ジェイク・ザ・スネークの復活(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ジェイク・ザ・スネークの復活(ネタバレ)

ジェイク・ザ・スネークの復活

ジェイク・ザ・スネークの復活

原題:The Resurrection of Jake the Snake
2015/アメリカ 上映時間93分
監督:スティーヴ・ユー
出演:ジェイク・ロバーツ、ダイヤモンド・ダラス・ペイジ、スコット・ホール、クリス・ジェリコ、スティーヴ・オースティン
(あらすじ)
強さとカリスマ性で一世を風靡するも、酒と薬物ですべてを失った男。家族と自分自身を取り戻すため、復活を賭けた闘いに挑む。(以上、Netflixより)

予告編はこんな感じ↓




90点


ジェイク・ロバーツについて知りたい方は、フミ・サイトーさんのこの記事この記事を読むと良いザンス。

ここ数年、DVD等の感想はまとめて書いているんですが、僕的には重要なプロレス映画だったので、単独で記事をアップしておきますよ。たぶんジェイク・ロバーツのことを初めて知ったのは、プロレス専門誌の海外記事だと思うんですけど(蛇を持ち込むギミックが珍しかった)、その凄さを知ったのは1990年の日米レスリングサミットでして。ビッグ・ボスマンの受け身の上手さもあるんでしょうが、DDTの切れ味に驚いたというか。当時、橋本真也選手とかダニー・スパイビーといったDDTの使い手がいましたが、一応、DDTの開発者という話もあって、僕はジェイク・ロバーツこそ一番だと思っていた…という高校生時代。


トリビュートを貼っておきますね↓ ビッグ・ボスマンに決めたDDTも入ってます。




で、時が経ち、僕もさまざまな挫折を体験して大人になって、東京に出て2年が経過した2001年、日本公開されたのが“プロレスラーに焦点を当てたドキュメンタリー”「ビヨンド・ザ・マット」。主役の1人として登場したジェイク・ロバーツは、ドラッグ漬けのドサ回りレスラーになっていて、そんな彼にインスパイアされたのが、ダーレン・アロノフスキー監督の「レスラー」だった…ってのは有名な話。どちらの映画も僕にとっては大事な作品ではあるものの、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉のように、ジェイク・ロバーツのことなんてすっかり頭から消えていた今年4月、加入しているNetflixが本作をオススメしてきたから、「『ビヨンド・ザ・マット』の続きが観られるのか!Σ(゚д゚;)」と驚きまして(実際は昨年から観られたみたいで、コアチョコの人とか、アンテナ感度の高い人はすでに鑑賞済みなのでした)。なかなか時間が作れなくて後回しにしちゃったんですけど、5月にやっと観てみました。「人生はやり直せるんダナー (iДi)」と涙が止まりませんでしたよ…。ちょっとしたウソを交えながら劇中の画像であらすじを書いてみると、こんな感じでございます↓


すっかりアル中なジェイクは泥酔状態で出場して、プロ失格な試合を見せたりするドン底エブリディ。
酔ったまま試合に出場

そこに、ジェイクを尊敬していたダイヤモンド・ダラス・ペイジ (DDP)が、彼を立ち直らせることを決意しまして。
ジェイクはつらい日々を過ごしている

「ドキッ!元レスラー2人の奇妙な共同生活」がスタート! ジェイクは更正の道を歩き始めるんですけれども。
元プロレスラーの2人が同居生活?

そこにもう1人、酒に溺れるレイザー・ラモンが参戦。髪型をからかわれて傷ついたジェイクは酒を飲んだりするのです。
歩けないスコット・ホール

だがしかし! 2人とも何とか更正して、最後はリングに上がって、3人でイチャイチャするのでした〜 (´∀`=) アラアラ
リングでロックアップ


もうね、この映画で一番偉いと思ったのはDDP。彼の「労働者階級の苦労人」みたいなキャラは、嫌いじゃないけど興味もない感じでしてね(「労働者階級の乱暴者」の方が好み)。ただ、「昔、お世話になったから ( ´_ゝ`)」と、ジェイクを更正させようとする姿は男の中の男としか言いようがなくて、彼を軽んじていた自分が恥ずかしくなったというか。映画のクライマックスで、ジェイクはWWEでの復帰を経て殿堂入りするわけですが、そこで彼が述べるDDPへの感謝の言葉は感動的で、「素晴らしい友情の物語」だと思いましたよ。


WWEに復帰した時の映像を貼っておきますね↓




あと、周囲の人たちが「ちゃんと理解がある」点に感心しました。アル中のジェイクは、頑張って断酒しようとするものの、スコット・ホールに髪型をからかわれたりすると、すぐ「ムシャクシャした!ヽ(`Д´)ノ」ってな調子で酒を飲んでしまうのです。でも、周囲の人たちは「憎むべきは中毒だッ!m9`Д´) ビシッ」と全然見捨てないんですよね。結局、違法ドラッグもアルコールも「寂しいから溺れてしまう」ということが多いわけで、責めるのではなく「一緒に問題を解決しよう」という姿勢であり、太陽のように温かいというか(そして、ジェイクは見事に立ち直る…今のところは)。ちょっと「反省させると犯罪者になります」を思い出したりしましたよ。


周囲の人たちは、ジェイクに憎悪を向けないのです (ノω・、) イイヒト...
憎むべきは中毒だ


その他、「カリフラワー・アレイ・クラブの様子にホッコリ」とか「ダーレン・アロノフスキー監督には本作をベースに“ラムが更生する「レスラー」の続編”を作ってほしい」といったことは置いとくとして。正直なところ、僕は本当にクソ野郎で、「ビヨンド・ザ・マット」を観た後、「ジェイク・ロバーツはもうダメだな ┐(´ー`)┌」なんて偉そうに見切りをつけて、心の中の「どうでもいいフォルダ」に入れてたんですよ。でも、あれから十何年経って見事に人生を再生した彼の姿を観ると、「スゲェな」と素直に感動したし、「どんな人でも人生をやり直せるのかもしれない」と思ってね、猛省しながら鑑賞いたしました。なんかね、人を救うのは愛なんだなぁと。つらい時でも愛なんだ。できる何かが愛なんだ。そんなV6の歌の一節を唐突に書いて、この記事を終えたいと思います。


なんとなく玉置浩二さんバージョンの「愛なんだ」を貼っておきますね↓




おしまい (´∀`) アイナンダ




プロレス好きなら観て損はないドキュメンタリー。このころのロック様はイヤなイメージもあったなぁと。



ダーレン・アロノフスキー監督×ミッキー・ローク主演作。100点の映画でございます。