ザ・フォーリナー 復讐者(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ザ・フォーリナー 復讐者(ネタバレ)

ザ・フォーリナー 復讐者



原題:The Foreigner
2017/イギリス、中国、アメリカ 上映時間110分
監督:マーティン・キャンベル
製作:ジャッキー・チェン、ウェイン・マーク・ゴッドフリー、アーサー・サルキシアン、スコット・ランプキン、ジェイミー・マーシャル、キャシー・シュルマン
製作総指揮:デビッド・マルコーニ、フィリップ・バトン、ワン・チョンジュン、ドナルド・タン、ロバート・シモンズ、アダム・フォーゲルソン、オーレン・アビブ
原作:スティーブン・レザー
脚本:デビッド・マルコーニ
撮影:デビッド・タッターサル
美術:アレクサンダー・キャメロン
衣装:アレックス・ボーベアード
編集:アンジェラ・M・カタンザロ
音楽:クリフ・マルティネス
出演:ジャッキー・チェン、ピアース・ブロスナン、オーラ・ブラディ、レイ・フィアロン、チャーリー・マーフィ、スティーブン・ホーガン、ロリー・フレック・バーンズ、マイケル・マケルハットン、ケイティ・ルング
パンフレット:★★★(800円/コラム2本は読み応えあったけど、全体的に薄め。仕方ないとは思う)
(あらすじ)
元特殊部隊員のクァン・ノク・ミン(ジャッキー・チェン)は、現在はロンドンでレストランのオーナーとしてつつましく暮らしていた。ところがある日、高校生の愛娘が政治的な無差別テロに巻き込まれ、命を落としてしまう。静かな怒りに燃えるクァンは、犯人を探すうちに北アイルランドの副首相リーアム・ヘネシー(ピアース・ブロスナン)の存在にたどり着き、復讐を開始するが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※本作については、宇多丸師匠の時評を読めば十分じゃないかしらん。

当ブログ主は1972年生まれのオッサンということで、ジャッキー・チェンの直撃世代でしてね(微笑)。基本的には大好きな作品ばかりなんですけど…。ごめんなさい、僕には殺伐としたアグレッシ部なバイオレンス映画を好む面もあるので、ジャッキー特有の「温かくコミカルな雰囲気」に物足りなさを感じることも少なくなくて(もちろん「新宿インシデント」など“そうじゃない映画”も結構ありますがー)。例えば、ファンの評価が高い「奇蹟 ミラクル」はホッコリしたドラマ部分がスゲー苦手だし、戦闘シーンを観ていても「もうひとひねりで頸椎を破壊できたはず… (゚⊿゚)」などと不満を覚えることがあったのです。


僕の気持ちを代弁する範馬勇次郎を貼っておきますね(「グラップラー刃牙」より)。



そこでこの「ザ・フォーリナー 復讐者」ですよ。事前情報によれば「最愛の娘を爆破テロで奪われた元特殊工作員の男が過去に培った戦闘スキルでテロリストたちに復讐していく」なんて話だというから、「きたか」と。要は“信用できる映画ライター”ギンティ小林さんが命名したところの「舐めてたジャッキー、実は殺人マシン」ムービーということで、そりゃあ観る気ゲージは一気に満タンであり、2018年2019年「絶対観たい新作映画10本」に選出するほど期待しちゃったし、前売り券もちゃんと購入。封切り翌日の5月4日(土)、新宿ピカデリー「映画ドラえもん のび太の月面探査記」を観てから、同劇場でハシゴ鑑賞いたしました。「これを観たかったのだッ!(*゚∀゚)=3 ムッハー」と思ったり。


前売り特典は「特製インターナショナル リバーシブルカード」でした。


ジャッキーファンがケチだと思われたら心外なので、飲食物を大量購入。


スクリーン8、満員でした。スゴイね!


僕の気持ちを代弁する内海旬三警視総監を貼っておきますね(「刃牙道」より)。
これを見たかったのだッッ


実際に映画を観てみれば、ちょっとだけ「思ってたのと違う」感はあって。あらすじを雑に書いておくと、「愛娘を爆破テロで失った中華レストランのオーナー・クァン(ジャッキー・チェン)が実は元特殊部隊の工作員であり、そのスキルを活かして復讐しようとする」というのはその通りだったんですが、「1人ずつ追い詰めては血祭りに上げていく」という「96時間」テイストではなく。爆破犯の名前を知っている臭いがする元UDI(IRAっぽい組織)のメンバーだった副首相リアム(ピアース・ブロスナン)に「名前を教えろ ( ゚д゚)」と、脅迫の一環として、彼がいる周辺施設を爆破しまくるんですね(でも不殺)。


爆破テロで娘が殺されちゃいまして。


クァンはIRAっぽい組織を束ねる副首相リアムに粘着して、爆弾を仕掛けまくるのです。



で、リアムがクァンに部下を差し向けると、ことごとく返り討ちに遭いまして(ベトナム仕込みのブービートラップが炸裂しまくるも不殺)。「爆破テロを仕掛けたのは、IRAっぽい組織の過激派だった!」「リアムが浮気している女は過激派のスパイだった!」「そもそも爆破計画の首謀者はリアムだった(でも死者が出たのは過激派の暴走のせい)」「リアムの妻メアリー(オーラ・ブラディ)と弟ショーン(ロリー・フレック・バーンズ)が浮気をしてた!」といったことが明らかになる中、元SASのショーンが森に潜むクァンに挑むも、やっぱり返り討ちに遭って(でも不殺)。やっとクァンはテロリストたちの名前をゲットするのです。


リアムは腕利きの部下を総動員して事態の収拾を図るんですけれども。


クァンは殺人マシンだったころのスキルを駆使して無双状態という大好物な展開なのでした (´∀`) オイシー



イギリス警察が過激派のアジトを強襲しようとする寸前、クァンは「ガス漏れの点検にきました」的な擬態をして単身殴り込み→ほぼ皆殺しにしましてね(女テロリストだけ生き残るも、拷問を受けて空港での爆破テロ計画を告白すると、特殊部隊が射殺!m9・∀・) ザマァ!)。警察によって爆破テロが防がれると、リアムはすっかりイギリス政府に頭が上がらなくなった&クァンに過激派女性との浮気動画をネットにアップされてトホホ顔。クァンは警察に射殺されそうになるも「頑張ってくれたから (o^-')b ユルス!」と無罪放免となり、彼のことをずっと心配してくれていた女性従業員と抱き合うと、エンドクレジットに突入してましたよ、たぶん(うろ覚え)。


エンドクレジットではジャッキーが歌う主題歌が流れてましたな↓




感想を書くのがすっかり遅れてしまい、もう宇多丸師匠の見事な時評がアップされているので、ハッキリ言って、そちらを読んでいただければ十分だと思うんですけれども。一応、僕なりに感想を垂れ流すとすれば、本作はとにかくジャッキーの演技が素晴らしかった。リメイク版「ベストキッド」のような“痛みのある過去を抱えた人物”というだけでなく、白人が考えた“得体の知れないアジア人”(若干の蔑視も含む)を見事かつ不気味に体現してましてね…(しみじみ)。いつものアクションも殺人技術に早変わりであり、終盤に過激派のアジトで繰り広げる殺人マシン振りには、「これが観たかったのだ!(*゚∀゚)=3 ムッハー」と興奮しまくりでしたよ。


最後は敵のアジトに乗り込んで大暴れなのです。



とは言え、正直なところ、僕的に本作はお話がちょっと難しかったし(汗)、上記のあらすじの中でいちいち「でも不殺」なんて書いてしまったように、もっとド直球なバイオレンス映画が観たかった部分があって。なんて言うんですかね、もっともっとジャッキーがテロリストどもを1人1人冷淡かつ丁寧に殺していって、その事件を捜査する捜査官(ピアース・ブロスナン)が何とか止めようとするんだけど、ああん、またドンドン殺していっちゃう的な?(的な?) そんな気持ちを込めて「話しかけたかった」の替え歌(サビ部分)を書いてみました↓


川´・ω・`)
爆破して 殺してほしかった
ドン引きしたかった
良識派の振りして…
キレまくって 殺してほしかった
だけど観れなかった はねた首…



現時点で多くの方がこのブログをそっ閉じしただろうことからは目を逸らすとして。まぁ、僕的にはどことなくジェット・リー主演作「キス・オブ・ザ・ドラゴン」を連想するほどに好きだったし、実にコクのあるバイオレンス映画だったというか。マーティン・キャンベル、さすがはあの名作「グリーン・ランタン」「復讐捜査戦」を撮った男だと感心いたしました。できればもう1回ぐらい観に行きたいし、宇多丸師匠が語っていた「インターナショナル版」(特訓シーンがなかったり、森の中のバトルが短縮されていたりするものの、「映画としての完成度は上」だとか)も観てみたいなぁと思っております。おしまい。




デジタル盤のサントラ。輸入CD盤もあります。



スティーヴン・レザーによる原作小説。amazonでは中古本が高騰しております。



マーティン・キャンベル監督作で一番好きなのはこれです。僕の感想はこんな感じ



ジャッキー・チェンの前作。僕の感想はこんな感じ