天然★生活(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

天然★生活(ネタバレ)

天然★生活



2018/日本 上映時間96分
監督・脚本・製作:永山正史
脚本:鈴木由理子
製作:弥富圭一郎
撮影:神野誉晃
照明:中西克之
録音:山田晋
美術:福澤勝広
装飾・小道具:庄島毅、高橋光
衣装:齊藤あかね
メイク:馬場泰樹
特殊造形:百武朋
VFX:佐治英理人
音楽:Eriya Ishikawa
助監督:山下和徳
DIT:森脇由二
制作:板野達哉
デザイン:高橋ヨシキ、千葉健太郎
出演:川瀬陽太、津田寛治、谷川昭一朗、鶴忠博、三枝奈都紀、秋枝一愛、岡田亜矢、関口篤、はやしだみき、百元夏繪、才藤了介、諏訪瑞樹、木村知貴、満利江、湯舟すぴか、長尾卓磨
パンフレット:なし
(あらすじ)
のどかな田舎町で暮らす50歳の独身男性タカシ。夢も仕事も家もない彼は、認知症の叔父の介護を条件に本家に居候させてもらっていた。ある日、叔父が他界し、その息子ミツアキが故郷に帰ってくる。幼なじみのショウも交え再会を果たした3人の旧友たちは、叔父の釣り堀を営みながら楽しく暮らすように。しかし、田舎でのナチュラルライフに憧れる一家が東京から引っ越してきたことをきっかけに、彼らの平穏な日常は徐々に崩れ始めていく。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


ハッキリ言って、まったく興味がなかったんですけれども。今年の2月28日、新宿のケイズシネマ「おっさんのケーフェイ」を観に行ったら、「川瀬陽太まつり!」というスタンプラリーが開催されてましてね。「映画がスゲー良かった&上映後のトークショーの川瀬陽太さんもナイスガイだった」ということで、劇場で前売り券を購入。4月17日の最終上映週、仕事帰りにケイズシネマで鑑賞してきました。「面白かったけど納得できーん!ヽ(`Д´)ノ」と思ったり。


当日のgif。川瀬さんのブロマイドをもらっちゃいました♪ (〃∇〃) ウフフ



「近所(もしくは隣り)に引っ越してきた人(もしくは家族)に迷惑をかけられる映画」ってのは大量にあって(「引っ越したら、お隣さんが…」的なパターンもあるし)。そのトラブルの相手もまた殺し屋だったり、吸血鬼だったり、北朝鮮のスパイだったりと、いろいろあるワケですが、本作の場合は扶桑社の雑誌を連想させるタイトル通り、「ナチュラルなスローライフに憧れる家族」が”主人公の平和な日常”をハードに侵食してくるから面白い。まず、映画の前半は、地方都市を舞台に、タカシ(川瀬陽太)と従兄ミツアキ(谷川昭一朗)と幼なじみショウ(鶴忠博)の3人が慎ましいながらも楽しく暮らす様子を丁寧かつ愉快に描いていて、オッサンたちのアイドル映画的なムードすら漂っているんですが、しかし。


この3人のアイドル性が半端ではないのです… (´Д`;) ハァハァ



津田寛治さん率いる「意識の高いスローライフ家族」が、古民家でカフェを開くべく、居候しているタカシを追いだそうと画策してくるあたりは、サスペンス系ホラーっぽいテイストになってくるから、これまた面白い。「外来種だ!」と、タカシが飼っている亀が殺されるシーン(劇場で展示されてた作り物)でムカつくのはもちろんのこと、タカシが優しくしてあげた娘(秋枝一愛)が「性的暴行を受けた」とウソの告発をして、タカシが住む場所どころか友情まで失うくだりは、あまりの怒りに脳がコトコトと煮込まれてしまって、九九が言えなくなったほどですよ。そして、東京でホームレス暮らしを始めたタカシが大事なボンゴを破壊された時は、「こんなドン底まで落ちて、どうなるの!? Σ(゚д゚;)」と思ったんですけれども。タカシったら、ここから金色に輝き始めて超能力を発動するのだから、なにこの話 (´∀`=) ンモウ!


登場時から不穏なムードが漂うスローライフ家族。三枝奈都紀さん演じる母親も最悪でした(褒めてます)。


こいつらがタカシが住む古民家を狙って牙を剥きましてね。


心を許して、家に娘をあげてしまったタカシ。これが致命傷になるのでした… (ノω・、) クヤシイ



瞬間移動能力を身に付けたのか、スローライフ家族の元に行くと、ボンゴの音響攻撃で父親の頭部を破壊。光と音を自在に操る超人と化して終わるワケですが…。見知らぬカップルに灯りを点けてあげるシーンが「シャザム!」っぽくて、最終的にはヒーロー映画に着地したという印象。主演の川瀬陽太さんがオッサンなのにとにかくキュートだし、いわゆる"意識高い系”の「他者への不寛容さ」をコミカルかつ不気味に描いているのも好きだったし、川瀬陽太さんがボンゴで奏でる昭和歌謡の数々も良かったし、観ていてコロコロと映画のジャンルが変わっていくのもユニークだったし、「頭部が爆裂した父親の死体が鳥に食われている→お望み通りに自然に還った」的なラストも皮肉が利いているし、褒めるところだらけだったというね。


終盤、父親に報復するシーンは最高のひと言。津田寛治さんの怯える演技もイイ!


僕ったらすっかり内海旬三警視総監気分だったのでした(「刃牙道」より)。


ラスト、タカシはこれに近い能力を身につけてましたよ、確か(「シャザム!」より)。



だがしかし。どうしても飲み込めなかったのが、タカシの冤罪が晴れなかった…のはまだ仕方ないとしても、スローライフ家族の母親と娘が死なずに終わったこと。父親は亀を殺した罪が大きいんだろうし、「娘は未成年→すべて親の責任」ということでスルーしたのかもしれませんが、とは言え、もう「やって良いことと悪いこと」の区別はつく年齢なんだし、母子ともにキッチリ制裁されてほしかったです。ということで、全体的には大好きながらもこの部分だけがスゲー納得できなかったので70点という着地ですが、面白い作品なのは間違いないので、この手の映画が好きな人は機会があったら観てみてくださいな。




川瀬陽太さん主演×谷口恒平監督作。僕の感想はこんな感じ



隣りにブルース・ウィリスが引っ越してきた映画。それなりに愉快だった記憶。



隣りにヴァンパイアが引っ越してきた映画。僕の感想はこんな感じ



隣りに北朝鮮のスパイが引っ越してきた映画。僕の感想はこんな感じ



街に殺人犯たちが引っ越してきた映画。僕の感想はこんな感じ



引っ越したら隣りに狂人が住んでいた映画。僕の感想はこんな感じ