皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(ネタバレ)
皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ
原題:Lo chiamavano Jeeg Robot
2015/イタリア 上映時間119分
監督・製作:ガブリエーレ・マイネッティ
脚本:二コラ・グアッリャノーネ
撮影:ミケーレ・ダッタナージオ
美術:マッシミリアーノ・ストュリアーレ
衣装:メリ・モンタルト
編集:アンドレア・マグオーロ
音楽:ガブリエーレ・マイネッティ
出演:クラウディオ・サンタマリア、イレニア・パストレッリ、ルカ・マリネッリ、ステファノ・アンブロジ、マウリツィオ・テゼイ、フランチェスコ・フォルミケッティ、ダニエーレ・トロンベッティ、アントニア・トルッポ、サルボ・エスポジト、ジャンルカ・ディ・ジェンナー、ジュアナ・ヒメネス
パンフレット:★★★★(700円/タメになるコラム3本に「鋼鉄ジーグ」の紹介ページもちゃんとあるよ)
(あらすじ)
ふとしたきっかけで超人的なパワーを身につけたチンピラのエンツォは、世話になっていたオヤジが殺され、アニメ「鋼鉄ジーグ」の熱狂的なファンである娘のアレッシアの面倒を見る羽目になる。超人的な能力を持つエンツォを「ジーグ」の主人公である司馬宙とダブらせて慕うアレッシアを前に、パワーを私利私欲のために使っていたエンツォは、彼女を守るため正義に目覚め、互いにほのかな愛情が芽生えていく。そんな2人の前に、闇の組織のリーダー、ジンガロが立ちはだかる。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
90点
時間がない!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン! もうね、仕事が忙しいのに、家庭のこともいろいろあるし、観たい映画もたくさんあるし…。しかもここ数ヵ月、僕好みのアクション映画がわんさかわんさ状態ということで、思わず複数回観てしまったりして、さらに時間が減っていくから、ブログを書く時間がなかなか作れない…な〜んて言いながらも、ついつい書いてしまうので、「睡眠時間を減らす→眠くていろいろと集中できない→何をしても時間がかかる→時間がなくなる」という悪循環!m9`Д´) ビシッ だからね、本作については、6月にヒューマントラストシネマ有楽町、7月に川崎市アートセンターと、2回観るほど好きなんですけど、アッサリ気味の感想になってしまうことを許していただければ幸いです。
1回目は、公開から約1カ月経ったころにヒューマントラストシネマ有楽町で鑑賞。
オリジナルドリンクが売ってましたが、店員さんが忙しそうだったので、諦めました (´・ω・`)
2回目は先週木曜日に川崎市アートセンターへ行きまして。
木曜日はメンズデー=1000円で観られるのだッ!m9`Д´) ビシッ
劇場には、今村昌平監督のパルムドール関連の諸々が展示されてましたよ。
当ブログをよく読まれる方に「えっ、またこのパターンなの?( ゚д゚) ウゼー」と思われるほどに、雑にあらすじを書いてみると、映画はチンピラのエンツォが高級腕時計を万引きして刑事っぽい2人組に追われているところからスタートしましてね。追っ手から逃げるために川の中に隠れてみれば、放射性廃棄物っぽいドラム缶の中に落ちてしまって具合が悪くなるも、そのおかげで超人的なパワーを獲得。同じアパートに住むギャングのセルジョの仕事を手伝った際、トラブルが起きてセルジョが殺されてしまい、エンツォも肩を撃たれてビルの9階から転落するも、無傷な上に長距離をラクラクと走って帰れたりするのです(とは言え、すぐ回復するだけで銃創はできる→急所に弾が当たれば死ぬかも)。
放射能性廃棄物にまみれて、一時はスゲー具合が悪くなるんですが…。
回復すると超人に! 安直だけど、まぁ、良いじゃないですかぁ〜 (´∀`;) エヘヘ
自分のパワーに気付いたエンツォは、とりあえずそのスーパー腕力でATMごと自宅に持ち帰るという強引な手口で大金をゲット。いつも食べているヨーグルトと大量のAV、自慰用のベビーローション&コンドーム(たぶん)を購入して、股間はガマン汁がほとばしるほどヒート状態(たぶん)だったんですが、しかし。セルジョの娘であり、妙齢なのに話す内容がすべて「鋼鉄ジーグ」という、なかなか面倒くさい女性アレッシアが、セルジョを探す地元ギャングのリーダー・ジンガロに絡まれましてね。セルジョの死体をそのままにして自分だけ帰ってきた罪悪感からか、ジンガロへのムカつきからか、顔を隠して悪党どもを一網打尽! そのせいでアレッシアに「ヒロシ・シバだわ!ヘ(゚∀゚*し キャー」とすっかり懐かれてしまうというね。
フードを被ってジンガロたちを追い払うエンツォ。
アレッシアにはクツのせいで正体バレバレであり、懐かれるのです。
最初は「面倒くせー女だな… (`Δ´;) ヌゥ」と思っていたエンツォですが、何気に観てみた「鋼鉄ジーグ」がDVDBOXを購入するほど面白い上に、彼女と一緒に過ごすうちに愛が芽生えてきて。なんとなくショッピングに行ったら良いムードになったのでセックスに至るも、自分の欲望を発散するだけだったので、彼女を傷つけてしまってね…。ケンカになって彼らの関係はダメになるかと思いきや、エンツォったら「オレは人を愛したことがないから、教えてくれ… (´・ω・`) ゴメンネ」と海より深く反省。結果的に、2人の絆はより深まったのですけれども!
こんな感じで一緒に鑑賞。
もうお歯黒べったり並にアレッシアべったりになるエンツォですよ(微笑)。
エンツォの話と同時に、ジンガロのエピソードも同時進行してまして。エンツォも絡んだセルジョの仕事が失敗したせいで麻薬が手に入らず、ナポリ系マフィア”カモッラ”の女ボス・ヌンツィアに支払う金を失い、その金を調達すべく現金輸送車を襲おうとしたら、セルジョの残したメモから強奪計画を把握していたエンツォに奪われてしまったりと、踏んだり蹴ったり。というか、過去に「ハッピーサンデー」という素人参加番組に出たことを今も誇りに思っているジンガロは、承認欲求やら自己顕示欲やらが強くて、ニュース番組や動画サイトを賑わせる「スーパー犯罪者(=エンツォのこと)」に強烈に嫉妬してまして。自分を見捨てようとした幼なじみリッカを犬で殺してから、リッカの提案通りにマルセローネに金を借りに行ってみれば、ヌンツィア一味と銃撃戦になってしまい、凄惨な抗争に突入するというね。
イケメンで歌も上手いジンガロでしたが、人生は裏目気味。
いろいろあって、ヌンツィアたちと抗争に突入し、仲間をほとんど惨殺されてましたよ… ('A`し イヤーン
実はアレッシアと仲直りする際、考えなしにスーパー腕力を発揮して、その様子が動画サイトにアップされたことで、エンツォはジンガロにその正体を知られてしまい、アレッシアがさらわれまして。ジンガロはエンツォを脅迫してパワーの秘密を聞き出して、一緒に川へ向かってみれば、ヌンツィア一味が襲撃! アレッシアは巻き添えを食らって死亡し、ジンガロは撃たれた上に火炎放射器で焼かれて川に転落するんですが…。エンツォのようにスーパーパワーを獲得して復活すると、ヌンツィアたちを素手で全滅させて、ホクホク顔でその虐殺模様を動画サイトにアップするのでした〜 川`∀´) ホクホク
ジンガロにさらわれた挙げ句、巻き添えで死んでしまうアレッシア… (ノω・、) カワイソウ
で、アレッシアを失って抜け殻状態のエンツォでしたが、「ヒーローになって… 川;´Д`)・:; ゲハッ」という今際の際のアレッシアの言葉通りに、事故った車から少女を助け出すことで、正義誕生!ヽ(`Д´)ノ ウォォォォォッ 目立ちたいというくだらない理由で満員のスタジアムを爆破しようとするジンガロを止めるために、光と闇の果てしないバトルを繰り広げると、爆弾ごとジンガロと川へダイブ→爆発してジンガロが死亡!m9`Д´) ザマァ! エンツォの善行はみんなに知られることとなり、テレビで「惜しい人を亡くしました」的なコメントが流れる中、ちゃっかり生きていたエンツォがコロッセオから街を見下ろしながら、アレッシアが編んでくれた「鋼鉄ジーグ」のマスクを被ってジャンプしたところで映画は終了しまして。黄色と緑というジーグカラーのエンドクレジットが始まると、エンツォ役のクラウディオ・サンタマリアが歌う「Jeeg Robot l'uomo d'acciaio」が流れてましたよ。
正義に目覚めたエンツォは、名前を聞かれると「ヒロシ・シバ」と答えたりしてね。
ジンガロがスタジアムを爆破しようとしていることを知ると…。
その企みを見事阻止! これからはスーパーヒーローとして活動スタートだッ!
クラウディオ・サンタマリアが歌う「Jeeg Robot l'uomo d'acciaio」の動画があったので、貼っておきますね↓ 激シブ!
本作がどんな作品なのかは、尊敬する映画評論家の町山智浩さんの「たまむすび」での紹介の文字起こしを読んでいただくとして。素晴らしい映画だと思いました。僕が一番感動したポイントは、ローマ郊外のトル・ベッラ・モナカという貧困地区に育ち、まともな教育も受けられず、犯罪で親や仲間を次々と失ったせいで、自分の欲望のままに生きてきたチンピラが、愛を知ることで人間性を取り戻すというところ。リアルに考えると、もしスーパーパワーを手に入れたら「自分のために使う」のが普通じゃないですか、残念ながら。ただ、やっぱり人を愛したり、愛されたり、誰かに必要とされたりすることで、他人のことだって大事にできるようになるワケでさ。なんて言うんですかね、スーパーヒーローの誕生譚というだけでなく、やさぐれていた男が人生をやり直す“更正の物語”にもなっていて、「反省させると犯罪者になります」を読んだ時の気分になった…って、伝わりますかね。
ヨーグルトばかり食べているというエンツォの食生活の貧しさにもグッときましたよ。
そして、アレッシアも良かった。何もかも「鋼鉄ジーグ」に例えるので、最初は「マジモンじゃねーか… (`Δ´;) ヌゥ」なんてドン引きしていたんですが(失礼な文章)、話が進むにつれて「父親や医者から性的虐待を受けていた→そのせいで病んでいた」というヘビーにも程がある事情が発覚。要は「鋼鉄ジーグ」の世界に逃避することで自分を守っていた女性なワケですよ。だから、せっかくエンツォに対して「あんたといると胸がビンブンバン♪(´∀`=し」なんてウキウキ気分になったのに、性の道具としか扱われなくてショックを受けるくだりとか、もう可哀想で可哀想で…。しかも、死に際にあっても、エンツォに「ヒーローになってほしい」という思いを伝える精神性の気高さには感動せざるを得ない!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン!
面倒くさそうに感じますが、心の優しい女性なのです。
正直なところ、本作を観ながら「『鋼鉄ジーグ』なんて名乗りながらも、どうせ腕は飛び出さないんでしょうよ (`∀´) ババンバン」なんて思うところもあったんですが…。パンフで監督も語っていたように、「司馬宙は、卯月美和がビッグ・シューターで射出する腕や胴体のパーツと合体することで鋼鉄ジーグになれる=エンツォはアレッシアの心があってヒーローになれた」ということでね、もう全然ジーグ(バカっぽい文章)。最後に手編みのマスクをエンツォが被った瞬間、永井豪先生のコメントのように、僕も「君は鋼鉄ジーグだ!m9TДT) ビシッ」(「ライダーマンのうた」っぽい気分で)と、スゲー泣いちゃった次第。
ポスターにもあったこのマスク、ごめんなさい、少しバカにしてたけど、被る場面は感動のひと言。
永井豪先生の素敵なコメントを貼っておきますね ( ;∀;)イイコメントダナー
あと、ジンガロも良い悪役でしたな。自分の人生に価値を見いだせなかったエンツォとは対照的に、自分にはもっと価値があるハズだとあがくキャラクターであり、幼なじみのリッカの忠告を聞かない割には後手後手で同じ手段を実行するグダグダっぷりとか最悪だし、その精神性は本人が語るように「最強のゲス」なんですが、承認欲求やら自己顕示欲やら、僕だって“ああいう要素”がないワケじゃないなぁと(こんなブログを書いているぐらいですからな ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ)。まさに“現代的な悪”だと思って、ゾッとしたりしましたよ。
ジンガロは最低最悪のクズだけど、でも、誰の心にもいるのではないでしょうか… (・ω・;) ウーン
その他、「チンピラとして街を這っていたオープニングと、ヒーローとして街を見下ろすエンディングの対比が素晴らしい」とか「最初に出る日本語のタイトルは『日本で上映するからつけた』のではなく、原題と知ってビックリ!」とか「iPhoneって頭を砕くほど硬いの?」とか「フタに付着したヨーグルトを舐めるのって、やっぱりダメかな… (`Δ´;)」とか「観覧車を回すシーンが素敵」とか「最近、犬が人を襲撃するシーンをよく観る気がする…」とか「1回目を観る前にファミマのジャンボフランクを食べたら当たったので、2回目を観る時も食べてみたけどダメでしたよ (´・ω・`) ザンネン」とか「“身勝手なセックス”は相手が傷つくからダメだぞ!(o^-')b キヲツケテ!」とか、そんな感じそんな感じ。唯一の不満は格闘アクションで(銃撃戦は良かった!)、例えばジンガロがヌンツィア一味を襲撃するくだりは、エンツォとの対比として、もっと残酷にしてほしかったなぁと思ったり(腕を折るだけでなく、もぐとか)。
例えば、顔面を殴ったら、スムースに目が飛び出たりとか(「グラップラー刃牙」より)。
範馬勇次郎が橘流拳法道場に乗り込んだ時のような惨劇が観たかったなぁ。
ううむ、結局、ダラダラと書いてしまいましたが(汗)、超ストライクなヒーロー映画でしたヨ (´∀`=) ウフフ ガブリエーレ・マイネッティ監督、これが長編デビューだなんて本当にスゴいし(しかも制作費は2億円程度!)、次回作にも期待したいですな。熱く男臭く地味なヒーローが好きな人は、チェックしておくと良いですぞ。
国内盤のサントラ。輸入盤やデジタル盤もあります。
鋼鉄ジーグのDVDでございます。久しぶりに観ようかしらん。
なんとなく連想した新書を貼っておきますね。
日本の超低予算ヒーロー映画と言えば、これが好き。僕の感想はこんな感じ。
専用ボディ(別売)と合体できるサイボーグ宙のフィギュアが出ててビックリ。さすがにこれは買えないよぅ… (´Д`;)
原題:Lo chiamavano Jeeg Robot
2015/イタリア 上映時間119分
監督・製作:ガブリエーレ・マイネッティ
脚本:二コラ・グアッリャノーネ
撮影:ミケーレ・ダッタナージオ
美術:マッシミリアーノ・ストュリアーレ
衣装:メリ・モンタルト
編集:アンドレア・マグオーロ
音楽:ガブリエーレ・マイネッティ
出演:クラウディオ・サンタマリア、イレニア・パストレッリ、ルカ・マリネッリ、ステファノ・アンブロジ、マウリツィオ・テゼイ、フランチェスコ・フォルミケッティ、ダニエーレ・トロンベッティ、アントニア・トルッポ、サルボ・エスポジト、ジャンルカ・ディ・ジェンナー、ジュアナ・ヒメネス
パンフレット:★★★★(700円/タメになるコラム3本に「鋼鉄ジーグ」の紹介ページもちゃんとあるよ)
(あらすじ)
ふとしたきっかけで超人的なパワーを身につけたチンピラのエンツォは、世話になっていたオヤジが殺され、アニメ「鋼鉄ジーグ」の熱狂的なファンである娘のアレッシアの面倒を見る羽目になる。超人的な能力を持つエンツォを「ジーグ」の主人公である司馬宙とダブらせて慕うアレッシアを前に、パワーを私利私欲のために使っていたエンツォは、彼女を守るため正義に目覚め、互いにほのかな愛情が芽生えていく。そんな2人の前に、闇の組織のリーダー、ジンガロが立ちはだかる。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
90点
時間がない!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン! もうね、仕事が忙しいのに、家庭のこともいろいろあるし、観たい映画もたくさんあるし…。しかもここ数ヵ月、僕好みのアクション映画がわんさかわんさ状態ということで、思わず複数回観てしまったりして、さらに時間が減っていくから、ブログを書く時間がなかなか作れない…な〜んて言いながらも、ついつい書いてしまうので、「睡眠時間を減らす→眠くていろいろと集中できない→何をしても時間がかかる→時間がなくなる」という悪循環!m9`Д´) ビシッ だからね、本作については、6月にヒューマントラストシネマ有楽町、7月に川崎市アートセンターと、2回観るほど好きなんですけど、アッサリ気味の感想になってしまうことを許していただければ幸いです。
1回目は、公開から約1カ月経ったころにヒューマントラストシネマ有楽町で鑑賞。
オリジナルドリンクが売ってましたが、店員さんが忙しそうだったので、諦めました (´・ω・`)
2回目は先週木曜日に川崎市アートセンターへ行きまして。
木曜日はメンズデー=1000円で観られるのだッ!m9`Д´) ビシッ
劇場には、今村昌平監督のパルムドール関連の諸々が展示されてましたよ。
当ブログをよく読まれる方に「えっ、またこのパターンなの?( ゚д゚) ウゼー」と思われるほどに、雑にあらすじを書いてみると、映画はチンピラのエンツォが高級腕時計を万引きして刑事っぽい2人組に追われているところからスタートしましてね。追っ手から逃げるために川の中に隠れてみれば、放射性廃棄物っぽいドラム缶の中に落ちてしまって具合が悪くなるも、そのおかげで超人的なパワーを獲得。同じアパートに住むギャングのセルジョの仕事を手伝った際、トラブルが起きてセルジョが殺されてしまい、エンツォも肩を撃たれてビルの9階から転落するも、無傷な上に長距離をラクラクと走って帰れたりするのです(とは言え、すぐ回復するだけで銃創はできる→急所に弾が当たれば死ぬかも)。
放射能性廃棄物にまみれて、一時はスゲー具合が悪くなるんですが…。
回復すると超人に! 安直だけど、まぁ、良いじゃないですかぁ〜 (´∀`;) エヘヘ
自分のパワーに気付いたエンツォは、とりあえずそのスーパー腕力でATMごと自宅に持ち帰るという強引な手口で大金をゲット。いつも食べているヨーグルトと大量のAV、自慰用のベビーローション&コンドーム(たぶん)を購入して、股間はガマン汁がほとばしるほどヒート状態(たぶん)だったんですが、しかし。セルジョの娘であり、妙齢なのに話す内容がすべて「鋼鉄ジーグ」という、なかなか面倒くさい女性アレッシアが、セルジョを探す地元ギャングのリーダー・ジンガロに絡まれましてね。セルジョの死体をそのままにして自分だけ帰ってきた罪悪感からか、ジンガロへのムカつきからか、顔を隠して悪党どもを一網打尽! そのせいでアレッシアに「ヒロシ・シバだわ!ヘ(゚∀゚*し キャー」とすっかり懐かれてしまうというね。
フードを被ってジンガロたちを追い払うエンツォ。
アレッシアにはクツのせいで正体バレバレであり、懐かれるのです。
最初は「面倒くせー女だな… (`Δ´;) ヌゥ」と思っていたエンツォですが、何気に観てみた「鋼鉄ジーグ」がDVDBOXを購入するほど面白い上に、彼女と一緒に過ごすうちに愛が芽生えてきて。なんとなくショッピングに行ったら良いムードになったのでセックスに至るも、自分の欲望を発散するだけだったので、彼女を傷つけてしまってね…。ケンカになって彼らの関係はダメになるかと思いきや、エンツォったら「オレは人を愛したことがないから、教えてくれ… (´・ω・`) ゴメンネ」と海より深く反省。結果的に、2人の絆はより深まったのですけれども!
こんな感じで一緒に鑑賞。
もうお歯黒べったり並にアレッシアべったりになるエンツォですよ(微笑)。
エンツォの話と同時に、ジンガロのエピソードも同時進行してまして。エンツォも絡んだセルジョの仕事が失敗したせいで麻薬が手に入らず、ナポリ系マフィア”カモッラ”の女ボス・ヌンツィアに支払う金を失い、その金を調達すべく現金輸送車を襲おうとしたら、セルジョの残したメモから強奪計画を把握していたエンツォに奪われてしまったりと、踏んだり蹴ったり。というか、過去に「ハッピーサンデー」という素人参加番組に出たことを今も誇りに思っているジンガロは、承認欲求やら自己顕示欲やらが強くて、ニュース番組や動画サイトを賑わせる「スーパー犯罪者(=エンツォのこと)」に強烈に嫉妬してまして。自分を見捨てようとした幼なじみリッカを犬で殺してから、リッカの提案通りにマルセローネに金を借りに行ってみれば、ヌンツィア一味と銃撃戦になってしまい、凄惨な抗争に突入するというね。
イケメンで歌も上手いジンガロでしたが、人生は裏目気味。
いろいろあって、ヌンツィアたちと抗争に突入し、仲間をほとんど惨殺されてましたよ… ('A`し イヤーン
実はアレッシアと仲直りする際、考えなしにスーパー腕力を発揮して、その様子が動画サイトにアップされたことで、エンツォはジンガロにその正体を知られてしまい、アレッシアがさらわれまして。ジンガロはエンツォを脅迫してパワーの秘密を聞き出して、一緒に川へ向かってみれば、ヌンツィア一味が襲撃! アレッシアは巻き添えを食らって死亡し、ジンガロは撃たれた上に火炎放射器で焼かれて川に転落するんですが…。エンツォのようにスーパーパワーを獲得して復活すると、ヌンツィアたちを素手で全滅させて、ホクホク顔でその虐殺模様を動画サイトにアップするのでした〜 川`∀´) ホクホク
ジンガロにさらわれた挙げ句、巻き添えで死んでしまうアレッシア… (ノω・、) カワイソウ
で、アレッシアを失って抜け殻状態のエンツォでしたが、「ヒーローになって… 川;´Д`)・:; ゲハッ」という今際の際のアレッシアの言葉通りに、事故った車から少女を助け出すことで、正義誕生!ヽ(`Д´)ノ ウォォォォォッ 目立ちたいというくだらない理由で満員のスタジアムを爆破しようとするジンガロを止めるために、光と闇の果てしないバトルを繰り広げると、爆弾ごとジンガロと川へダイブ→爆発してジンガロが死亡!m9`Д´) ザマァ! エンツォの善行はみんなに知られることとなり、テレビで「惜しい人を亡くしました」的なコメントが流れる中、ちゃっかり生きていたエンツォがコロッセオから街を見下ろしながら、アレッシアが編んでくれた「鋼鉄ジーグ」のマスクを被ってジャンプしたところで映画は終了しまして。黄色と緑というジーグカラーのエンドクレジットが始まると、エンツォ役のクラウディオ・サンタマリアが歌う「Jeeg Robot l'uomo d'acciaio」が流れてましたよ。
正義に目覚めたエンツォは、名前を聞かれると「ヒロシ・シバ」と答えたりしてね。
ジンガロがスタジアムを爆破しようとしていることを知ると…。
その企みを見事阻止! これからはスーパーヒーローとして活動スタートだッ!
クラウディオ・サンタマリアが歌う「Jeeg Robot l'uomo d'acciaio」の動画があったので、貼っておきますね↓ 激シブ!
本作がどんな作品なのかは、尊敬する映画評論家の町山智浩さんの「たまむすび」での紹介の文字起こしを読んでいただくとして。素晴らしい映画だと思いました。僕が一番感動したポイントは、ローマ郊外のトル・ベッラ・モナカという貧困地区に育ち、まともな教育も受けられず、犯罪で親や仲間を次々と失ったせいで、自分の欲望のままに生きてきたチンピラが、愛を知ることで人間性を取り戻すというところ。リアルに考えると、もしスーパーパワーを手に入れたら「自分のために使う」のが普通じゃないですか、残念ながら。ただ、やっぱり人を愛したり、愛されたり、誰かに必要とされたりすることで、他人のことだって大事にできるようになるワケでさ。なんて言うんですかね、スーパーヒーローの誕生譚というだけでなく、やさぐれていた男が人生をやり直す“更正の物語”にもなっていて、「反省させると犯罪者になります」を読んだ時の気分になった…って、伝わりますかね。
ヨーグルトばかり食べているというエンツォの食生活の貧しさにもグッときましたよ。
そして、アレッシアも良かった。何もかも「鋼鉄ジーグ」に例えるので、最初は「マジモンじゃねーか… (`Δ´;) ヌゥ」なんてドン引きしていたんですが(失礼な文章)、話が進むにつれて「父親や医者から性的虐待を受けていた→そのせいで病んでいた」というヘビーにも程がある事情が発覚。要は「鋼鉄ジーグ」の世界に逃避することで自分を守っていた女性なワケですよ。だから、せっかくエンツォに対して「あんたといると胸がビンブンバン♪(´∀`=し」なんてウキウキ気分になったのに、性の道具としか扱われなくてショックを受けるくだりとか、もう可哀想で可哀想で…。しかも、死に際にあっても、エンツォに「ヒーローになってほしい」という思いを伝える精神性の気高さには感動せざるを得ない!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン!
面倒くさそうに感じますが、心の優しい女性なのです。
正直なところ、本作を観ながら「『鋼鉄ジーグ』なんて名乗りながらも、どうせ腕は飛び出さないんでしょうよ (`∀´) ババンバン」なんて思うところもあったんですが…。パンフで監督も語っていたように、「司馬宙は、卯月美和がビッグ・シューターで射出する腕や胴体のパーツと合体することで鋼鉄ジーグになれる=エンツォはアレッシアの心があってヒーローになれた」ということでね、もう全然ジーグ(バカっぽい文章)。最後に手編みのマスクをエンツォが被った瞬間、永井豪先生のコメントのように、僕も「君は鋼鉄ジーグだ!m9TДT) ビシッ」(「ライダーマンのうた」っぽい気分で)と、スゲー泣いちゃった次第。
ポスターにもあったこのマスク、ごめんなさい、少しバカにしてたけど、被る場面は感動のひと言。
永井豪先生の素敵なコメントを貼っておきますね ( ;∀;)イイコメントダナー
あと、ジンガロも良い悪役でしたな。自分の人生に価値を見いだせなかったエンツォとは対照的に、自分にはもっと価値があるハズだとあがくキャラクターであり、幼なじみのリッカの忠告を聞かない割には後手後手で同じ手段を実行するグダグダっぷりとか最悪だし、その精神性は本人が語るように「最強のゲス」なんですが、承認欲求やら自己顕示欲やら、僕だって“ああいう要素”がないワケじゃないなぁと(こんなブログを書いているぐらいですからな ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ)。まさに“現代的な悪”だと思って、ゾッとしたりしましたよ。
ジンガロは最低最悪のクズだけど、でも、誰の心にもいるのではないでしょうか… (・ω・;) ウーン
その他、「チンピラとして街を這っていたオープニングと、ヒーローとして街を見下ろすエンディングの対比が素晴らしい」とか「最初に出る日本語のタイトルは『日本で上映するからつけた』のではなく、原題と知ってビックリ!」とか「iPhoneって頭を砕くほど硬いの?」とか「フタに付着したヨーグルトを舐めるのって、やっぱりダメかな… (`Δ´;)」とか「観覧車を回すシーンが素敵」とか「最近、犬が人を襲撃するシーンをよく観る気がする…」とか「1回目を観る前にファミマのジャンボフランクを食べたら当たったので、2回目を観る時も食べてみたけどダメでしたよ (´・ω・`) ザンネン」とか「“身勝手なセックス”は相手が傷つくからダメだぞ!(o^-')b キヲツケテ!」とか、そんな感じそんな感じ。唯一の不満は格闘アクションで(銃撃戦は良かった!)、例えばジンガロがヌンツィア一味を襲撃するくだりは、エンツォとの対比として、もっと残酷にしてほしかったなぁと思ったり(腕を折るだけでなく、もぐとか)。
例えば、顔面を殴ったら、スムースに目が飛び出たりとか(「グラップラー刃牙」より)。
範馬勇次郎が橘流拳法道場に乗り込んだ時のような惨劇が観たかったなぁ。
ううむ、結局、ダラダラと書いてしまいましたが(汗)、超ストライクなヒーロー映画でしたヨ (´∀`=) ウフフ ガブリエーレ・マイネッティ監督、これが長編デビューだなんて本当にスゴいし(しかも制作費は2億円程度!)、次回作にも期待したいですな。熱く男臭く地味なヒーローが好きな人は、チェックしておくと良いですぞ。
国内盤のサントラ。輸入盤やデジタル盤もあります。
鋼鉄ジーグのDVDでございます。久しぶりに観ようかしらん。
なんとなく連想した新書を貼っておきますね。
日本の超低予算ヒーロー映画と言えば、これが好き。僕の感想はこんな感じ。
専用ボディ(別売)と合体できるサイボーグ宙のフィギュアが出ててビックリ。さすがにこれは買えないよぅ… (´Д`;)