IT イット “それ”が見えたら、終わり。(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

IT イット “それ”が見えたら、終わり。(ネタバレ)

IT イット “それ”が見えたら、終わり。

IT イット

原題:It
2017/アメリカ 上映時間135分
監督:アンドレス・ムシェッティ
製作:ロイ・リー、ダン・リン、セス・グラハム=スミス、デビッド・カッツェンバーグ、バルバラ・ムシェッティ
製作総指揮:デイブ・ノイスタッター、ウォルター・ハマダ、リチャード・ブレナー、トビー・エメリッヒ、マーティ・P・ユーイング、ダグ・デイビソン、ジョン・シルク、ニーハ・カイケンダール
原作:スティーブン・キング
脚本:チェイス・パーマー、キャリー・フクナガ、ゲイリー・ドーベルマン
撮影:チョン・ジョンフン
美術:クロード・パレ
編集:ジェイソン・バランタイン
音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ
音楽監修:デイナ・サノ
出演:ジェイデン・リーベラー、ビル・スカルスガルド、フィン・ウルフハード、ジャック・ディラン・グレイザー、ソフィア・リリス、ジェレミー・レイ・テイラー、ワイアット・オレフ、チョーズン・ジェイコブズ、ニコラス・ハミルトン、ジャクソン・ロバート・スコット
パンフレット:★★★★☆(720円/コラムに座談会とタメになる企画多し。薄い紙がカバーっぽくなっている表紙も素敵)
(あらすじ)
静かな田舎町で児童失踪事件が相次いで起きていた。内気な少年ビルの弟が、ある大雨の日に外出し、おびただしい血痕を残して姿を消した。自分を責め、悲しみにくれるビルの前に現れた「それ」を目撃して以来、ビルは「それ」の恐怖にとり憑かれてしまう。不良少年たちからイジメの標的にされている子どもたちも、自分の部屋、学校、町の中など何かに恐怖を感じるたびに「それ」に遭遇していた。「それ」の秘密を共有することとなったビルと仲間たちは、勇気を振り絞り、「それ」と立ち向かうことを決意するが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


ひと昔前までは「スティーブン・キングの邦訳された著作はすべて読む派」だったので、本作の原作小説については、発売直後に読破してましてね。何気に評判が良かった1990年のテレビ版の時も「こんなの『IT』じゃねぇよ!(`Δ´) マッタク!」と生意気な口を叩いていた僕ですよ(苦笑)、あの長編をわずか1本の映画に収めるなんてまず不可能だと思っていたので、本作に対しても興味は持っていなかったんですけれども。「ゲット・アウト」目当てで行こうと思っていた「映画秘宝まつり2017」の“2本立てのうちの1本”だったので、付き合いで鑑賞。さらに一昨日、TOHOシネマズ新宿にて、1ヵ月フリーパスを利用して2回目を観て来ました。「そ…そうきたかァ〜ッ (`Δ´;)」と思ったり。ちなみに、尊敬する映画評論家の町山智浩さん曰く、“IT”とは鬼ごっこの「鬼」のことなんだって (゚⊿゚) ヘー


1回目の会場は浅草公会堂。イスが悪くて、「ゲット・アウト」と連続で鑑賞したらお尻がスゲー痛かった… ('A`) イタイヨゥ
映画秘宝まつり

本作とのコラボで、水道橋博士が行方不明に! 昨年はいろいろあったものね…。
水道橋博士がミッシング!

2回目はTOHOシネマズ新宿の1番スクリーン。狭めの劇場ながら、公開から1カ月以上経ってもほぼ満席だったのはスゴい。
1番スクリーン


原作小説は“1985年の大人パート”と“1958年の少年時代パート”をブレンドしながら進行するんですが…。事前情報をまったく入れていなかったため、本作が“少年時代パート”しか描かなかったのはスゲー驚きましたよ。なんかホラー要素が強まった「スタンド・バイ・ミー」といった風情であり、「少年ジョージーの腕が食いちぎられる」といった残酷描写がしっかりしているのは好感が持てました。時代設定を1989年にしつつも、イヤらしく80年代アピールしてこなかったあたりも良かったなぁと。


少年時代だけが描かれて、“大人パート”はないのです。
7人の子どもたち

ジョージー、可哀想でしたな… (ノω・、) グスン
ジョージー


物語は、メイン州の田舎町デリーを舞台に、27年周期で大量殺人を起こす“恐怖のキラークラウン”ペニーワイズ(元ネタはジョン・ゲイシー)に6人の少年+1人の少女の<負け犬クラブ>が立ち向かう…って内容。すっかりオッサンになってからの視点では、紅一点のベバリーが男に都合の良い女性キャラに見えて、若干居心地が悪くなったりもしましたが、それはそれとして。「ペニーワイズが超常現象攻撃を仕掛けてくる→キャー!(°д°;) コワーイ」みたいな場面の演出はなかなか不気味で愉快だったし、80年代感溢れる少年たちの顔は実に良いと思ったり(特にいじめっ子ヘンリーがイイ!)。一応、オチを書いておくと、みんなの力でペニーワイズをリンチして、恐怖を植え付けて倒しましてね(なんとなくブラック指令の死にざまを思い出した)。「また“IT”が出たら、みんなで集まって立ち向かおう!」と、手の平を切った7人が輪になって手を繋ぎながら誓って(ちなみに原作では「ベバリーが全員とセックスする」のでドン引きした)、ビルとベバリーがキスして終了。タイトルとともに「Chapter 1」の文字が出て、続編に続くことを匂わせて、エンドクレジットが流れてましたよ。


ニコラス・ハミルトンが演じるヘンリー。暴力的な父親に怯える演技が最高でした。
ヘンリー

原作の誓いの儀式はどうかしてると思っていたので、この改変は良かったです。
誓いの儀式

そして、続編があることを知った瞬間の僕の気持ちを代弁する烈海王を貼っておきますね。
そ...そうきたかぁ〜


まぁ、「少年たちがやたらとはぐれる→1人になっては襲われる」みたいな展開が連発するのは少しイラッとしましたが、一番腹が立ったのは、続編があることを隠していたこと。事前の宣伝で前編であることを黙っていた「レッドクリフ」を思い出したというか。そりゃあ、“大人パート”を丸々削っているんだから、続編は作りやすいでしょうけど、僕はこういう騙し討ちが好きじゃないので、鑑賞後、「ツイシネ」「cinemactif」などをやられているペップさんと飲んだ時「それなりに面白かったけど、腹が立ったので60点!ヽ(`Д´)ノ キィィィィ!」なんてくだを巻いていたんですが、しかし。あまりに世間の評判が良くて上映が延長されていることを知って、「映画秘宝 2017年 12 月号」の特集記事やパンフを読んでから、もう一度観てみたら、やっぱり面白かったし、覚悟していた分、最後の「Chapter 1」の文字にもムカつかなかったので、10点プラスの70点という着地(信用ならない採点基準)。まだ上映しているので、気になっている人は観ておくと良いですぞ。




スティーブン・キングの原作小説。読み直そうかなぁ。



デジタル盤のサントラ。国内盤輸入盤もあります。



1990年のテレビ版。ティム・カリーのペニーレイズは顔面の戦闘力が高めでございます。



評判が良いアンドレス・ムシェッティ監督作。僕の感想はここの1本目