ホフマニアダ ホフマンの物語(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ホフマニアダ ホフマンの物語(ネタバレ)

ホフマニアダ ホフマンの物語



原題:Hoffmaniada
2018/ロシア 上映時間72分
監督・脚本:スタニフラフ・ソコロフ
脚本:ビクトル・スラフキン
キャラクターデザイン:ミハイル・シュミアキン
音楽:シャンドル・カロシュ
声の出演:ウラジミール・コショフ、アレクセイ・ペトレンコ、アレクサンダー・シルヴィント、スラバ・ポルニン、アンナ・アルタモノーヴァ
パンフレット:★★★(250円/白黒の紙をホチキスで留めただけの作りはガッカリですが、内容はとてもタメになります)
(あらすじ)
エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンは今や大成した作家、作曲家であり芸術家です。自分の人生と作品を振り返り、過ぎ去った日々を思い起こします。そして若かりし頃の姿、すなわちドイツの小さな町で若き裁判官見習いとして働き、質素な家の屋根裏部屋を借りて音楽家を目指していた頃に自分を重ねていきます。日中は官庁で退屈な仕事をこなし、仕事の後は近所の居酒屋に足を向けます。そして夜には芸術的な創作活動に熱中するのです。
官庁の官僚たちは、彼の目には灰色で卑劣なネズミのように映ります。街に住み、食べ過ぎで退屈な、獣のような習性を持った心のない操り人形のように。
目の前に突然開ける空想の世界で、若きエルンストは学生アンゼルムスに変身します。彼は3人の若い女性に翻弄されます。上流階級のヴェロニカ、無口で神秘的なオリンピア、そして美しいヘビ娘のゼルペンティーナです。どの女性もそれぞれにアンゼルムスにとっての理想の姿です。光と闇の力が秘密裏に彼の運命に影響を及ぼそうとする中、若者はすべての障害を乗り越えなくてはなりません。たとえそれが現実世界では不可能でも、少なくとも魔法の国アトランティスでは愛が成就するように。
アンゼルムスはニワトコの木の下で金緑色のヘビ娘と出会い、ひと目で恋に落ちます。彼女は美しく若い女性、ゼルペンティーナに変身します。彼女は枢密文書官サラマンダー・リントホルストの娘なのです。
エルンストは市場で年老いた魔女の商品を過って踏み潰してしまい、呪いをかけられます。魔女は「お前はガラス瓶の中でくたばるのだ!」と叫び、彼は度々その奇妙な言葉を思い起こさずにはいられません。
他にも彼を不安にさせることがあります。少年期に乳母に聞いた砂男の話です。聞き分けのない子の目に砂を投げつけて目玉を取り、それを袋に入れて月の巣まで運ぶというのです。子供時代、エルンストは時折訪ねてきた父親の友人、弁護士コッペリウスが砂男だと考えます。
エルンストは上流社会の無関心、虚栄心の強い官僚たちの醜さ、偽物の美しさによる策略の罠と日々対峙します。アンゼルムスの純粋さと熱意によって、エルンストは現実社会を切り抜け、アトランティスを見つけ、永遠の物語と登場人物たちを人々に伝えることになります。しかし今はまだ、これらの作品は偉大なロマン主義作家の想像の世界の中にだけ存在するのです。
(以上、公式サイトより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※本作は「カミヤマ 春の“マン”祭り」対象作品です。

本作は「人形を使ったストップモーション・アニメ」ということで、そりゃあ興味はあったものの、仕事やらブログやら筋トレやらで忙しいので、すっかりスルー予定だったんですが、しかし。先月末、「カミヤマ 春の“マン”祭り」を思い立つ→本作も「マン」が付く映画→急遽観ることに決定。4月6日(土)、東京都写真美術館に足を運んで、短編映画「マイリトルゴート」と続けて鑑賞いたしました(その後、3回目の「スパイダーマン スパイダーバース」をハシゴ)。「予習しておけば良かったかな… (・ω・;) ウーム」と思ったり。


観客は20人ぐらい。元ネタの1つである「ホフマン物語」も上映されてましたよ。



本作にのあらすじについては公式サイトを読んでもらえればと思うんですが(手抜き)、パンフに載っていた関西学院大学文学部教授・木野光司先生の解説によると、「黄金の味」「黄金の壺」のストーリーをベースに、ドイツの超有名な作家エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンの伝記やその複数作品のモチーフを自在に織り込んで構成しているそうで。全編、幻想的な作りで、主人公のホフマンは若くなったり、年を取ったり、巨大化したりするし、不可思議なことが起こりまくるし、なんて言うんですかね、主人公の頭の中がそのまま映像化されている→いわゆるドイツ表現主義的な作りというか。いや、この「ドイツ表現主義」という言葉、前に尊敬する映画評論家の町山智浩さんによる「カリガリ博士」の解説(216円)や高橋ヨシキさんの著書か何かで学んで以来、いつか使ってみたいと温めていたんですが、もし僕が間違った使い方をしていたら、あなたはときどき遠くでしかってーー (ノД`) ナニコレ


この人が主人公。若くなったり年を取ったりするあたり、少し「Gorogoa」を連想したりもしましたよ。


観ている間の僕の気持ちを代弁する烈海王を貼っておきますね(「範馬刃牙」より)。



ちなみに「カリガリ博士」を観てから町山智浩さんの解説(216円)を聞くと、非常に勉強になるのでオススメだッ!m9`Д´) ビシッ




面白かったのは、新しい作品なのに映像が古びて見えたんですよね。これはメルヘン風味の昔話だから、あえてそういう見せ方を選んだのかなぁと。僕的にはJAROの「白雪姫篇」のCMを連想した…という古すぎるTA-TO-E!m9・∀・) ビシッ ただ、正直なところ、あまりに突拍子もない演出や展開が続くので、何が何やらなところが多くて。パンフを読む限りは、たぶんE.T.A.ホフマンについてある程度の知識があって、「黄金の壺」「くるみ割り人形」「砂男」あたりは読んでいた方が楽しめるんじゃないかと。恥ずかしながら僕は本作を観るまで、オペラの題材になるほどの超有名作家E.T.A.ホフマンのことを1ミリも知らなかったのでね(絵本を買ってたのに「くるみ割り人形」の原作者ということにすら気付いてなかった…)、ごめんなさい、意味不明すぎてキツいシーンもあったというか。基本的に僕は「映画鑑賞は事前知識がない方が楽しめる」派ですけど、本作に関しては「少しぐらい予習しといた方が良かったかな… (・ω・;) ウーム」と思ったり。


ところどころ、ホフマン作品のモチーフが登場するのです。


なんとなく昔のJAROのCMを貼っておきますね↓




でも、作品全体の幻想的な雰囲気は嫌いじゃないし、2003年に制作開始→完成までに15年かかったという労力と情熱はマジで尊敬するし、「キャラクターが舞台上に全員登場しての大団円エンディング」も多幸感があって嫌いじゃなかったし、「エンドクレジットで流れたメイキング」にもグッときたし、トータルすると楽しかったです (°∀°)b ヨカッタ! ストップモーション・アニメが好きな人は、ちゃんとチェックしといた方が良いと思います。おしまい。




本作に多大な影響を与えたというE.T.A.ホフマンの伝記オペラ映画。観ようかなぁ。



本作のベースとなっているE.T.A.ホフマンの著書の1つ。ハードルが高そうです… (`Δ´;) ヌゥ



昨年公開されたファンタジー映画。これに乗じて、絵本を読み聞かせしようと思ったのに… (ノД`) アァン