の島尾ミホさんによる「洗骨」という小説が収録されているそうな。