マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー(ネタバレ)

マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー



原題:Mamma Mia! Here We Go Again
2018/アメリカ 上映時間114分
監督:オル・パーカー
製作:ジュディ・クレイマー、ゲイリー・ゴーツマン
製作総指揮:ベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルバース、トム・ハンクス、リタ・ウィルソン、フィリダ・ロイド、リチャード・カーティス、ニッキー・ケンティッシュ・バーンズ
ストーリー原案:リチャード・カーティス、オル・パーカー、キャサリン・ジョンソン
オリジナルミュージカル台本:キャサリン・ジョンソン
原案:ジュディ・クレイマー
原曲:ABBA
脚本:オル・パーカー
撮影:ロバート・イェーマン
美術:アラン・マクドナルド、ジョン・フランキッシュ
衣装:ミシェル・クラプトン
編集:ピーター・ランバート
作詞:ベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルバース
作曲:ベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルバース、アン・ダッドリー
振付:アンソニー・バン・ラースト
音楽監督:マーティン・コッシュ
音楽監修:ベッキー・ベンサム
出演:アマンダ・セイフライド、ピアース・ブロスナン、コリン・ファース、ステラン・スカルスガルド、クリスティーン・バランスキー、ジュリー・ウォルターズ、ドミニク・クーパー、リリー・ジェームズ、アレクサ・デイビーズ、ジョシュ・ディラン、ジェレミー・アーバイン、ヒュー・スキナー、ジェシカ・キーナン・ウィン、アンディ・ガルシア、シェール、メリル・ストリープ
パンフレット:★★★☆(720円/音楽解説やコラムがちゃんと載って、写真も多めの素敵なパンフ)
(あらすじ)
ギリシャのカロカイリ島で念願のホテルを完成させたソフィは、オープニングパーティの準備に追われていたが、母ドナの親友ロージーとターニャもやってきて、久々の再会を喜ぶ。しかし、ニューヨークにホテルビジネスを学びにいっている夫のスカイから、一緒にニューヨークで暮らさないかと誘われ、心揺れるソフィ。そんな彼女に、ロージーやターニャ、そして3人のパパのひとりであるサムらは、若き日の物語を話し始める。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




60点


※今回の感想は、シェールが好きな人は確実に不快になるので読まない方が良いです。

2014年の結婚記念日に奥さんと劇団四季のミュージカル版を観たら、スゲー良くて。で、その後に映画をレンタル視聴→Blu-rayを奥さんにプレゼントするほど気に行ったということで、今回の続編もそれなりに興味がありましてね。10月中旬、TOHOシネマズ日比谷で鑑賞してきました(その後、「コーヒーが冷めないうちに」「判決、ふたつの希望」「響 HIBIKI」をハシゴ)。「蛇足… (`Δ´;) ヌゥ」と思ったり。


5番スクリーンは5割ぐらいの入りでした。


なんとなく島本和彦先生が描いた「蛇足」を貼っておきますね(「大熱言」より)。



内容をザッと書いておくと、母ドナが亡くなったので、その遺志を継ごうと娘のソフィがギリシャのカロカイリ島で素敵なホテルをオープンさせようとするんですが、しかし。夫のスカイとは将来を巡ってすれ違っているし、建築家のサム以外の2人の父親は用事があってオープニングパーティに来られないし、しかも妊娠しちゃったみたい…なんて状況下で、「ドナが若いころに3人の男性と関係をもってソフィを出産するまでのドラマ」が適当に差し込まれていくという構成。で、オープン数日前に島を嵐が襲って、ソフィが絶望的な気持ちになるも、スカイ&2人の父親が陽気な人々を連れてやってきてくれたから、ダンシング・クイーン!ヽ川`Д´)ノ ウォォォォォッ! ソフィの祖母ルビーも調子に乗って登場すると、ホテルのオープニングパーティは大成功に終わり、ソフィの子どもも無事生まれましてね。エンドクレジットでは、過去と現在の登場人物たちが一同に会して「スーパー・トゥルーパー」を歌い踊ってましたよ、たぶん。


ラストの大団円のメイキングがあったので、貼っておきますね↓




もうね、スゲー泣きました。大画面&良い音響で浴びるABBAの楽曲は最高のひと言で、ほとばしるほどベタな展開ではありますけど(汗)、パーティの準備が台無しになってソフィがションボリしているところにスカイたちが船で駆け付けて「ダンシング・クイーン」が流れるくだりの破壊力は、小型の熊なら一撃で屠るレベルではないでしょうか。あと、前作の役者さんたちがちゃんと出ているのもうれしくてね。メリル・ストリープだけは死んだ設定だったから、「あらあら、今回はギャラの折り合いが付かなかったのかしら? (`∀´)」なんて意地悪目線で観ていたら、最後の最後に幻想として現れてソフィと子どもを優しく祝福するから、母さーんッ!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン! そしてラスト、過去と現在のキャストが全員で繰り広げる「スーパー・トゥルーパー」の多幸感も100点でしたな。


「ダンシング・クイーン」の場面の公式動画を貼っておきますね↓




他のミュージカルシーンも良かったし、ドナやサムといった主要登場人物の若いころを演じたキャストたちが“寄せた演技”をしているのも微笑ましかったし、エンドクレジット後に登場するゲイの船着き場の役人も可愛かったし、基本的には観て良かったんですけれども。ごめんなさい、やっぱり取って付けた続編に見えちゃったというのが本音。例えば、前述の「ダンシング・クイーン」の場面、そりゃあ感動はしたものの、スカイ&2人の父親の「ソフィのために用事をすっぽかすことにした心の動き」がしっかり描かれていないため、スゲー軽い決断に見えちゃって。「だったら最初からソフィを優先してやれよ ( ゚д゚)」って思っちゃったんですよね…。この手の「こういう場面を見せたいために作った状況」ってのはどんなフィクションにもあるものですけど、本作はそこに説得力が感じられなくて。正直なところ、本作の「ドナが死んだ」という設定にも微妙に納得がいかなかったです。

あと、普通にイラッとしたのが、終盤に登場する祖母ルビー。ドナがシングルマザーとして必死に生きている時に何も助けなかったババアをスムースに赦す大らかな精神性は、ある意味、「マンマ・ミーア!」っぽいとも言えますが…。すみません、僕は非常に非常に非常に心が狭いので、「このババア、そこそこ金持ちっぽいのに生前はドナをまったく助けなかったんだよな?( ゚д゚)」って感じでムカついてました。それに、失礼な文章を書きますが、ルビーを演じたシェールの“老いに抗っているビジュアル”が生理的に受け付けなくて…。別に美容整形自体は全然良いと思うけど、本作には魅力的に年を重ねた女性たちがたくさん出演しているのに、1人だけ不気味の谷に足を踏み入れた人間がいたというか。ある意味ではガチで魔女っぽいから面白くもありましたが、「シワをなくせば魅力的になるってもんじゃないんだな」なんて思ったりした次第。


この公式動画ではそれほどでもないんですけど、大画面で観たらキツかったんですよね… (´・ω・`) ウーン




その他、「生前のドナの写真、リリー・ジェームズとメリル・ストリープの中間がないのは仕方ないものの、なんか笑った」ということは置いとくとして。魅力的なキャストたちがしっかりした演技で素敵な楽曲を歌い踊るんだから、そりゃあ面白かったし感動したけど、よくよく考えると「マンマ・ミーア!」の物語的には蛇足に感じたので60点という評価。とは言え、やっぱりミュージカルシーンは素晴らしかったし、終盤に出てくるメリル・ストリープの母力は凄まじかったのでね、気になる人は観るといいさ。




フィリダ・ロイド監督による前作。僕の感想はここの3本目



高確率でほしくなるデジタル盤のサントラ。CD盤もあります。



続編も作られたオル・パーカー監督作。この人の作品、1本も観たことないんですよね… (´・ω・`)